category: 日記
DATE : 2007/01/12 (Fri)
DATE : 2007/01/12 (Fri)
何の話かと言えば時をかける少女のことだったりします。こちらのリンクはamazonへのリンクですけど。
話はいろいろ聞いていて、かなり完成度の高い作品だとか。いえ、実際には見てないですよ。聞いた話で恐縮ですが。
ただ、実写版はリアルタイムではありませんが見たことがあり、原作も読んでいてちと気になっております。
自分はあまりネタバレを気にしない(推理小説でも犯人が予めわかっていても気にしない)タイプですが、そうでもない人もいると思うので詳しい内容は割愛。ただ、上映館こそ少なかったものの、昨年夏に公開されたアニメ映画の中ではダントツだとか。
うーん、4/20の発売だそうですが、買うべきか、それともレンタルで済ませるか……悩むところです。
話はいろいろ聞いていて、かなり完成度の高い作品だとか。いえ、実際には見てないですよ。聞いた話で恐縮ですが。
ただ、実写版はリアルタイムではありませんが見たことがあり、原作も読んでいてちと気になっております。
自分はあまりネタバレを気にしない(推理小説でも犯人が予めわかっていても気にしない)タイプですが、そうでもない人もいると思うので詳しい内容は割愛。ただ、上映館こそ少なかったものの、昨年夏に公開されたアニメ映画の中ではダントツだとか。
うーん、4/20の発売だそうですが、買うべきか、それともレンタルで済ませるか……悩むところです。
【Rain such as tears:ninth】
毎日のことだが、特に雨の日でやることがない一日は、SOS団が占拠している文芸部部室では各々が思い思いのことで時間を潰している。長門は言うまでもなく活字の海に埋没し、ハルヒは電脳世界を漂い、俺と古泉はやり尽くした感のあるボードゲームに興じ、そして朝比奈さんは編み物をしている。
ここでふと、いやはっきりと気になるのは、編み物をしている朝比奈さんだ。男の立場での勝手な思い込みで恐縮だが、やはり女性が手芸を趣味にして、静かに編んでいる姿というのは見ていて目尻が下がる。が、問題なのはその編んでいるものをどうするのか、ということだ。
気になる。むちゃくちゃ気になる。これが「意中のあの人へのプレゼントなんですぅ(はーと)」などということにでもなってみろ、それこそ祭りだ。フェスティバルだ。
かといって、さも白々しく朝比奈さんに「誰にあげるんですか?」なんて聞けるわけもない。聞いたところで、いくら朝比奈さんでも答えてくれるわけもなく、おまけに他の連中からは「野暮なヤツだな」なんて白い目で見られそうだ。
なもんで、やり尽くしたボードゲームはただでさえ飽きが来ているのに、朝比奈さんの編み物の行方が気になってますます集中できない。古泉ごときに後れを取ることはないが、どうにも五分五分の勝負になっちまっている。
「ん~……あれぇ? むむむ……」
一人悶々としていると、編み物をしていた朝比奈さんから何やらうめき声が聞こえ、編んでは解き、解いては編んでを繰り返していた。
「どしたの、みくるちゃん」
静かな部室内に木霊する朝比奈さんのうめき声が気になったのは、何も俺だけじゃなかったらしい。ハルヒも気になったようだ。
「えっとぉ、ここなんですけど、うまくいかなくて……」
「手編みの手袋? ふーん、ちょっと貸して」
ハルヒは朝比奈さんから編んでる途中のそれを受け取ると、これまたビックリな手腕でさくさくと編んでいく。本当にこいつは何でも出来るヤツなんだな、と改めて思い知らされるね。
「でね、ここをチョチョイっとこうして……こうやるわけ。ね? 簡単でしょ。で、あとは」
さすがに最後までやる気はないのか、朝比奈さんが悩んでいたところをパパッとクリアしたハルヒは、あっさりと返して指導の立場に回った。
「ここをこうすれば完成ね」
「わーっ、できちゃいましたぁ。ありがとうございます、涼宮さん」
「ふっふーん。あたしを誰だと思ってるの?」
はた迷惑な宇宙規模の要注意人物って肩書きは伊達じゃないね。
「で、みくるちゃん。それ、最近ずっと編んでるけど、誰かにプレゼントでもするの?」
これまた驚きだ。あのハルヒが、事もあろうに俺と同じ疑問を、しかもごく自然な流れで聞き出してくれている。今ほどハルヒに心の奥底から感謝したことはない。
