category: 日記
DATE : 2007/07/12 (Thu)
DATE : 2007/07/12 (Thu)
今日は特にネタもなく、眠気まーっくすな感じであります。
ちょろんとSSだけ置いていきますね( ´∀`)つ □
それではまた明日!
ちょろんとSSだけ置いていきますね( ´∀`)つ □
それではまた明日!
前回はこちら
【Respect redo】吉村美代子の憂鬱
ホテルや旅館に寝間着としておいてある浴衣って寝間着ですから、適当に着込む人が多いですけれど、朝倉さんはそれでも帯をしっかり巻き、髪もかんざし一本で結い上げて気合いバッチリです。これからお祭りにでも出かけるんですか? なんて聞きたくなるほど、そのまま外に出ても恥ずかしくない着付けをしていました。
「何やってるんですか、こんなところで?」
「え? ああ、ちょっとした息抜き……かな。来週から復学なんだけど、その前に温泉でも行ってゆっくりしましょう、って誘われたの」
そういえば誰かと一緒に来てるらしいですね。橘さん曰く、女客二人ということは、もう一人の方も女性だと思いますし……お兄さんじゃなくて心底安心したのはナイショです。
それでも……なんと言いますか、今でこそホテルや旅館の室内着として定着し、夏祭りなどで見かける浴衣ですが、その歴史は安土桃山時代まで遡り、本来は湯上がりに水分を吸い取らせるための湯帷子が江戸時代に庶民の普段着として愛用されて浴衣になった、なんて歴史があるそうですよ。
もともと略装ですし、浴衣で人と会うのは失礼とされてたようですけれど、洋装が主流の今の時代ですからね、そういうしきたりも今では気にする人は少ないですが……朝倉さんは、もしかすると気にする人なんでしょうか? 心なしか、落ち着きのない態度のように見えます。
「えっと、吉村さんは……もしかしてもしかすると……その隣の人と一緒に来たの?」
「え?」
朝倉さんがいたことで驚いていたのですっかり忘れていましたが、この部屋の襖を叩きつけんばかりに開いたのは、そもそも周防さんでした。もしかして、お知り合いなんでしょうか?
そのことを周防さんに聞こうと思って横にいるであろう周防さんに顔を向けようとした……そのとき。
「ぅひゃあっ!」
「……え?」
横を向くとそこに周防さんの姿はなく、代わりに聞こえてきたのは朝倉さんの悲鳴でした。もう、首の筋を違えるほどの勢いで向き直れば、まるで瞬間移動でもしたかのような勢いで、朝倉さんを押し倒している周防さんが……って、何やってるんですか!?
「ちょっ、ちょっと、ひゃっ! このっ……ばっ、そん……あっ、ちょ、そんな……ま、待って待って……あっ、ん……っ!」
う……うわぁ……これ、ちょっとあの……とてもその、口では言えないような出来事が目の前で展開してるんですが……うわーっ、うわーっ、うわあぁぁ……そんなことしちゃうんだ……。
「って、こらーっ!」
これ以上はさすがにまずいです。いろいろな意味でピンチです。そもそもわたし、小学生ですよ? そりゃまぁ……その手の知識はそろそろ覚えて……って、違う違う!
「何やってるんですか、周防さん!」
スパーンと思わず手が出ちゃいましたけど、そんなこと気にしてる場合じゃありません。別に周防さんの趣味にあれこれ文句を言うつもりはありませんけれど、そういう真似は人様の目がないところでやるべきであって……って、それも何か間違ってる気がしないでもありませんが、少なくともわたしの目の前ではやめてください。
「────敵────」
「何が敵ですか! 周防さんの方こそ女性の敵ですっ! いきなり押し倒して何やってんですか、まったくもうっ!」
何ですか、そんな睨んだって、今回ばかりは怯みませんよ。今のは周防さんが悪いじゃないですか。さすがのわたしでも許しません。
「ほら、ちゃんと謝りなさい」
「──────ごめんなさい────」
そんな舌打ちしそうな態度で……まぁ、いいです。それよりもこの……なんと言いますか、髪は解けて浴衣もはだけさせて、妙に艶っぽい朝倉さんはどうすべきでしょうか。このまま放置しておくのも申し訳ない気がすますし、周防さんを置いたままにしておくのもいろいろ危険な香りがプンプン漂っています。
「あら、随分と賑やかですね」
思案に暮れていると、随分と爽やかな声音が背後から聞こえてきました。こちらも浴衣姿で、長い髪を結い上げている女の人ですが、お会いしたことのない方です。
「あ、あのもしかして朝倉さんのお連れの方ですか?」
「ええ。喜緑江美里と申します」
いつから見ていたのか知りませんが、この状況を見ても爽やかで居られる時点で、なんだか嫌な予感がするのは……これもすべて橘さんのせいですね。おかげ、などとは口が裂けても言いませんとも。ええ。
「すっ、すみません。うちの連れが、そのぅ、なんと言いますか、粗相をしてしまったようで……」
「連れ、ですか」
ちらり、と視線を動かして、喜緑さんが目を向けるその先には、周防さんの姿。その周防さんですが、こちらもまた、何と言うかいつもの鉄面皮なんですけれど、どこか目が据わってませんか? ……はっ、まさか!?
