category: 日記
DATE : 2007/02/16 (Fri)
DATE : 2007/02/16 (Fri)
週末になってくると忙しくなってくるなぁ。土日くらいはゆっくりしたいもんです。
そんなわけで、今日はこんな感じで簡単に。
そんなわけで、今日はこんな感じで簡単に。
【増刊キョンくん】
ピースフル・デイズ
落ち込む朝倉という珍しいものを見た日の翌日、俺が気にしたのは朝倉のことではなく、ハルヒの機嫌はどうだろう、ということだった。
古泉から愚痴の電話がなかったところを見ると、閉鎖空間は発生してないようだし、翌日を迎えているということは世界が丸ごと作り替えられたってこともなさそうだ。もしかすると、すっかり上機嫌になってるかもな。
なんて、そんな淡い期待を抱いて教室に足を踏み入れてみれば……そうでもなかった。
俺が教室の出入り口に立って自分の席に目を向ければ、その真後ろが定位置のハルヒは机に突っ伏していた。それだけならよく見かける姿だが、気のせいか立ち上って見えるオーラは『何人たりとも話しかけるべからず』と言ってるように感じる。
マジで勘弁してくれ。こんなもんの前の席に今日は一日中座ってなければならんのか? おまけになんだ、このクラスの雰囲気は。俺を救世主か何かと勘違いしてそうだ。助けてくれと言わんばかりの視線を向けてくるな。キリストや弥勒菩薩になるつもりは毛頭ないぞ。
「はぁ……」
どちらにしろ、俺の座席はハルヒの前だ。行くしかないのはわかってるさ。それでもため息ひとつ吐く時間的猶予を与えてくれたっていいだろ? 本音で言えば、回れ右で家に帰りたい気分なんだからな。
「あ~……ハルヒ、さん?」
席に着き、周囲の突き刺さる視線に逆らえずに意を決してハルヒに声をかける。と、机に突っ伏していたハルヒが、わずかばかりに顔を上げて、腕の間から鋭い視線をぶつけてきた。
……泣いていいか、俺?
「えーっとだな、あー……」
「昨日の」
と、俺の話を遮って、腹に響くティンパニのような声を出すハルヒ。
「話……なんだけど」
うん? なんだろう。この感じは、どうも怒り心頭って感じじゃない。どちらかというと、気落ちしているダウナー方面の声音かもしれん。こんなハルヒの声音は聞いたことがないからそう思うだけで、実際はどうかわからんが。
「あの後、朝倉からちゃんと聞いたわ」
「……ほう」
そういえば、落ち込み気分の朝倉はハルヒが去ってから間髪入れずに帰って行ったな。ハルヒを追いかけていたのか。
「まぁ……なんて言うか、いろいろ誤解があったことは認めるわ。あたしだって、自分に非があれば素直に認めるの」
「…………」
これはなんだ、何が起こってるんだ? 俺の勘違いでなければ、ハルヒが俺に謝罪っぽいことを口にしてるのか? 普通なら「それのどこが謝罪だ」と言うところだが、何せ相手はハルヒだ。今のセリフでも充分謝罪の意と受け取って差し支えないだろう。
「何よ」
「あ、いや……朝倉は何て言ってたんだ?」
「……ただ、あんたを無理に連れ回して迷惑かけてゴメン、って謝られたわ」
「それだけか?」
「……そうよ」
とか言うが、だったらその口を開く度に空く間は何だと言いたい。言いたいが、藪をつついて八岐大蛇を引っ張り出すのはまっぴらだ。
そんなことよりも、そういう気を遣った朝倉に、驚きを禁じ得ない。あいつの席に目を向けてみれば……おや?
「朝倉はどこだ?」
「え? さぁ、今日は見てないわ」
まだ来てないのか? あいつが? 本性は別にしても、クラスでは優等生で通してるのにな。もうすぐ授業が始まるのに姿を見せないなんてビックリだ。
「……ん?」
俺の席から朝倉の席に目を向けていれば、その視線は自然と出入り口にも向けられる。ちょうど直線上だから仕方がない。その戸口に、見慣れた上級生がちょいちょいと手招きをしていた。どうやら俺を呼んでるようだが……嫌な予感がヒシヒシと感じられる。
が、呼ばれたからには仕方がない。ハルヒの方は俺に謝罪をしてスッキリしたのか、もう平気だろう。席を立って出入り口に向かう。
「どうしたんですか?」
「今日、朝倉さんはお休みです」
と、俺を呼び出した喜緑さんはそう言った。
「休み?」
「はい。少し体調を崩したので、当分の間、休むことになるかもしれません」
体調を崩した? 朝倉が? 長門やこの喜緑さんと同じ体質の──と言っていいのかわからんが──朝倉が、体調不良で欠席だって?
