category: 日記
DATE : 2007/07/07 (Sat)
DATE : 2007/07/07 (Sat)
毎年この日は、曇りや雨ばっかりのような気がします。関東地方は今日も曇りで雨っぽいですね。
そういえば、ハルヒのアニメ二期が今日公式で発表されるとの話をあちこちで耳にしますが、現時点(01:30)では何の変化もなさそうで。
個人的には、消失祭りや隠謀祭りを時間ぴったりにやってますから、笹の葉ラプソディの中で時間遡航した7/7の21:00ごろが怪しいなぁ、なんて思ってます。さて、どうなんでしょう?
それでは今日は、この辺で!
そういえば、ハルヒのアニメ二期が今日公式で発表されるとの話をあちこちで耳にしますが、現時点(01:30)では何の変化もなさそうで。
個人的には、消失祭りや隠謀祭りを時間ぴったりにやってますから、笹の葉ラプソディの中で時間遡航した7/7の21:00ごろが怪しいなぁ、なんて思ってます。さて、どうなんでしょう?
それでは今日は、この辺で!
前回はこちら
【Respect redo】吉村美代子の憂鬱
改めて届けられた抹茶ぜんざい昆布茶付きを手に入れたことで、周防さんはようやくわたしのダージリンティを返してくれました。もちろん中身はカラッポですよ。ええ、即店員さんにカップも下げられちゃって、今は水を飲むしかないわけで、注文した商品がなくなった以上、さっさとお暇するのがお店側に対する客の誠意ある対応だと思うんですが、皆さんはどう思ってるんでしょうね。
そもそも周防さん、なんで微妙にわたしから距離を取ってるんですか。さりげなく抹茶ぜんざいに腕を回さないでください。別に取ったりしませんし、くれとも言いません。
「────────」
はぁ~……もう、その三日はエサにありつけなかったメスライオンみたいな目つきはやめてください。わたしはぜんざいよりもお汁粉派なんです。
「それで」
わたしは漏れるため息を隠そうともせずに口を開きました。ある種、今のわたしはそこいらの修行僧よりも悟りの境地に近付いているのかもしれません。
「いったい何がしたいんですか?」
これまで散々、橘さんは戦っているだのなんだのと言ってましたが、具体的なことは何一つ……ええと、チーム名? それを決めたくらいで、実際の活動情報については何もおっしゃってません。そもそも戦っているって、いったいどんな戦い方をしてるんでしょうか? 血で血を洗う抗争に巻き込まれるのなんてゴメンですよ、わたし。まだ小学生ですし、セーラー服を着ていなければ、機関銃の扱いなんてちっともわからないんですから。
「そんな現実離れした夢物語を語ってもらっても困るのです」
……ここってもしかして、怒るべきところなんでしょうか。
「戦う以前に、まずあなたは敵をのことを知っておくべきだと思うのです。敵を知り、己を知ればということですね」
あ、凄い。なんだかちゃんとまともなことを言ってるような……って、だめだめ。よくよく考えると橘さんの発言です。橘さんこそ、自分の……そのぅ、言動について、客観的な視点から理解した方がいいですよね。説得力ゼロだということに、今さらながら気づきました。
「まず、敵の一人はホルスタインなのです」
「ほる……牛さんですか?」
「似たようなもんです」
いったい何と戦ってるんですか、あなたは。
「その幼い容姿に庇護欲をそそる言動にだまされちゃいけません。嫉妬しそうなボディラインは、同性として精神的ダメージは絶大です。間違いなしです」
……あー、つまりプロポーションの話なんですね。確かに橘さんは……いえ、何でもないですが、わたしはまだ成長期ですもの。まだまだこれから……ですよね?
