category: 日記
DATE : 2007/01/13 (Sat)
DATE : 2007/01/13 (Sat)
あれよあれよと言う間に80000HIT突破でございます。ありがとうございます、ありがとうございます。ユニークアクセスでの統計でここまで来るとは、他でもない、自分がビックリ仰天。あまりの驚きに「びっくり」を「ぶっくり」と打ち間違える始末。
しかし80000かぁ……10万HITまであと20000ですね。ここ最近、何もしてませんでしたが、10万HIT突破で何か……うーん、何も思い浮かばないなぁ。何かするとしたら、またキョン以外の誰かの視点でSSを書くってことくらいでしょうか。
ハッ∑(゚Д゚〃)
むしろ「なんかネタくれ」と今から10万HITまでの間に何か募集しちゃおうかしら。
いえいえ、なんでもないですよ。何でもないですからねー。
しかし80000かぁ……10万HITまであと20000ですね。ここ最近、何もしてませんでしたが、10万HIT突破で何か……うーん、何も思い浮かばないなぁ。何かするとしたら、またキョン以外の誰かの視点でSSを書くってことくらいでしょうか。
ハッ∑(゚Д゚〃)
いえいえ、なんでもないですよ。何でもないですからねー。
【Rain such as tears:tenth】
割合で言えば、雨の日というのは快晴の日と比べて少ない。そのためか、雨の日に何か起こると、妙に記憶に残るって人もいるだろう。そういうのを雨の日の思い出と言うんだろうが、誰にでもそういう雨にまつわる思い出というのがあるのだろうか。
「わたしは……いくつかございます」
二人きりになった文芸部部室で、森さんが自分の過去を語るようなことを口にした。
何故この人がここにいるのかと言えば、それにはマリアナ海溝よりも深い事情がある。それこそ長門が好みそうな文庫本一冊分の長い話になるので割愛するが、ひとつだけはっきり言えることは、本式メイドの格好をしているわけじゃない、ってことくらいか。
ともかく今、部室には俺と森さんしかいない。沈黙続く部屋の中、たった二人きりでは息が詰まり、窓の外の雨模様を眺めていて閃いたのがそんな話だ。
単なる閃きの世間話だから、さしたる返事なんて期待しちゃいなかった。ところがだ、何やら昔を懐かしむように森さんが言葉を返してくれた。それが気にならないと言えばウソになる。
「どんな思い出ですか?」
やることもなく、暇なひとときにせっかく森さんが乗ってくれたのだから、振ってくれた言葉に俺は食いついてみた。
「ひとつだけ挙げるなら、あなたや涼宮さんとお会いできた夏の日の雨です。あの日は台風の影響で、激しく雨が降ってましたから。その中をお二人が外に飛び出されたときは、いささか肝を冷やしました。崖もありますし、転落などしないものかと」
ああ、あの夏合宿の孤島でのことか。確かに雨が降っていた。雨と言うよりも嵐だな。あのときは森さんも新川さんもメイドや執事が堂に入って、それが本職かと思ったくらいだった。
「やはりあの日がとても印象に強く残っております」
「あの日から今日まで、いろいろ迷惑をかけ通しですね」
「とんでもございません。わたしも、楽しく過ごしております」
そう言って言葉を切った森さんは、静かに視線を窓の外に向けた。孤島での嵐と違い、今日の雨は穏やかに降っている。強すぎず、弱すぎず、さらさらと降っていた。
「いくつか、って言いましたけど、他にも思い出があるんですか?」
「ひとつだけ挙げるなら、と言ったではありませんか」
まぁ、そうだけどさ。森さんはこういう沈黙が平気みたいだが、俺はいつもニギヤカな連中といるもんで、不意の静けさってのが苦手なんだよ。いつもは黙ってても周りが騒がしいから心の中でツッコミを入れる程度にしているが、逆に静かになると口数が多くなり、余計なことまで言っちまうようだ。
俺の口数の多さが面白いのか、くすくすと含むような笑い声を森さんは転がす。
「ほかにも雨の日の思い出はありますけれど、どれもあなたと出会う前の話ですから。それに、暇を潰すための話題としては、あまり相応しいものでもございません」
それはいったいどういう意味なのかと聞きそうになったが、思えば森さんは、少なくとも車の運転ができる年齢で、俺たちよりも年は上のはず。その分、いろいろな経験をしてきたはずだし、何より『機関』なんぞと呼ばれる謎組織の一員である以上、語りたくない、あるいは語れないような過去があってもおかしくない。
なら、野暮なツッコミはするもんじゃないよな。これ以上、ウカツな問いかけで自分の株を下げることもあるまい。ま、下がる株なんてありゃしない、って話かもしれないけどな。
「それに」
と、窓の外を見ていた森さんは、柔和な笑みを浮かべて俺の方に向き直る。
「過去の出来事を語るよりも、今日、この瞬間の雨の日にあなたと話ができたことを、新たな思い出にできれば嬉しく思います」
そう言う森さんの言葉に異論はない。確かに過去を懐かしむような歳でもないし、今は……そうだな、他の連中が来るまでのわずかなひととき、どうでもいいような話でも言葉を交わした方がいいのかもしれない。
それが、森さんだけではなく、俺にとっても雨の日の思い出になるだろうさ。
〆
少しネタばらしをすると、森さんが部室にいるのは教育実習生と偽って北高に来たから、という設定になっております。寝かせている長篇SSの設定なので、原作とはまったく関係ありませんよー。
ともかく、これで主要な女性キャラは全員……かと思いきや、あと一人残っております。その人が、今回のオムニバス作品最後のストーリーになります。
割合で言えば、雨の日というのは快晴の日と比べて少ない。そのためか、雨の日に何か起こると、妙に記憶に残るって人もいるだろう。そういうのを雨の日の思い出と言うんだろうが、誰にでもそういう雨にまつわる思い出というのがあるのだろうか。
