category: 日記
DATE : 2007/03/09 (Fri)
DATE : 2007/03/09 (Fri)
何が、って、レイトン教授と不思議な町のことなんですが。
確かにプレイ時間は短いですが、それでもこのくらいのボリュームで丁度良いかと。そもそも携帯ゲームですから、家でじっくりやるようなゲームとして考えるのではなく、ちょっとした電車での移動時間中にプレイするに10時間強というのはなかなかのもんじゃないかと。
どうやら当初からシリーズものとして企画されていたようで、続編が楽しみであります。
とまぁそんな感じです。
今日は朝倉さんの出番です。
確かにプレイ時間は短いですが、それでもこのくらいのボリュームで丁度良いかと。そもそも携帯ゲームですから、家でじっくりやるようなゲームとして考えるのではなく、ちょっとした電車での移動時間中にプレイするに10時間強というのはなかなかのもんじゃないかと。
どうやら当初からシリーズものとして企画されていたようで、続編が楽しみであります。
とまぁそんな感じです。
今日は朝倉さんの出番です。
前回はこちら
【週刊朝倉涼子】
そのままマンションへ戻ろうかとも思ったけれど、足が向いたのは公園の近くにある喫茶店だった。自宅へ戻ってもどうせ一人だし、何かやることがあるわけでもない。暇な時間をただ諾々と過ごすのは、何故かそのときは嫌だった。
かといって、周囲にいる誰かがわたしのことを知っているわけでもない。だから、誰かと話しができるわけでもなく、それでも静まりかえった部屋に一人でいるよりは、雑踏の中に紛れ込んでいる事の方がマシに思えたの。
喫茶店のカウンター席に腰を下ろして、そういえば本を捨ててきたんだった、と思い至る。あのときはそのまま帰るつもりだったけど、こうやって喫茶店でひとときを過ごすなら、時間を潰す役には立ったのにな。捨てなければよかった。ちょっと早計だったかも。
しょうがないから、運ばれてきたコーヒーを飲みつつ周囲の会話に耳を傾けて時間を潰しましょう。今、店内には六十八名の客が十三組のグループに分かれている。だからって、その情報にたいした理由なんてないんだけど。
その六十八名の会話を個別に収集して、グループごとの会話内容を再構築するだけ。もっとも、こんなことしたって何の意味もないわよ。有益な情報が転がってるわけもないしね。
「盗み聞きですか、あまり褒められた趣味とは言えませんね」
「わっ!」
びっ、ビックリした。ホント、いったいいつの間にわたしの横に座っていたのか、さっぱり気づかなかったわ。
「何もそんなに驚くことはないじゃないですか」
わたしの驚き方がちょっと不満だったのか、喜緑さんは少し不満顔を浮かべてわたしを見るけれど……でもね、気配も音もなく人の真横に現れる方が悪いと思うんだけどな。
「ちゃんと声はかけましたよ? 朝倉さん、ちっとも気づいてくれないんですもの」
「あら、そう? ごめんね」
ホントかどうかわからない喜緑さんの言葉には、適当な返事をしておくのが一番。やっぱり、素直にマンションへ戻っておくんだった。さっきは古泉くんで、今度は喜緑さんなんてね。今日はいろいろな出会いがあるわ。
「もしかして、一人でここに?」
ダージリンティを頼んだ喜緑さんに、わたしはそんなことを聞いてみた。しっかりとわたしの横に腰を落ち着けたってことは……喜緑さんも一人なのね。わたしとは違うのに、休日に一人なんてね。
「違いますよ。いえ、一人なのはそうですけれど、ただあなたがここにいるから、やってきただけです」
「あら、わたしに話があるってこと?」
「ここ、涼宮さんたちの集合場所にもなっている喫茶店ですよ。鉢合わせでもしたら、困ったことになるじゃないですか」
「そうなの? でも、そんなときは長門さんも一緒でしょ。心配することなんてないじゃない」
「万が一、ということもありますから」
あの長門さんに限って、万が一も億が一もなさそうだけどな。
「そんな石橋を叩いて渡るような慎重な性格だったかしら、あなたって」
「不確定要素はクリアにしておきたい、とは思いますけれど。でも、今日はちょっとしたお礼も兼ねてですよ」
「お礼?」
「先頃の」
「ああ」
珍しく喜緑さんが失敗した話のことね。長門さんどころか、わたしにまでフォローに回らなくちゃならなくて、ちょっと面倒だったけど……でも、いい暇つぶしにはなったかな。だから、お礼なんて気にしなくていいのに。
むしろ喜緑さんにお礼を言われるなんて、そっちのほうがちょっと……ねぇ?