「二人目は微笑みの詐欺師です」
さ、詐欺師さんなんですか? それはまた……それこそ警察にお任せしちゃった方がよろしいんじゃないでしょうか。
「表情にはいつも笑顔を張り付けて、口八丁であちこち誑かしているのです。彼の戯れ言に耳を傾けてはいけません。笑顔も何ですかあれは、流行に乗っかるつもりですか。ハニカミに対抗したいのですか。ハンカチも一緒にしちゃえばいいじゃないですか。あんちくしょー」
「……あ、まずお水でも飲んで落ち着きません……か?」
「や、すみません。個人的な確執があるもので、少し熱くなってしまったのです」
もしかして、橘さんもその詐欺師さんに欺されちゃったことがあるんでしょうか。だとしたらご愁傷様としか……えっと、それわたしのお水なんで、自分の飲んでください。あ、佐々木さん、そんな気を遣ってお冷やのおかわりしてもらっても困るんですけど。
「三人目は歩く国会図書館です」
「……はい?」
「いっつも本ばかり読んでいます。そのくせ妙に人気があるのです。思わずジェラシー感じちゃうほどなのです。あの人気の一部を分けてもらいたいくらいなのです」
いったいどこでどんな人からどのような人気を得ているのか知りませんが、その言い方ってあれじゃないですか、すでに敗北宣言じゃないですか?
「そして、残る二人が強敵です」
「は、はぁ……」
「一人は唯我独尊の我がままな神様もどきなのです。はた迷惑な願い事を次々叶えて、周囲はてんてこ舞いです。本来ならその力も……いえ、それは追々ご説明しますが、ともかく! その人が敵一味のリーダー格なので、素人がウカツに手を出しちゃ大変なことになってしまいます。注意しましょう」
「それはまた……大変ですね」
「そして最後、影の実力者とも言うべきその人こそが、真のラスボスなのです」
ラスボスって……もしかしてこれ、何かしらのゲームのお話に切り替わってるんでしょうか? 橘さん相手だと、そういうことが実際にありそうで困っちゃいます。話しについて行くだけでいっぱいいっぱいですよ。
「巷ではあらゆる噂がはびこってるのです。フラグクラッシャーなどの二つ名が有名ですが、個人的な感想を言わせていただければ、クラッシュどころかブレイクしてそうな気がするのです。あちこちでフラグを立てまくってはブレイクしまくってます。かくいう佐々木さんだって被害者なのです」
「え?」
と、声を出したのはわたしじゃありません。これまで、まったくちっともさっぱり助け船を出してくれずに、パントマイムを見学していた佐々木さんでした。ご本人も、ここでまさか自分の名前が出るとは思ってなかったみたいです。
「僕は別に、何もされてないよ」
「またまたご冗談を。別に照れなくていいのです。隠すこともありません。ええ、あたしにはごりっとお見通しなのです」
「いや、だからね」
「共に過ごした中学時代。二人を別つ進路の壁。忘れないでと伝えたはずが、気付けば一年音沙汰ナシ。ようやく届いた愛しい便りは、量産プリントの年賀状。嗚呼、無惨」
……これ、お水ですよね? お酒じゃないですよね? 大丈夫ですか、橘さん。
「離れても心は繋がっているなんて、甘い幻想なのです。夢見がちな乙女じゃ喰っていけないのです。男なんて信じるのは間違っています。その結果がこうです」
ビシッと指さされた佐々木さんは、心底困ってる風でした。
「あのね、橘さん。だから僕は別に、」
「かといって、あたしも鬼じゃありません。人の色恋沙汰に口出しするのは野暮ってもんです。むしろ、応援するのが仲間として、親友として当たり前じゃありませんか」
えっ!? 佐々木さん……橘さんと親友だったんですか? あー……ごめんなさい、あまり人を色眼鏡で見るのはよくないことだってわかっていますけど……なんと言いますか、佐々木さんを見る目が変わっちゃっても怒らないでくださいね。
「吉村さん、誤解のないようにあらかじめ断っておくけれど、僕はまだ橘さんとは親友と呼び合えるほどの友誼を結んでいないよ。関係性を客観的かつ的確に表せば、知人と呼ぶのが適切なんだ。それだけは忘れないでもらいたい」
「とまぁ、佐々木さんはこのくらい照れ屋さんなので、あたしたちがバックアップしてあげなくちゃならないわけで」
「……あのねぇ……いや、もういい。好きにしてくれ」
なんとなく……ええ、なんとなくなんですけど、佐々木さんが今まで傍観していた気分がよくわかりました。下手に口を挟むと、さらに自爆しちゃうからだったんですね。
「とまぁ、敵の情報はこんな感じです。お分かり頂けたでしょうか」
「はぁ、まぁ」
まったくわかってないですが、ここで「わからない」と言えば、同じ話を延々聞かされそうなので、わかったフリをしておくのが賢明ですね。
「そんな連中は一人でも手強いのですが、敵の軍団発足はわたしたちよりも一年以上も前で、団結力も確かなものです。今日にめでたく発足した我らSHI」
「あーわーあーっ」
「……なんですか?」
「あ、いえ、何でもないです。それで、ええっと世界に平和と慈しみを与える橘京子の団が、なんですか?」
「はい。わたしたちは、個々の能力では互角かと思いますが」
や、待ってください。話を聞く限り、その敵とやらの一味も、なかなか困った感じが漂っているんですが、それと互角と言い張る橘さんたちも、かなりの困り者集団ってことになりませんか? あれ、その中にわたしも入ってます?
