category: 日記
DATE : 2007/02/02 (Fri)
DATE : 2007/02/02 (Fri)
あと1時間だけ〆切伸ばしてもらいたいんですが、構いませんね!
というわけで、しばしお待ちを。
※0:45ごろ追加
1時間もかからなかったヽ(´▽`)ノ
これから二月中旬くらいまでは、こんな感じの更新ペースになりそうです。下手すりゃ二月はまるまるかもしれません。
というわけで、しばしお待ちを。
※0:45ごろ追加
1時間もかからなかったヽ(´▽`)ノ
これから二月中旬くらいまでは、こんな感じの更新ペースになりそうです。下手すりゃ二月はまるまるかもしれません。
第一話、第二話
【週刊朝倉涼子】
第三話:朝倉さん、逃げる
身に覚えのない罪状とともに指さされた場合、人って自分の背後を確認しちゃうよね。
それはあたしもそう。ビシッとこっちを指さしているけれど、まさかわたしのことなんて思わなくて、思わず振り返って、でも誰もいなくて、それでようやく「もしかしてわたしのこと?」って気づいたんだけど……ちょっと待って。リボン泥棒?
「阪中さん、何のことかわかる?」
「えっと……泥棒なの? 朝倉さん」
ちょっと……そんなわけないじゃない。
そもそもわたし、リボンなんて盗ってないし持っても……持って……あっ! さっき喜緑さんがわたしの髪にリボン巻き付けて、でもそれは筆箱を作り替えたもので涼宮さんのものではないから……いえ、でも喜緑さんのことだから……。
「阪中さん、そいつ捕まえて! あたしのリボン盗んだ泥棒よ!」
鬼気迫る涼宮さんの声で、ハッと我に返る。見れば、彼の制止を振り切ってこっちに向かって走ってきた。
まずいまずいまずい、まずいったらホントにまずい。こんなところで彼女たちと鉢合わせするわけにもいかないし、そもそもわたしの目的はここで彼女たちと会うことじゃなくて、ええっとだから。
とりあえず逃げましょう。うん、それが最善の選択だと思うの。今ここで彼女たちに捕まるわけにはいかないし、そもそもえん罪なわけだし、何より一言文句を言ってやりたい相手もできたことだし……って。
「さ、阪中さん、なんで着いてくるの!?」
「だっ、だって、怖いんだもの。あの涼宮さんっ!」
納得。
「こらーっ! 待ちなさーいっ!」
待てと言われて待つわけないじゃない。ああ、もうどうしよう。どうやって振り切ろうかな。ウカツなことして変な勘繰りされるのも困るし、そもそも彼も一緒だから変なことをするとバレちゃうかもしれないし。
「あ、朝倉さん。とりあえず、はずすといいと思うのね。そのリボン」
一緒に走りながら、阪中さんからナイスなアイディアが。
そっか、このリボンを取り戻すために……と言っても涼宮さんのじゃないんだけど……追いかけて来ているんだから、このリボンを捨てれば追いかけられることもって、痛っ!
「ど、どうしたの?」
「どうしたっていうか」
このリボン……よりにもよって髪の毛と融合させてるわ。これをほどくなら、髪の毛を切るかリボンそのものの構造情報を読み解いて解除するしか……って、リボンの構造情報にプロテクトまで掛けてるの!?
喜緑さん……ホントにもう、喜緑さん……あとで覚えておきなさい。ええもう、絶対に許さないんだからっ!
「これほどくの、無理みたい」
「えぇーっ!? ど、どうすればいいの?」
「こうなったら、誤解を解くしかないんだけど……」
なんて言った途端、わたしと阪中さんの間を、びゅんっと物凄い勢いでゴミ箱が吹っ飛んでいった。業務用の青いポリバケツなんだけど……ちょっと涼宮さん、走りながらそんなの投げつけたの!?
