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DATE : 2007/07/04 (Wed)
今回は、なんというか正統派のパロディです。繋がりで言えば「ヒロインズ」の後日談的な位置づけですが、だからと言ってザッピングにしたりするわけでもありません。頭を捻るような伏線も、読み返したりしなくちゃならないような難解さもないお気楽路線で行こうかなと。

そんな感じのお話……になる予定です。タブン。

 【Respect redo】吉村美代子の憂鬱


 サンタクロースの存在を信じる信じないは別として、毎年十二月二十四日になれば、アメリカとカナダが共同運用する北米航空宇宙防衛司令部が『サンタクロース追跡作戦』を実施しているのは有名な話で、二〇〇五年には五〇周年を迎えたそうです。もちろん洒落でそんなことをしているんだと思いますけど、そこはさすがにスケールの大きい外国での出来事と言いますか、本格的に上空の探査を行っているみたいで、もしそこで見つけることになったら大騒ぎになって大変なことになりそうですけれど、それもやっぱり夢があっていいことだと思います。
 それと似たこと……なのかどうかはわかりませんが、天文学の分野では宇宙からの赤外線……あれ? 紫外線だったかしら? ともかくそういう電波の計測で、宇宙人のメッセージらしきものを見つけ出そうとする動きもあるようです。もし仮に宇宙人から発信された電波を受信した際には、確証が得られるまで国家機密レベルで情報を保持しなければならないとかなんとか、そういう話が本当にあるみたいです。
 超能力にしたってそうですよね。あるわけない、とか思ってる人は大半ですが、アメリカとかでは非公式ながらも霊能探偵とか、そういうのが警察などに協力しているわけで、ひとつのお仕事として成り立っているのが驚きです。しかも予知能力なんて、まるで実際にそうなることがわかっているかのように、未来を覗き見てきたかのような的中率を誇るそうですよ? それってつまり、信じてないと公言しつつも「もしかして」と思ってる人が多くいるから成り立つのであって、一概にすべてを否定できない話なんだと思います。
 かくいうわたしは、そういうのは「あればいいなぁ」くらいに思っている程度なんです。わたし自身にアニメ的コミック的はたまた特撮的なヒーローみたいな力があるわけもなく、周りにそれらしい人たちはいないと思ってます。思ってます、っていうのは、実際に確かめたわけじゃないから「もしかすると?」って思う気持ちが少なからずあるわけで……そういうのも、冒頭で述べたようなサンタクロース追跡作戦とか、宇宙人からのメッセージ受信とか、霊能探偵とかと似たような気持ちでの「もしかすると?」なんです。
 やはりそういうものは身近にないから希少価値があるのであって、あちこちに未来人や宇宙人、超能力者が居たら、有り難みがなくなっちゃいますよね。
 だから、もしかするとどこかにいるんじゃないかなぁとは思いつつも、わたしの周りには現れないんだろうなぁっていう……なんて言いますか、諦めに似た心境があるんですよね。諦めているから、目の前でそういうのを見せられても、何かしらのトリックがあるんじゃないか? って疑うんだと思うんです。
 ですから、口で自分が未来的宇宙的あるいは超能力的な存在だと言われてもすぐには信じられませんし、実際にやって見せてもらってもどこかしら疑いの眼差しというのは残ると思うんです。
 それが健全で常識的な物の見方、考え方だと思うんですけど……違うんでしょうか?
「いや……うん、そうだね。いやはや、まったくもってその通りだと思うよ。異論も反論もない、見事な持論であると認めざるを得ないね。吉村さんはまだ小学生だったかな? 六年生か。確かに小学生でもそう思うであろう、至極真っ当な意見だし、それに異議申し立てができるような言葉なんて、僕には一言だろうとありはしないさ。確かにその通りだ」
「え? あ、どうも」
 だったら何故、そんなことを佐々木さんは聞いてきたのかしら?
 わたしが今、こうして佐々木さんと百貨店に店舗を間借りしているカフェのオープンテラスでお茶を飲んでいるのは、本当に偶然ですもの。
 百貨店まで出てきたのはちょっとした買い物があったからで佐々木さんはそんなことを知っているはずもなく、そんなわたしの姿を見て声をかけた佐々木さんだって、そこをわたしが通りかかるのは予想していなかったと思うんですよね。
 そもそもオープンテラスでお茶をしているのは佐々木さんの方から申し出てくれたのであって、わたしは本当にただ、着いてきただけですもの。
 そうしたら佐々木さんが会話のついでとばかりに「宇宙人や超能力者や未来人についてどう思う?」なんて聞いてきたものだから正直に答えたんですけど……でも、わたしの返事で会話が終わってしまうような答えしか佐々木さんが用意してないのは、ちょっとおかしいかなぁって思うんですよね。
「あのぅ……何かあったんですか?」
「うん? 何が?」
「いえ、何か佐々木さんらしくないなぁって思って」
 佐々木さんとは、家族ぐるみのお付き合いをしているんです。いわばわたしのお姉さんみたいな人で、ときどき勉強を見てもらってたりしています。明朗快活で着眼点も鋭く、頭の回転も早くて……ちょっと男の人みたいな口調が気になることもありましたけど……そんなところをヌキにしても尊敬……と言うか、憧れと言いますか……ともかく、そういう人なんです。
 だから、今みたいな奥歯に物が挟まったような口籠もり方はいつもと違くて、ちょっと気になっちゃうんですよね。
「いや、たいしたことじゃないんだ。うん、確かに吉村さんが言うような目で超常的な出来事を見ることは当たり前のことだと思うし、それが正しい認識だと僕も自覚している。ただねぇ……なんというか、うーん……ああ、そうだ。吉村さん、これから少し時間はあるかい?」
「え? ああ、はい。お買い物も済ませちゃいましたし、あとはもう帰るだけでしたから」
「それは何より。いや実はね、このお店にあなたを誘ったのは、僕がこの店を知人との待ち合わせ場所にしていたからなんだよ。もしよかったら、会っていってはどうかな? 三人来るんだけれども……何、悪い人たちではないよ。僕としては是非とも、という気分なんだ」
「それは別に構いませんけれど……でも、どうしてですか?」
「それにはまぁ、海よりも深く、山よりも高い理由があって──」
「佐々木さ~ん」
 言葉を遮って聞こえたのは、佐々木さんを呼ぶ声でした。発言主に目を向ければ、わたしよりも年上で──ええっと、佐々木さんとは同い年くらいかしら? ツインテールにまとめた髪を揺らしながら、笑顔で近付いてくる女の人がいました。
「やあ、橘さん」
「お待たせしちゃいました。あら? そちらのお嬢さんはどなたかしら?」
「ああ、彼女が吉村さんだよ。前に少し話したでしょう?」
 わたしがきょときょとしていると、佐々木さんがそういう自己紹介をしてくれました。前から話していたって、いったいわたしの何を話していたんでしょう?
「あ、初めまして……」
「ああ、あなたがミヨキチちゃん? ふーむ、そうなのですね。わかりました、あとはあたしと佐々木さんを信じていれば、必ず幸せになれるのです」
「……え? あ、幸せ……って?」
「大丈夫なのです。これから一緒に頑張りましょう!」
 えーっと……あの、佐々木さん? この、今にも壷を売りつけてきたり、幸せを祈らせてくれと言い出しそうな方は……ええっと、どういったご関係なのでしょうか?