「まだ団結力という点で負けているのです」
スルーされちゃいました。
「そこで! 敵との遭遇を前に、我々も団結力を高めようではありませんか!」
高らかに宣言し、橘さんはショルダーバッグをごそごそ探って、何やらチラシっぽいものを取り出しました。
「…………温泉?」
「そうです。旅はいいものです。普段とは違う日常の中、まだぎこちなさが残る我々の仲も、一気に距離を縮めてくれます。かくいう敵対勢力も、山に海に出かけているとの情報を入手しております。しかし、あたしたちは相手の真似をするつもりはありません。真似したところで、並ぶことはできても追い抜けないからです。なので行く場所は、向こうもまだ行ってない温泉をチョイスしました。我ながらナイスアイディア」
いやその、大前提の『旅行』ってとこがパクリ以外の何ものでもないじゃないですか。
「もう宿は予約してあります。明日、出発です。朝早いです。今日は帰ってすぐに寝ることをおすすめします」
「え? いや、でもわたし、学校が」
「安心してください。あたしたちも学校はありますが、自主休校です」
ちょっと。
「それに吉村さんの学校はあれです、明日は開校記念日で土日も含めて三連休になっているはずです。あたしの情報網をナメないでもらいたいですね」
なんで知ってるんですか。ストーカーですか、あなたは。
「こうしちゃいられません。ともかく今日のミーティングはこれにて終了なのです。あたしは何かと準備があるので、これにて失礼します。ではまた、明日に」
「え? あ、あのちょっと、その」
ええっとぉ~……行っちゃいました。やること済ませたと言わんばかりに、微塵も躊躇いがない足取りで、さっさとお店から出て行っちゃいました。
「──────ババロアセット、追加──────」
周防さん、まだ食べるんですか!?
つづく
【Respect redo】吉村美代子の憂鬱
改めて届けられた抹茶ぜんざい昆布茶付きを手に入れたことで、周防さんはようやくわたしのダージリンティを返してくれました。もちろん中身はカラッポですよ。ええ、即店員さんにカップも下げられちゃって、今は水を飲むしかないわけで、注文した商品がなくなった以上、さっさとお暇するのがお店側に対する客の誠意ある対応だと思うんですが、皆さんはどう思ってるんでしょうね。
そもそも周防さん、なんで微妙にわたしから距離を取ってるんですか。さりげなく抹茶ぜんざいに腕を回さないでください。別に取ったりしませんし、くれとも言いません。
「────────」
はぁ~……もう、その三日はエサにありつけなかったメスライオンみたいな目つきはやめてください。わたしはぜんざいよりもお汁粉派なんです。
「それで」
わたしは漏れるため息を隠そうともせずに口を開きました。ある種、今のわたしはそこいらの修行僧よりも悟りの境地に近付いているのかもしれません。
「いったい何がしたいんですか?」
これまで散々、橘さんは戦っているだのなんだのと言ってましたが、具体的なことは何一つ……ええと、チーム名? それを決めたくらいで、実際の活動情報については何もおっしゃってません。そもそも戦っているって、いったいどんな戦い方をしてるんでしょうか? 血で血を洗う抗争に巻き込まれるのなんてゴメンですよ、わたし。まだ小学生ですし、セーラー服を着ていなければ、機関銃の扱いなんてちっともわからないんですから。
「そんな現実離れした夢物語を語ってもらっても困るのです」
……ここってもしかして、怒るべきところなんでしょうか。
「戦う以前に、まずあなたは敵をのことを知っておくべきだと思うのです。敵を知り、己を知ればということですね」
あ、凄い。なんだかちゃんとまともなことを言ってるような……って、だめだめ。よくよく考えると橘さんの発言です。橘さんこそ、自分の……そのぅ、言動について、客観的な視点から理解した方がいいですよね。説得力ゼロだということに、今さらながら気づきました。
「まず、敵の一人はホルスタインなのです」
「ほる……牛さんですか?」
「似たようなもんです」
いったい何と戦ってるんですか、あなたは。
「その幼い容姿に庇護欲をそそる言動にだまされちゃいけません。嫉妬しそうなボディラインは、同性として精神的ダメージは絶大です。間違いなしです」
……あー、つまりプロポーションの話なんですね。確かに橘さんは……いえ、何でもないですが、わたしはまだ成長期ですもの。まだまだこれから……ですよね?