「とりあえず今は逃げましょう。捕まったらロクなことにならないわ」
「……あー、よく考えたらあたし、関係なかったのね。朝倉さん、頑張って」
「うん、それ無理。今の涼宮さんが聞く耳持つと思う?」
わたしの言葉に、チラリと後ろを振り返った阪中さんは、すぐさまわたしに視線を戻して真っ青になって、今にも泣きそうな表情を見せた。ちょっと可哀想かなとも思うけど、人間はよく「死なば諸共、一蓮托生」って言うじゃない? 諦めてもらいましょ。
「とりあえず、どこか身を隠す場所に行くのがいいと思うの。そこで隠れて……ええっと、諦めるのを待ってもらうしか」
「あたし、明日学校で涼宮さんに会うのね。うぅ……どうしよう」
ご愁傷さま……なんて、他人事じゃないしなぁ。
「いざとなったら人の多いところに逃げ込みましょう。そうすれば捕まっても、涼宮さんも暴れないと思うし……」
おまけに他の人間を盾にできるし、いざとなったら喜緑さんの真似して犯人をでっち上げるってのもいいわね。
最高なのは、このリボンの構成情報にかけられているプロテクトを解除して、わたしたちをこんな目に遭わせた喜緑さんに仕返しして、スッキリしたところで涼宮さんに突き出すのが理想的な展開なんだけど……こんな追いかけられた状況じゃ無理だし。ううーん、どうしよう。
「あっ! 朝倉さん、そっちの道は、」
なんてことを考えながら走っていたせいか、常識的な範囲で考えれば飛び越えられない壁が道をふさぎ行き止まりに。こんなありきたりな展開なんて、あんまりよね。
「追いつめたわよっ!」
引き返そうとしたその直後、真後ろから響く、勝ち誇った声。
「さぁっ! 観念しなさい」
どうしようどうしようどうしよう。うーん、こうなったら仕方ないわね。
「阪中さん」
「え?」
「ゴメンね」
一言謝罪して、その背中をドンッと力を込めて一押し。
「きゃわっ!」
「わっ!」
わたしに押された阪中さんと、駆け込んできた涼宮さんがモロに衝突してもつれて転倒した隙に、わたしはその横を一目散に駆け抜けた。
ありがとう阪中さん、あなたの犠牲は無駄にしないわ。
「って、ちょっと待て!」
上手い具合に抜け出せたと思ったそのとき、涼宮さんと一緒に追いかけてきていた彼が、力いっぱいわたしの手首を握りしめてきた。
つづく
【週刊朝倉涼子】
第三話:朝倉さん、逃げる
身に覚えのない罪状とともに指さされた場合、人って自分の背後を確認しちゃうよね。
それはあたしもそう。ビシッとこっちを指さしているけれど、まさかわたしのことなんて思わなくて、思わず振り返って、でも誰もいなくて、それでようやく「もしかしてわたしのこと?」って気づいたんだけど……ちょっと待って。リボン泥棒?
「阪中さん、何のことかわかる?」
「えっと……泥棒なの? 朝倉さん」
ちょっと……そんなわけないじゃない。
そもそもわたし、リボンなんて盗ってないし持っても……持って……あっ! さっき喜緑さんがわたしの髪にリボン巻き付けて、でもそれは筆箱を作り替えたもので涼宮さんのものではないから……いえ、でも喜緑さんのことだから……。
「阪中さん、そいつ捕まえて! あたしのリボン盗んだ泥棒よ!」
鬼気迫る涼宮さんの声で、ハッと我に返る。見れば、彼の制止を振り切ってこっちに向かって走ってきた。
まずいまずいまずい、まずいったらホントにまずい。こんなところで彼女たちと鉢合わせするわけにもいかないし、そもそもわたしの目的はここで彼女たちと会うことじゃなくて、ええっとだから。
とりあえず逃げましょう。うん、それが最善の選択だと思うの。今ここで彼女たちに捕まるわけにはいかないし、そもそもえん罪なわけだし、何より一言文句を言ってやりたい相手もできたことだし……って。
「さ、阪中さん、なんで着いてくるの!?」
「だっ、だって、怖いんだもの。あの涼宮さんっ!」
納得。
「こらーっ! 待ちなさーいっ!」
待てと言われて待つわけないじゃない。ああ、もうどうしよう。どうやって振り切ろうかな。ウカツなことして変な勘繰りされるのも困るし、そもそも彼も一緒だから変なことをするとバレちゃうかもしれないし。
「あ、朝倉さん。とりあえず、はずすといいと思うのね。そのリボン」
一緒に走りながら、阪中さんからナイスなアイディアが。
そっか、このリボンを取り戻すために……と言っても涼宮さんのじゃないんだけど……追いかけて来ているんだから、このリボンを捨てれば追いかけられることもって、痛っ!