「ダメですよっ!」
わたしが大声を出すと、周防さんはやっぱりというかなんというか、ビクッと体を震わせて、ゆるゆるとわたしの方に非難がましい目を向けました。
やっぱり……今もまた、飛びかかろうとしてましたね? 何ですかまったく、別に同性愛云々で文句を言う気はさらさらありませんけど、見境なしはだめですよ。あまつさえいきなり押し倒すなんて言語道断ですっ!
「もう、ホントすみません。しっかり言って聞かせますので……」
「あらあら、仲がよろしいんですね」
くすくす微笑み喜緑さんを前に、憮然としているような周防さんはフイっと顔を背けると、そのまま廊下の奥に向かって階段を上っていっちゃいました。
はぁ~……疲れた。
「もう、本当にすみません。あとでちゃんと謝りに来させますから」
「いえいえ、お気になさらずに。それより、あなたは朝倉さんとお友だちなのかしら?」
「え? あ~……お友だちと言いますか、知り合いと申しましょうか……」
「もしかして、吉村美代子さんかしら?」
「わたしのこと、知ってるんですか?」
「やっぱりそうなんですね。ええ、朝倉さんからチラホラお話は伺ってますので。こんなところでお会いするなんて、凄い偶然ですね。先ほどの方と二人で来られたのかしら?」
「いえいえ、他に二人……」
あ~、一人はリネン室で監禁されてましたっけ?
「三人、いますけど」
「それでは五人でいらっしゃったんですか。ふふふ」
ふふふ、って何ですか。普通に微笑んだような気もしますけれど、何でしょう、この何をしているわけでもないのに、妙な腹黒さを醸しだしているこの人の雰囲気は。
「もしよろしければ、あとでお邪魔させていただきますね。今は……朝倉さんがあんな調子ですし」
「あ、はい……」
「ふふふ、二人だけでは退屈するのではと思ってましたけど、楽しい旅行になりそうで安心しました。それではまた、後ほど」
絶えず微笑みっぱなしの喜緑さんはそう言うと、ぴしゃりと襖を閉めてしまいました。
うー……ん、何でしょう。開けちゃダメな地獄の釜の底を開いた気分を感じているんですが……っと、いけない。そんなことより、周防さんを一人にしておけませんね。
しっかり、お説教しなくちゃ。
つづく
【Respect redo】吉村美代子の憂鬱
ホテルや旅館に寝間着としておいてある浴衣って寝間着ですから、適当に着込む人が多いですけれど、朝倉さんはそれでも帯をしっかり巻き、髪もかんざし一本で結い上げて気合いバッチリです。これからお祭りにでも出かけるんですか? なんて聞きたくなるほど、そのまま外に出ても恥ずかしくない着付けをしていました。
「何やってるんですか、こんなところで?」
「え? ああ、ちょっとした息抜き……かな。来週から復学なんだけど、その前に温泉でも行ってゆっくりしましょう、って誘われたの」
そういえば誰かと一緒に来てるらしいですね。橘さん曰く、女客二人ということは、もう一人の方も女性だと思いますし……お兄さんじゃなくて心底安心したのはナイショです。
それでも……なんと言いますか、今でこそホテルや旅館の室内着として定着し、夏祭りなどで見かける浴衣ですが、その歴史は安土桃山時代まで遡り、本来は湯上がりに水分を吸い取らせるための湯帷子が江戸時代に庶民の普段着として愛用されて浴衣になった、なんて歴史があるそうですよ。
もともと略装ですし、浴衣で人と会うのは失礼とされてたようですけれど、洋装が主流の今の時代ですからね、そういうしきたりも今では気にする人は少ないですが……朝倉さんは、もしかすると気にする人なんでしょうか? 心なしか、落ち着きのない態度のように見えます。
「えっと、吉村さんは……もしかしてもしかすると……その隣の人と一緒に来たの?」
「え?」
朝倉さんがいたことで驚いていたのですっかり忘れていましたが、この部屋の襖を叩きつけんばかりに開いたのは、そもそも周防さんでした。もしかして、お知り合いなんでしょうか?
そのことを周防さんに聞こうと思って横にいるであろう周防さんに顔を向けようとした……そのとき。
「ぅひゃあっ!」
「……え?」
横を向くとそこに周防さんの姿はなく、代わりに聞こえてきたのは朝倉さんの悲鳴でした。もう、首の筋を違えるほどの勢いで向き直れば、まるで瞬間移動でもしたかのような勢いで、朝倉さんを押し倒している周防さんが……って、何やってるんですか!?
「ちょっ、ちょっと、ひゃっ! このっ……ばっ、そん……あっ、ちょ、そんな……ま、待って待って……あっ、ん……っ!」
う……うわぁ……これ、ちょっとあの……とてもその、口では言えないような出来事が目の前で展開してるんですが……うわーっ、うわーっ、うわあぁぁ……そんなことしちゃうんだ……。
「って、こらーっ!」
これ以上はさすがにまずいです。いろいろな意味でピンチです。そもそもわたし、小学生ですよ? そりゃまぁ……その手の知識はそろそろ覚えて……って、違う違う!