「二人目は微笑みの詐欺師です」
さ、詐欺師さんなんですか? それはまた……それこそ警察にお任せしちゃった方がよろしいんじゃないでしょうか。
「表情にはいつも笑顔を張り付けて、口八丁であちこち誑かしているのです。彼の戯れ言に耳を傾けてはいけません。笑顔も何ですかあれは、流行に乗っかるつもりですか。ハニカミに対抗したいのですか。ハンカチも一緒にしちゃえばいいじゃないですか。あんちくしょー」
「……あ、まずお水でも飲んで落ち着きません……か?」
「や、すみません。個人的な確執があるもので、少し熱くなってしまったのです」
もしかして、橘さんもその詐欺師さんに欺されちゃったことがあるんでしょうか。だとしたらご愁傷様としか……えっと、それわたしのお水なんで、自分の飲んでください。あ、佐々木さん、そんな気を遣ってお冷やのおかわりしてもらっても困るんですけど。
「三人目は歩く国会図書館です」
「……はい?」
「いっつも本ばかり読んでいます。そのくせ妙に人気があるのです。思わずジェラシー感じちゃうほどなのです。あの人気の一部を分けてもらいたいくらいなのです」
いったいどこでどんな人からどのような人気を得ているのか知りませんが、その言い方ってあれじゃないですか、すでに敗北宣言じゃないですか?
「そして、残る二人が強敵です」
「は、はぁ……」
「一人は唯我独尊の我がままな神様もどきなのです。はた迷惑な願い事を次々叶えて、周囲はてんてこ舞いです。本来ならその力も……いえ、それは追々ご説明しますが、ともかく! その人が敵一味のリーダー格なので、素人がウカツに手を出しちゃ大変なことになってしまいます。注意しましょう」
「それはまた……大変ですね」
「そして最後、影の実力者とも言うべきその人こそが、真のラスボスなのです」
ラスボスって……もしかしてこれ、何かしらのゲームのお話に切り替わってるんでしょうか? 橘さん相手だと、そういうことが実際にありそうで困っちゃいます。話しについて行くだけでいっぱいいっぱいですよ。
「巷ではあらゆる噂がはびこってるのです。フラグクラッシャーなどの二つ名が有名ですが、個人的な感想を言わせていただければ、クラッシュどころかブレイクしてそうな気がするのです。あちこちでフラグを立てまくってはブレイクしまくってます。かくいう佐々木さんだって被害者なのです」
「え?」
と、声を出したのはわたしじゃありません。これまで、まったくちっともさっぱり助け船を出してくれずに、パントマイムを見学していた佐々木さんでした。ご本人も、ここでまさか自分の名前が出るとは思ってなかったみたいです。
「僕は別に、何もされてないよ」
「またまたご冗談を。別に照れなくていいのです。隠すこともありません。ええ、あたしにはごりっとお見通しなのです」
「いや、だからね」
「共に過ごした中学時代。二人を別つ進路の壁。忘れないでと伝えたはずが、気付けば一年音沙汰ナシ。ようやく届いた愛しい便りは、量産プリントの年賀状。嗚呼、無惨」
……これ、お水ですよね? お酒じゃないですよね? 大丈夫ですか、橘さん。
「離れても心は繋がっているなんて、甘い幻想なのです。夢見がちな乙女じゃ喰っていけないのです。男なんて信じるのは間違っています。その結果がこうです」
ビシッと指さされた佐々木さんは、心底困ってる風でした。
「あのね、橘さん。だから僕は別に、」
「かといって、あたしも鬼じゃありません。人の色恋沙汰に口出しするのは野暮ってもんです。むしろ、応援するのが仲間として、親友として当たり前じゃありませんか」
えっ!? 佐々木さん……橘さんと親友だったんですか? あー……ごめんなさい、あまり人を色眼鏡で見るのはよくないことだってわかっていますけど……なんと言いますか、佐々木さんを見る目が変わっちゃっても怒らないでくださいね。
「吉村さん、誤解のないようにあらかじめ断っておくけれど、僕はまだ橘さんとは親友と呼び合えるほどの友誼を結んでいないよ。関係性を客観的かつ的確に表せば、知人と呼ぶのが適切なんだ。それだけは忘れないでもらいたい」
「とまぁ、佐々木さんはこのくらい照れ屋さんなので、あたしたちがバックアップしてあげなくちゃならないわけで」
「……あのねぇ……いや、もういい。好きにしてくれ」