「わたしは……いくつかございます」
二人きりになった文芸部部室で、森さんが自分の過去を語るようなことを口にした。
何故この人がここにいるのかと言えば、それにはマリアナ海溝よりも深い事情がある。それこそ長門が好みそうな文庫本一冊分の長い話になるので割愛するが、ひとつだけはっきり言えることは、本式メイドの格好をしているわけじゃない、ってことくらいか。
ともかく今、部室には俺と森さんしかいない。沈黙続く部屋の中、たった二人きりでは息が詰まり、窓の外の雨模様を眺めていて閃いたのがそんな話だ。
単なる閃きの世間話だから、さしたる返事なんて期待しちゃいなかった。ところがだ、何やら昔を懐かしむように森さんが言葉を返してくれた。それが気にならないと言えばウソになる。
「どんな思い出ですか?」
やることもなく、暇なひとときにせっかく森さんが乗ってくれたのだから、振ってくれた言葉に俺は食いついてみた。
「ひとつだけ挙げるなら、あなたや涼宮さんとお会いできた夏の日の雨です。あの日は台風の影響で、激しく雨が降ってましたから。その中をお二人が外に飛び出されたときは、いささか肝を冷やしました。崖もありますし、転落などしないものかと」
ああ、あの夏合宿の孤島でのことか。確かに雨が降っていた。雨と言うよりも嵐だな。あのときは森さんも新川さんもメイドや執事が堂に入って、それが本職かと思ったくらいだった。
「やはりあの日がとても印象に強く残っております」
「あの日から今日まで、いろいろ迷惑をかけ通しですね」
「とんでもございません。わたしも、楽しく過ごしております」
そう言って言葉を切った森さんは、静かに視線を窓の外に向けた。孤島での嵐と違い、今日の雨は穏やかに降っている。強すぎず、弱すぎず、さらさらと降っていた。
「いくつか、って言いましたけど、他にも思い出があるんですか?」
「ひとつだけ挙げるなら、と言ったではありませんか」
まぁ、そうだけどさ。森さんはこういう沈黙が平気みたいだが、俺はいつもニギヤカな連中といるもんで、不意の静けさってのが苦手なんだよ。いつもは黙ってても周りが騒がしいから心の中でツッコミを入れる程度にしているが、逆に静かになると口数が多くなり、余計なことまで言っちまうようだ。
俺の口数の多さが面白いのか、くすくすと含むような笑い声を森さんは転がす。
「ほかにも雨の日の思い出はありますけれど、どれもあなたと出会う前の話ですから。それに、暇を潰すための話題としては、あまり相応しいものでもございません」
それはいったいどういう意味なのかと聞きそうになったが、思えば森さんは、少なくとも車の運転ができる年齢で、俺たちよりも年は上のはず。その分、いろいろな経験をしてきたはずだし、何より『機関』なんぞと呼ばれる謎組織の一員である以上、語りたくない、あるいは語れないような過去があってもおかしくない。
なら、野暮なツッコミはするもんじゃないよな。これ以上、ウカツな問いかけで自分の株を下げることもあるまい。ま、下がる株なんてありゃしない、って話かもしれないけどな。
「それに」
と、窓の外を見ていた森さんは、柔和な笑みを浮かべて俺の方に向き直る。
「過去の出来事を語るよりも、今日、この瞬間の雨の日にあなたと話ができたことを、新たな思い出にできれば嬉しく思います」
そう言う森さんの言葉に異論はない。確かに過去を懐かしむような歳でもないし、今は……そうだな、他の連中が来るまでのわずかなひととき、どうでもいいような話でも言葉を交わした方がいいのかもしれない。
それが、森さんだけではなく、俺にとっても雨の日の思い出になるだろうさ。
〆
少しネタばらしをすると、森さんが部室にいるのは教育実習生と偽って北高に来たから、という設定になっております。寝かせている長篇SSの設定なので、原作とはまったく関係ありませんよー。
ともかく、これで主要な女性キャラは全員……かと思いきや、あと一人残っております。その人が、今回のオムニバス作品最後のストーリーになります。
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★無題
NAME: せつや
にのまえさん、今晩は。
今回のSS良かったです。魔性の、と言うか大人の女ですね、森さんは。キョンの周りにはいないタイプですよね。(朝比奈さん(大)くらいかな?)
話は変わりますが10万HIT記念ですか…、別視点は言われているのでゲストキャラ(従姉、中学の変な女)とか… いまいちかな?
何か思いついたら提案しようかと思いますけど、期待しないでください。
ではまた。
今回のSS良かったです。魔性の、と言うか大人の女ですね、森さんは。キョンの周りにはいないタイプですよね。(朝比奈さん(大)くらいかな?)
話は変わりますが10万HIT記念ですか…、別視点は言われているのでゲストキャラ(従姉、中学の変な女)とか… いまいちかな?
何か思いついたら提案しようかと思いますけど、期待しないでください。
ではまた。
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
大人の魅力は森さんにおまかせって感じですねw
それはそうと10万HITになったら、とりあえず何かしようかなぁとは思ってますが……さて、どうしましょう。あまり期待せずに待っていてくださいw
それはそうと10万HITになったら、とりあえず何かしようかなぁとは思ってますが……さて、どうしましょう。あまり期待せずに待っていてくださいw
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