「プレゼント……ですか? そういうことじゃないんですけど、最近、ちょっと凝ってて。でも……そうですね、誰かにあげちゃうのもいいかなぁ」
つまり、本当に趣味の一環として編んでただけだと。それがわかっただけでも充分だ。
「そうね、そういうのは自分で編んで自分で使うってのも、なんか寂しいわね。ま、みくるちゃんの場合、ウカツに誰かにあげちゃうと勘違いするバカも出てきそうだけど……ねぇ、キョン?」
「なんでそこで俺に話を振る」
なんて冷静にツッコミ返しているが、内心は気が気じゃなかった。どうやって次の一手を打とうかと真面目な顔して考えてながらも、その実、耳はダンボになってたからな。
「ま、団員からそんな勘違いバカが出ないことを祈るばかりだわ。それじゃ、みくるちゃんの編み物も完成したし、今日はこれで解散にしましょう」
ハルヒの含みがありそうな物言いに反論のひとつでも返したいところだが、解散発言が出たところで、俺の反論なんぞ受け付けちゃくれない。
下駄箱で靴を履き替え、傘を手に空を見る。朝から降り続けている雨のせいか、気温も上がらずやけに寒い。まったく、最後の最後にハルヒにからかわれ、身も心も凍える思いだ。
「あ、キョンくん」
寒風にさらされる手をわずかでも温めておこうと下駄箱先でまごついていると、着替えを済ませた朝比奈さんに追いつかれた。
「どうしたんですか、こんなところで」
「いえ、少し手が冷たくて温めてたんですよ」
「そうなんですかぁ。あ、そうだ」
俺がそう言うと、朝比奈さんは自分の鞄の中から、先ほど完成したばかりの手編みの手袋を差しだした。
「よかったら、どうぞ」
「え? いいんですか」
「ええ。キョンくんには、いつもお世話になってますし……それに」
ふと、いたずらを思いついた何処の国のプリンセスのような笑みを朝比奈さんは浮かべた。
「少し、勘違いされたいかも……なんて、ふふ」
少し冗談っぽく言うそのセリフに、ハルヒに何と言われようが、勘違いバカの仲間入りをしてもいいかと、本気で考えたのは俺の胸の内にだけ止めておこう。
〆
ここでまさかの朝比奈さん。残りはあの人だけですが、それでラストではありません。
毎日のことだが、特に雨の日でやることがない一日は、SOS団が占拠している文芸部部室では各々が思い思いのことで時間を潰している。長門は言うまでもなく活字の海に埋没し、ハルヒは電脳世界を漂い、俺と古泉はやり尽くした感のあるボードゲームに興じ、そして朝比奈さんは編み物をしている。
ここでふと、いやはっきりと気になるのは、編み物をしている朝比奈さんだ。男の立場での勝手な思い込みで恐縮だが、やはり女性が手芸を趣味にして、静かに編んでいる姿というのは見ていて目尻が下がる。が、問題なのはその編んでいるものをどうするのか、ということだ。
気になる。むちゃくちゃ気になる。これが「意中のあの人へのプレゼントなんですぅ(はーと)」などということにでもなってみろ、それこそ祭りだ。フェスティバルだ。
かといって、さも白々しく朝比奈さんに「誰にあげるんですか?」なんて聞けるわけもない。聞いたところで、いくら朝比奈さんでも答えてくれるわけもなく、おまけに他の連中からは「野暮なヤツだな」なんて白い目で見られそうだ。
なもんで、やり尽くしたボードゲームはただでさえ飽きが来ているのに、朝比奈さんの編み物の行方が気になってますます集中できない。古泉ごときに後れを取ることはないが、どうにも五分五分の勝負になっちまっている。
「ん~……あれぇ? むむむ……」
一人悶々としていると、編み物をしていた朝比奈さんから何やらうめき声が聞こえ、編んでは解き、解いては編んでを繰り返していた。
「どしたの、みくるちゃん」
静かな部室内に木霊する朝比奈さんのうめき声が気になったのは、何も俺だけじゃなかったらしい。ハルヒも気になったようだ。
「えっとぉ、ここなんですけど、うまくいかなくて……」
「手編みの手袋? ふーん、ちょっと貸して」
ハルヒは朝比奈さんから編んでる途中のそれを受け取ると、これまたビックリな手腕でさくさくと編んでいく。本当にこいつは何でも出来るヤツなんだな、と改めて思い知らされるね。
「でね、ここをチョチョイっとこうして……こうやるわけ。ね? 簡単でしょ。で、あとは」
さすがに最後までやる気はないのか、朝比奈さんが悩んでいたところをパパッとクリアしたハルヒは、あっさりと返して指導の立場に回った。