なんとなく……ええ、なんとなくなんですけど、佐々木さんが今まで傍観していた気分がよくわかりました。下手に口を挟むと、さらに自爆しちゃうからだったんですね。
「とまぁ、敵の情報はこんな感じです。お分かり頂けたでしょうか」
「はぁ、まぁ」
まったくわかってないですが、ここで「わからない」と言えば、同じ話を延々聞かされそうなので、わかったフリをしておくのが賢明ですね。
「そんな連中は一人でも手強いのですが、敵の軍団発足はわたしたちよりも一年以上も前で、団結力も確かなものです。今日にめでたく発足した我らSHI」
「あーわーあーっ」
「……なんですか?」
「あ、いえ、何でもないです。それで、ええっと世界に平和と慈しみを与える橘京子の団が、なんですか?」
「はい。わたしたちは、個々の能力では互角かと思いますが」
や、待ってください。話を聞く限り、その敵とやらの一味も、なかなか困った感じが漂っているんですが、それと互角と言い張る橘さんたちも、かなりの困り者集団ってことになりませんか? あれ、その中にわたしも入ってます?
「まだ団結力という点で負けているのです」
スルーされちゃいました。
「そこで! 敵との遭遇を前に、我々も団結力を高めようではありませんか!」
高らかに宣言し、橘さんはショルダーバッグをごそごそ探って、何やらチラシっぽいものを取り出しました。
「…………温泉?」
「そうです。旅はいいものです。普段とは違う日常の中、まだぎこちなさが残る我々の仲も、一気に距離を縮めてくれます。かくいう敵対勢力も、山に海に出かけているとの情報を入手しております。しかし、あたしたちは相手の真似をするつもりはありません。真似したところで、並ぶことはできても追い抜けないからです。なので行く場所は、向こうもまだ行ってない温泉をチョイスしました。我ながらナイスアイディア」
いやその、大前提の『旅行』ってとこがパクリ以外の何ものでもないじゃないですか。
「もう宿は予約してあります。明日、出発です。朝早いです。今日は帰ってすぐに寝ることをおすすめします」
「え? いや、でもわたし、学校が」
「安心してください。あたしたちも学校はありますが、自主休校です」
ちょっと。
「それに吉村さんの学校はあれです、明日は開校記念日で土日も含めて三連休になっているはずです。あたしの情報網をナメないでもらいたいですね」
なんで知ってるんですか。ストーカーですか、あなたは。
「こうしちゃいられません。ともかく今日のミーティングはこれにて終了なのです。あたしは何かと準備があるので、これにて失礼します。ではまた、明日に」
「え? あ、あのちょっと、その」
ええっとぉ~……行っちゃいました。やること済ませたと言わんばかりに、微塵も躊躇いがない足取りで、さっさとお店から出て行っちゃいました。
「──────ババロアセット、追加──────」
周防さん、まだ食べるんですか!?
つづく
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[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
きょこたんの組織も、『機関』に負けないほどの組織力があるに違いありませんw
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
いやいや、比較対象が朝比奈さんですよ。朝比奈さんを前にすれば誰だってつるぺたになっちゃうんですよ!
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
見えない未来だからこそ、希望が持てるのです!
すでに小学生とは思えない(らしい)ミヨキチさんのプロポーション、さらに発展すれば……と期待しましょうw
すでに小学生とは思えない(らしい)ミヨキチさんのプロポーション、さらに発展すれば……と期待しましょうw
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
うーむむむ、バッタリ出くわすとすれば……っとだけ( ̄ー ̄)
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