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DATE : 2007/01/30 (Tue)
今回のザッピングSS、作中でハルヒさんが探しているものを「リボン」と言ってますが、どうやら本当はカチューシャだそうで。
まぁ、あまりその辺りのことは気になさらずに。気にしたら負けだって知らないお兄さんも言ってたよ! ってことで。

なんて言ってますが、今日の【週刊朝比奈みくる】第三話ではまったくリボンの「り」の字も出てきません。

※追記
本日(1/30)13:50~16:50ごろまで、なにやらサーバーメンテナンスがあるようです。
その間、当BLOGに繋がらないかもしれません。ご了承くださいませ。

※追記の追記
と思ったら、BLOGはメンテ関係なしだそうで( ´-ω-)y‐┛~~


第一話第二話

【週刊朝比奈みくる】
第三話:朝比奈さん、右往左往

 新川さんに連れられて、パーティ会場まで移動したあたしですけれど、その会場の広さにびっくり。このホテルで一番多きな会場だったみたいで、正装したたくさんの人であふれかえっていました。
 んーと、こういうのって何て言うのかな? 立食パーティ? 大きな丸テーブルがいくつかあって、その上に食べ物や飲み物があって……っていう形になってるんです。ただ、会場にあるのはそういうテーブルだけじゃなくて、展示会で展示する商品もいくつかあるみたいで。
 その中であたしがすることと言えば、空いた食器を片付けたりトレーに飲み物を乗せて歩いたりっていうことなんだけど……うぅ、こんな人がいっぱいいるところでトレーに飲み物乗せて歩くなんて……落っことしたら大変なことになるんじゃないかなぁ。
 それに……。
「大丈夫でございます。万が一がございましても、この新川、僭越ながら朝比奈さまのフォローをさせていただきますので」
「す、すみません。お願いします……あの」
「なんでございましょう」
「ちょっと気になったんですけど……普通のお客様の中にどこかちょっと……怖そうな人が混じってる気がするんです」
 そんな人たちにはすぐ気づいたの。だって、普通のお客様は談笑されてるんですけど、怖そうな人たちはみんな壁際にいて、まるで監視してるみたいにしてるんですもの。
「ああ、彼らは警備の人間です。何しろここに展示されているのは、どれも国宝級の重要文化財。万が一がないようにとの配慮でございます」
 なるほどぉ。それでちょっと、物々しい雰囲気になっちゃってるんですねぇ。それだけ重要な文化財になれば、そういう警備の人がいるのも納得なんですけど……それだけにちょっと緊張しちゃいますぅ~……。
「それでは朝比奈さま、空いた食器の片付けをお願いいたします」
「は、はい。がんばります」
 食器を片付けるくらいなら、あたしにだって出来るかな。ううん、やらなくちゃダメなのよね。新川さんや鶴屋さんに迷惑はかけられないし、頑張らなくちゃ。
 なんて、そんなあたしのやる気とは裏腹に、真面目に仕事をしていればいるほど、妙に声をかけられちゃうの。しかも男の人ばっかりに声かけられて……えと、なんであたしの名前とか住所とか聞いてくるんだろ? その度に新川さんが割って入ってくれて、謝罪して……うぅ、ホントにすみません。
 なんかあたしが表に出ているとそんなことばっかり起きちゃうみたいで、仕方ないからあまり動き回らないで済む、バーカウンターのところで飲み物を出す係に変更させてもらっちゃいました。格好もそうですけど、まさに気分はバーテンダーです。……シェイカーとか振れないですけど……。
 で、でもここなら、自分がやることは注文された飲み物を出すだけだから、部室とそんな変わらないから気も楽だったんだけど……ええっと、なんで人だかり……えっと、ちょっと人いっぱいで怖いです……。
「はいはい、ごめんよっ! ほらほら、みんなここに集まってないでさっ、せっかくなんだし、ウチのご先祖さまのお宝でも見てきてよっ!」
 そんな人垣に囲まれてビクビクしていたあたしなんですけど、聞こえてきた声でホッと胸をなで下ろしました。ホントにいつも、学校でもなんですけど、鶴屋さんには助けられてばっかりで。
「やぁっ、みくる! ごめんよ~、あたしもそっちで動き回ってた方が気が楽なんだけどさっ、親がそれを許してくれないんだよねっ」
 そう言ってあたしの様子を見に来てくれた鶴屋さんは、ここで着替えたのか、もちろん制服姿じゃありません。ドレス……って言うよりも、着物なのかなぁ。長い髪をアップでまとめて、和服をベースにしたドレス姿で、それがとっても似合ってました。
「わぁっ、鶴屋さん、とっても似合ってます。綺麗ですよ」
「ふっふーん、それは服のことかい?」
「えーっ、鶴屋さんがですよー」
「あっはははっ! あんがとっ! せっかくだし、みくるもそんなとこいるわけだから、ジンジャエールてんこ盛りでちょーだいっ!」
「て、てんこ……? あ、はいはい」
 鶴屋さんからの注文を受けて、グラスに氷を入れてジンジャエールを注いで……このくらいなら、あたしにだってちゃんと出来るんですから。
「はい、どうぞ」
「さんきゅーっ」
 差しだすと、鶴屋さんはごきゅごきゅとジンジャエールを一気飲みして……あの、炭酸をそんな一気に飲んで大丈夫なんでしょうか?
「いやぁ、まったく困ったもんだよねっ」
 だ、大丈夫みたいです。鶴屋さん、喉も炭酸を一気飲みできるくらい元気なんですねぇ……。
「親も親戚もこういうお祭り騒ぎが大好きでさっ。やるのは構わないんだけど、あたしまで無理矢理引っ張り出すのはしょーじき勘弁っ! って感じっさ~」
「大変ですねぇ~」
 鶴屋さんは、鶴屋家の跡継ぎだったかな? もう高校生だし、そろそろ周囲に顔を覚えてもらうということで、何か集まりがあるとどうしても抜け出せないって言ってました。バレンタインのときにあたしがお世話になってたときも、法事とかなんとかで忙しそうでしたもんね。
「ホントは今日のパーティだってさっ、中止にしたってよかったのに強行しちゃうもんだから、ほんっと困ったもんだよっ」
「中止……って、何かあったんですか?」
「あっれ? 話してなかったっけ? なんかね、あんまよろしくない噂があるのっさ。ご先祖様の骨董品を盗み出す計画があるとかなんとか」
「盗み……え、えええっ! だ、だだ、大丈夫なんですかぁ?」
 盗み出すなんて、穏やかな話じゃないですよぅ。どうしてそんな大切なこと、今になって言うんですかぁ。
「大丈夫だってっ。そのために警備も……まっ、そんな大騒ぎになることもないっさ。平気へっちゃらっさ」
 うぅ~ん……鶴屋さんがそういうなら大丈夫だと思うんですけど。
「でもぉ……」
 えっと……なんて言うのかな? なんかこう、嫌な予感が……あの、本当に大丈夫なんですよね? 鶴屋さん。あたし、信じてますからね。ね?

つづく
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