「だから捜していたんですよ。でもまさか、ここにいらっしゃるとは思いませんでした」
「すっかり忘れてたのよ」
「……本当に?」
「何が?」
「いえいえ、別に」
そんな風に言って、喜緑さんは相も変わらずの笑顔を浮かべている。それがちょっと、さっき会った古泉くんみたいで、ちょっと嫌な感じ。
「言いたいことがあれば、言えばいいのに」
「お礼をしに来ただけですから。迂闊なことを言って、気分を害されては困りますもの」
「つまり、わたしが不愉快に思うようなことを考えてるってことね」
「あらあら……図星です」
さらりとそんなこと言って……笑顔を取り繕えば万事おっけーとか思ってるのかしら。
「らしくない、と思っただけですよ」
「わたしが?」
「待っているんでしょう」
「何を?」
「わかってらっしゃるくせに」
わからないから聞いてるんだけどな。ま、喜緑さんとこんな禅問答っぽい言い合いなんて、するような気分じゃないことは確かね。もう、そんな話はおしまい。
「お礼なら、ここの会計は任せるね。それじゃ、またね」
「もうお帰りになるんですか?」
席を立ったわたしを、喜緑さんが呼び止めてきた。まさか奢るのは嫌だ、って言うんじゃないよね? だって、お礼しに来たんでしょう?
「もちろん、ここのお支払いはわたしが持ちますよ。でも朝倉さん、これからどちらに?」
「帰るわ。もうどこにも寄り道しないから」
「休日なのに、もう帰られるんですか」
いいじゃない、別に。休日の過ごし方なんて、人それぞれでしょ。
「それなら、ちょっとお出かけしませんか?」
「……誰が?」
「わたしが今、話かけているのはあなたなんですけれど」
「……誰と?」
「わたし以外に誰がいるんですか」
えぇ~……喜緑さんと二人で出かけるの? それはちょっと……なんて言うか、うーん、言語で表現するのには難しい気持ちになるわね。
「いいじゃないですか。退屈なんでしょう? 楽しいですよ」
にっこり微笑み喜緑さんを見て、わたしは無意識に「ああ、拒否権なんてないんだな」って思っちゃった。事実その通りなんでしょうけど。
だからせめて、この程度のことくらいはハッキリさせておこうかな。
「もちろん、全部あなたの奢りなんでしょう?」
〆
【週刊朝倉涼子】
そのままマンションへ戻ろうかとも思ったけれど、足が向いたのは公園の近くにある喫茶店だった。自宅へ戻ってもどうせ一人だし、何かやることがあるわけでもない。暇な時間をただ諾々と過ごすのは、何故かそのときは嫌だった。
かといって、周囲にいる誰かがわたしのことを知っているわけでもない。だから、誰かと話しができるわけでもなく、それでも静まりかえった部屋に一人でいるよりは、雑踏の中に紛れ込んでいる事の方がマシに思えたの。
喫茶店のカウンター席に腰を下ろして、そういえば本を捨ててきたんだった、と思い至る。あのときはそのまま帰るつもりだったけど、こうやって喫茶店でひとときを過ごすなら、時間を潰す役には立ったのにな。捨てなければよかった。ちょっと早計だったかも。
しょうがないから、運ばれてきたコーヒーを飲みつつ周囲の会話に耳を傾けて時間を潰しましょう。今、店内には六十八名の客が十三組のグループに分かれている。だからって、その情報にたいした理由なんてないんだけど。
その六十八名の会話を個別に収集して、グループごとの会話内容を再構築するだけ。もっとも、こんなことしたって何の意味もないわよ。有益な情報が転がってるわけもないしね。
「盗み聞きですか、あまり褒められた趣味とは言えませんね」
「わっ!」
びっ、ビックリした。ホント、いったいいつの間にわたしの横に座っていたのか、さっぱり気づかなかったわ。
「何もそんなに驚くことはないじゃないですか」
わたしの驚き方がちょっと不満だったのか、喜緑さんは少し不満顔を浮かべてわたしを見るけれど……でもね、気配も音もなく人の真横に現れる方が悪いと思うんだけどな。
「ちゃんと声はかけましたよ? 朝倉さん、ちっとも気づいてくれないんですもの」
「あら、そう? ごめんね」
ホントかどうかわからない喜緑さんの言葉には、適当な返事をしておくのが一番。やっぱり、素直にマンションへ戻っておくんだった。さっきは古泉くんで、今度は喜緑さんなんてね。今日はいろいろな出会いがあるわ。
「もしかして、一人でここに?」