「何やってるんですか、周防さん!」
スパーンと思わず手が出ちゃいましたけど、そんなこと気にしてる場合じゃありません。別に周防さんの趣味にあれこれ文句を言うつもりはありませんけれど、そういう真似は人様の目がないところでやるべきであって……って、それも何か間違ってる気がしないでもありませんが、少なくともわたしの目の前ではやめてください。
「────敵────」
「何が敵ですか! 周防さんの方こそ女性の敵ですっ! いきなり押し倒して何やってんですか、まったくもうっ!」
何ですか、そんな睨んだって、今回ばかりは怯みませんよ。今のは周防さんが悪いじゃないですか。さすがのわたしでも許しません。
「ほら、ちゃんと謝りなさい」
「──────ごめんなさい────」
そんな舌打ちしそうな態度で……まぁ、いいです。それよりもこの……なんと言いますか、髪は解けて浴衣もはだけさせて、妙に艶っぽい朝倉さんはどうすべきでしょうか。このまま放置しておくのも申し訳ない気がすますし、周防さんを置いたままにしておくのもいろいろ危険な香りがプンプン漂っています。
「あら、随分と賑やかですね」
思案に暮れていると、随分と爽やかな声音が背後から聞こえてきました。こちらも浴衣姿で、長い髪を結い上げている女の人ですが、お会いしたことのない方です。
「あ、あのもしかして朝倉さんのお連れの方ですか?」
「ええ。喜緑江美里と申します」
いつから見ていたのか知りませんが、この状況を見ても爽やかで居られる時点で、なんだか嫌な予感がするのは……これもすべて橘さんのせいですね。おかげ、などとは口が裂けても言いませんとも。ええ。
「すっ、すみません。うちの連れが、そのぅ、なんと言いますか、粗相をしてしまったようで……」
「連れ、ですか」
ちらり、と視線を動かして、喜緑さんが目を向けるその先には、周防さんの姿。その周防さんですが、こちらもまた、何と言うかいつもの鉄面皮なんですけれど、どこか目が据わってませんか? ……はっ、まさか!?
「ダメですよっ!」
わたしが大声を出すと、周防さんはやっぱりというかなんというか、ビクッと体を震わせて、ゆるゆるとわたしの方に非難がましい目を向けました。
やっぱり……今もまた、飛びかかろうとしてましたね? 何ですかまったく、別に同性愛云々で文句を言う気はさらさらありませんけど、見境なしはだめですよ。あまつさえいきなり押し倒すなんて言語道断ですっ!
「もう、ホントすみません。しっかり言って聞かせますので……」
「あらあら、仲がよろしいんですね」
くすくす微笑み喜緑さんを前に、憮然としているような周防さんはフイっと顔を背けると、そのまま廊下の奥に向かって階段を上っていっちゃいました。
はぁ~……疲れた。
「もう、本当にすみません。あとでちゃんと謝りに来させますから」
「いえいえ、お気になさらずに。それより、あなたは朝倉さんとお友だちなのかしら?」
「え? あ~……お友だちと言いますか、知り合いと申しましょうか……」
「もしかして、吉村美代子さんかしら?」
「わたしのこと、知ってるんですか?」
「やっぱりそうなんですね。ええ、朝倉さんからチラホラお話は伺ってますので。こんなところでお会いするなんて、凄い偶然ですね。先ほどの方と二人で来られたのかしら?」
「いえいえ、他に二人……」
あ~、一人はリネン室で監禁されてましたっけ?
「三人、いますけど」
「それでは五人でいらっしゃったんですか。ふふふ」
ふふふ、って何ですか。普通に微笑んだような気もしますけれど、何でしょう、この何をしているわけでもないのに、妙な腹黒さを醸しだしているこの人の雰囲気は。
「もしよろしければ、あとでお邪魔させていただきますね。今は……朝倉さんがあんな調子ですし」
「あ、はい……」
「ふふふ、二人だけでは退屈するのではと思ってましたけど、楽しい旅行になりそうで安心しました。それではまた、後ほど」
絶えず微笑みっぱなしの喜緑さんはそう言うと、ぴしゃりと襖を閉めてしまいました。
うー……ん、何でしょう。開けちゃダメな地獄の釜の底を開いた気分を感じているんですが……っと、いけない。そんなことより、周防さんを一人にしておけませんね。
しっかり、お説教しなくちゃ。
つづく
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[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
や、勘違いしてはいけません。九曜さんは真面目に攻撃してるんですよ? すべてミヨキチさんの勘違いなんですよ。まぁ、おませさん(*゚∀゚*)
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
逃げられないように足もとから攻めるのは基本ですね!
……あれ?
……あれ?
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
容赦なしですが、九曜さんが反応するのはTFEIのみですので……や、攻撃することが、ですよ?
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