つづく
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★無題
NAME: wi
続かないって言ってたのに!うそつき!



2007/07/04(Wed)14:19:40 編集
芸人には身内の恥もネタにせにゃならんときがあるんや! 堪忍したってや!
【2007/07/05 02:37】
★無題
NAME: クロトシ
うっひょっほっほ~~い☆
これはまたカオスなネタになりそうな。

そういえば「エンカウント・デイズ」まとめの連番って連載話数と違ってる(まとめ第1話が連載時第1・2話相当になってる)んですけどそのままでいいんでしょうか?
2007/07/04(Wed)19:31:57 編集
カオスというかシュールな話になる……かも? わかりませんけども。

>そういえば「エンカウント・デイズ」まとめの連番って連載話数と違ってる(まとめ第1話が連載時第1・2話相当になってる)んですけどそのままでいいんでしょうか?

アッー! 今確認してみたところ、これって単なるテキストからのコピペミスってヤツでさぁ! あとで修正しときます( ´Д`)
【2007/07/05 02:39】
★無題
NAME: ゆんゆん。
橘さん…怪しさ満点ですね(笑)このまま壷やお札を売ってきても違和感ないですね~(#^.^#)
2007/07/04(Wed)22:58:21 編集
橘さんの組織の資金源はきっとそれです。ううん、わからないけどきっとそう。
【2007/07/05 02:40】
★無題
NAME: ron
ミヨキチが主人公とは!でも、ミヨキチ可愛いからゆるしちゃう、むしろ期待
2007/07/05(Thu)00:38:04 編集
ミヨキチさんには頑張ってもらいたいものです。
【2007/07/05 02:41】
★無題
NAME: BPS
ミヨキチ話ですかこれは胸高鳴りますね。
しかしきょこたんはあまりにも初対面の相手をドン引きさせていらっしゃるw
2007/07/05(Thu)00:57:16 編集
そもそも原作でいくら事情を知っているキョン相手とはいえ、あの迫り方はなかなかコワイものがあると思った人は自分だったりしますw
【2007/07/05 02:42】
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