ダージリンティを頼んだ喜緑さんに、わたしはそんなことを聞いてみた。しっかりとわたしの横に腰を落ち着けたってことは……喜緑さんも一人なのね。わたしとは違うのに、休日に一人なんてね。
「違いますよ。いえ、一人なのはそうですけれど、ただあなたがここにいるから、やってきただけです」
「あら、わたしに話があるってこと?」
「ここ、涼宮さんたちの集合場所にもなっている喫茶店ですよ。鉢合わせでもしたら、困ったことになるじゃないですか」
「そうなの? でも、そんなときは長門さんも一緒でしょ。心配することなんてないじゃない」
「万が一、ということもありますから」
あの長門さんに限って、万が一も億が一もなさそうだけどな。
「そんな石橋を叩いて渡るような慎重な性格だったかしら、あなたって」
「不確定要素はクリアにしておきたい、とは思いますけれど。でも、今日はちょっとしたお礼も兼ねてですよ」
「お礼?」
「先頃の」
「ああ」
珍しく喜緑さんが失敗した話のことね。長門さんどころか、わたしにまでフォローに回らなくちゃならなくて、ちょっと面倒だったけど……でも、いい暇つぶしにはなったかな。だから、お礼なんて気にしなくていいのに。
むしろ喜緑さんにお礼を言われるなんて、そっちのほうがちょっと……ねぇ?
「だから捜していたんですよ。でもまさか、ここにいらっしゃるとは思いませんでした」
「すっかり忘れてたのよ」
「……本当に?」
「何が?」
「いえいえ、別に」
そんな風に言って、喜緑さんは相も変わらずの笑顔を浮かべている。それがちょっと、さっき会った古泉くんみたいで、ちょっと嫌な感じ。
「言いたいことがあれば、言えばいいのに」
「お礼をしに来ただけですから。迂闊なことを言って、気分を害されては困りますもの」
「つまり、わたしが不愉快に思うようなことを考えてるってことね」
「あらあら……図星です」
さらりとそんなこと言って……笑顔を取り繕えば万事おっけーとか思ってるのかしら。
「らしくない、と思っただけですよ」
「わたしが?」
「待っているんでしょう」
「何を?」
「わかってらっしゃるくせに」
わからないから聞いてるんだけどな。ま、喜緑さんとこんな禅問答っぽい言い合いなんて、するような気分じゃないことは確かね。もう、そんな話はおしまい。
「お礼なら、ここの会計は任せるね。それじゃ、またね」
「もうお帰りになるんですか?」
席を立ったわたしを、喜緑さんが呼び止めてきた。まさか奢るのは嫌だ、って言うんじゃないよね? だって、お礼しに来たんでしょう?
「もちろん、ここのお支払いはわたしが持ちますよ。でも朝倉さん、これからどちらに?」
「帰るわ。もうどこにも寄り道しないから」
「休日なのに、もう帰られるんですか」
いいじゃない、別に。休日の過ごし方なんて、人それぞれでしょ。
「それなら、ちょっとお出かけしませんか?」
「……誰が?」
「わたしが今、話かけているのはあなたなんですけれど」
「……誰と?」
「わたし以外に誰がいるんですか」
えぇ~……喜緑さんと二人で出かけるの? それはちょっと……なんて言うか、うーん、言語で表現するのには難しい気持ちになるわね。
「いいじゃないですか。退屈なんでしょう? 楽しいですよ」
にっこり微笑み喜緑さんを見て、わたしは無意識に「ああ、拒否権なんてないんだな」って思っちゃった。事実その通りなんでしょうけど。
だからせめて、この程度のことくらいはハッキリさせておこうかな。
「もちろん、全部あなたの奢りなんでしょう?」
〆
PR
●この記事にコメントする
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
>前回へのリンクが切れてますよ~。
ハッ∑(゚Д゚〃) 今の今まで気づかなかった! ご指摘、ありがとうございます(;´Д`)
朝倉さんの行動は、うーん、確かにエラーの類かもしれないですねw
ハッ∑(゚Д゚〃) 今の今まで気づかなかった! ご指摘、ありがとうございます(;´Д`)
朝倉さんの行動は、うーん、確かにエラーの類かもしれないですねw
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
今回は喜緑さんの策略とは、ちと違うのですw
忍者ブログ [PR]