「ど、どうしたの?」
「どうしたっていうか」
このリボン……よりにもよって髪の毛と融合させてるわ。これをほどくなら、髪の毛を切るかリボンそのものの構造情報を読み解いて解除するしか……って、リボンの構造情報にプロテクトまで掛けてるの!?
喜緑さん……ホントにもう、喜緑さん……あとで覚えておきなさい。ええもう、絶対に許さないんだからっ!
「これほどくの、無理みたい」
「えぇーっ!? ど、どうすればいいの?」
「こうなったら、誤解を解くしかないんだけど……」
なんて言った途端、わたしと阪中さんの間を、びゅんっと物凄い勢いでゴミ箱が吹っ飛んでいった。業務用の青いポリバケツなんだけど……ちょっと涼宮さん、走りながらそんなの投げつけたの!?
「とりあえず今は逃げましょう。捕まったらロクなことにならないわ」
「……あー、よく考えたらあたし、関係なかったのね。朝倉さん、頑張って」
「うん、それ無理。今の涼宮さんが聞く耳持つと思う?」
わたしの言葉に、チラリと後ろを振り返った阪中さんは、すぐさまわたしに視線を戻して真っ青になって、今にも泣きそうな表情を見せた。ちょっと可哀想かなとも思うけど、人間はよく「死なば諸共、一蓮托生」って言うじゃない? 諦めてもらいましょ。
「とりあえず、どこか身を隠す場所に行くのがいいと思うの。そこで隠れて……ええっと、諦めるのを待ってもらうしか」
「あたし、明日学校で涼宮さんに会うのね。うぅ……どうしよう」
ご愁傷さま……なんて、他人事じゃないしなぁ。
「いざとなったら人の多いところに逃げ込みましょう。そうすれば捕まっても、涼宮さんも暴れないと思うし……」
おまけに他の人間を盾にできるし、いざとなったら喜緑さんの真似して犯人をでっち上げるってのもいいわね。
最高なのは、このリボンの構成情報にかけられているプロテクトを解除して、わたしたちをこんな目に遭わせた喜緑さんに仕返しして、スッキリしたところで涼宮さんに突き出すのが理想的な展開なんだけど……こんな追いかけられた状況じゃ無理だし。ううーん、どうしよう。
「あっ! 朝倉さん、そっちの道は、」
なんてことを考えながら走っていたせいか、常識的な範囲で考えれば飛び越えられない壁が道をふさぎ行き止まりに。こんなありきたりな展開なんて、あんまりよね。
「追いつめたわよっ!」
引き返そうとしたその直後、真後ろから響く、勝ち誇った声。
「さぁっ! 観念しなさい」
どうしようどうしようどうしよう。うーん、こうなったら仕方ないわね。
「阪中さん」
「え?」
「ゴメンね」
一言謝罪して、その背中をドンッと力を込めて一押し。
「きゃわっ!」
「わっ!」
わたしに押された阪中さんと、駆け込んできた涼宮さんがモロに衝突してもつれて転倒した隙に、わたしはその横を一目散に駆け抜けた。
ありがとう阪中さん、あなたの犠牲は無駄にしないわ。
「って、ちょっと待て!」
上手い具合に抜け出せたと思ったそのとき、涼宮さんと一緒に追いかけてきていた彼が、力いっぱいわたしの手首を握りしめてきた。
つづく
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[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
阪中さんはこんなところでへこたれる子じゃありませんよ!
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
日曜日になれば、また朝倉さんが大活躍ですよ!
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