「ここをこうすれば完成ね」
「わーっ、できちゃいましたぁ。ありがとうございます、涼宮さん」
「ふっふーん。あたしを誰だと思ってるの?」
はた迷惑な宇宙規模の要注意人物って肩書きは伊達じゃないね。
「で、みくるちゃん。それ、最近ずっと編んでるけど、誰かにプレゼントでもするの?」
これまた驚きだ。あのハルヒが、事もあろうに俺と同じ疑問を、しかもごく自然な流れで聞き出してくれている。今ほどハルヒに心の奥底から感謝したことはない。
「プレゼント……ですか? そういうことじゃないんですけど、最近、ちょっと凝ってて。でも……そうですね、誰かにあげちゃうのもいいかなぁ」
つまり、本当に趣味の一環として編んでただけだと。それがわかっただけでも充分だ。
「そうね、そういうのは自分で編んで自分で使うってのも、なんか寂しいわね。ま、みくるちゃんの場合、ウカツに誰かにあげちゃうと勘違いするバカも出てきそうだけど……ねぇ、キョン?」
「なんでそこで俺に話を振る」
なんて冷静にツッコミ返しているが、内心は気が気じゃなかった。どうやって次の一手を打とうかと真面目な顔して考えてながらも、その実、耳はダンボになってたからな。
「ま、団員からそんな勘違いバカが出ないことを祈るばかりだわ。それじゃ、みくるちゃんの編み物も完成したし、今日はこれで解散にしましょう」
ハルヒの含みがありそうな物言いに反論のひとつでも返したいところだが、解散発言が出たところで、俺の反論なんぞ受け付けちゃくれない。
下駄箱で靴を履き替え、傘を手に空を見る。朝から降り続けている雨のせいか、気温も上がらずやけに寒い。まったく、最後の最後にハルヒにからかわれ、身も心も凍える思いだ。
「あ、キョンくん」
寒風にさらされる手をわずかでも温めておこうと下駄箱先でまごついていると、着替えを済ませた朝比奈さんに追いつかれた。
「どうしたんですか、こんなところで」
「いえ、少し手が冷たくて温めてたんですよ」
「そうなんですかぁ。あ、そうだ」
俺がそう言うと、朝比奈さんは自分の鞄の中から、先ほど完成したばかりの手編みの手袋を差しだした。
「よかったら、どうぞ」
「え? いいんですか」
「ええ。キョンくんには、いつもお世話になってますし……それに」
ふと、いたずらを思いついた何処の国のプリンセスのような笑みを朝比奈さんは浮かべた。
「少し、勘違いされたいかも……なんて、ふふ」
少し冗談っぽく言うそのセリフに、ハルヒに何と言われようが、勘違いバカの仲間入りをしてもいいかと、本気で考えたのは俺の胸の内にだけ止めておこう。
〆
ここでまさかの朝比奈さん。残りはあの人だけですが、それでラストではありません。
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★すくに見つかりそう
NAME: せつや
にのまえさん、今晩は。
幸せそうなキョンですが、この後ハルヒと長門の尋問を受けそうですな(拷問にならない様に祈ってます)。
それはそうと長編の朝倉さんが「~恋文~」とは関係ないんですか。それは、キョンは精神的にしんどいですね、敵でも味方でも。
では、がんばれ朝比奈さん!!と応援しながら次の更新を待っています。
幸せそうなキョンですが、この後ハルヒと長門の尋問を受けそうですな(拷問にならない様に祈ってます)。
それはそうと長編の朝倉さんが「~恋文~」とは関係ないんですか。それは、キョンは精神的にしんどいですね、敵でも味方でも。
では、がんばれ朝比奈さん!!と応援しながら次の更新を待っています。
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:すくに見つかりそう
翌日には部室で編み物大会が開かれているって展開になってるかもしれないですねw
『初恋』の方の朝倉さんは……単なるちょっと出のゲストキャラってわけではありません。けっこう重要な位置にいる主要キャラですので、今後の活躍にご期待ください。
『初恋』の方の朝倉さんは……単なるちょっと出のゲストキャラってわけではありません。けっこう重要な位置にいる主要キャラですので、今後の活躍にご期待ください。
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