「本当ですか、それは」
「ええ、重症です。もしかすると、長期休養が必要になるかもしれません」
それはなんだ。宇宙ウイルスとか脅威の人食いバクテリアなどの、人類では認知すらされていない極悪な病原体にでも蝕まれているとか、そんなことなのか?
「いえいえ、もっと……そうですね、厄介なものです。あの調子では、もう二度とあなた方の前に姿を現さないかも」
「……え?」
「と、言ったらどうします?」
違うのかよ。この人の話はどこまでが本当で、どこからがウソなのかさっぱりわからん。
「どうします、と言われても。お大事に、としか言いようがないでしょう」
「…………」
「なんですか?」
「いえいえ、何でもございません。それでは、メッセージはお伝えしましたので。では」
んー……? 喜緑さんは、そんなことを伝えるためだけにやってきたのか? 相変わらず、真意が読めない人だな。
それにしても、朝倉が病欠ねぇ……いや、しかし情報源が喜緑さんだからなぁ。どこまで信用していいのか……。本当に休むようであれば、長門にも聞いてみるか。
別に朝倉のことが心配なわけじゃないが、あんな風に喜緑さんがわざわざやってきて言うほどだからな、気にはなる。
どちらにしろ、朝倉病欠の話がウソだろうが本当だろうが、ハルヒに関わる厄介事じゃなければ、わざわざ首を突っ込むこともないだろう。
そこまでお人好しじゃないさ、俺もね。
〆
やっぱり喜緑さんは、ただの腹黒じゃダメだと思います(゚Д゚)ノ
ピースフル・デイズ
落ち込む朝倉という珍しいものを見た日の翌日、俺が気にしたのは朝倉のことではなく、ハルヒの機嫌はどうだろう、ということだった。
古泉から愚痴の電話がなかったところを見ると、閉鎖空間は発生してないようだし、翌日を迎えているということは世界が丸ごと作り替えられたってこともなさそうだ。もしかすると、すっかり上機嫌になってるかもな。
なんて、そんな淡い期待を抱いて教室に足を踏み入れてみれば……そうでもなかった。
俺が教室の出入り口に立って自分の席に目を向ければ、その真後ろが定位置のハルヒは机に突っ伏していた。それだけならよく見かける姿だが、気のせいか立ち上って見えるオーラは『何人たりとも話しかけるべからず』と言ってるように感じる。
マジで勘弁してくれ。こんなもんの前の席に今日は一日中座ってなければならんのか? おまけになんだ、このクラスの雰囲気は。俺を救世主か何かと勘違いしてそうだ。助けてくれと言わんばかりの視線を向けてくるな。キリストや弥勒菩薩になるつもりは毛頭ないぞ。
「はぁ……」
どちらにしろ、俺の座席はハルヒの前だ。行くしかないのはわかってるさ。それでもため息ひとつ吐く時間的猶予を与えてくれたっていいだろ? 本音で言えば、回れ右で家に帰りたい気分なんだからな。
「あ~……ハルヒ、さん?」
席に着き、周囲の突き刺さる視線に逆らえずに意を決してハルヒに声をかける。と、机に突っ伏していたハルヒが、わずかばかりに顔を上げて、腕の間から鋭い視線をぶつけてきた。
……泣いていいか、俺?
「えーっとだな、あー……」
「昨日の」
と、俺の話を遮って、腹に響くティンパニのような声を出すハルヒ。
「話……なんだけど」
うん? なんだろう。この感じは、どうも怒り心頭って感じじゃない。どちらかというと、気落ちしているダウナー方面の声音かもしれん。こんなハルヒの声音は聞いたことがないからそう思うだけで、実際はどうかわからんが。
「あの後、朝倉からちゃんと聞いたわ」
「……ほう」
そういえば、落ち込み気分の朝倉はハルヒが去ってから間髪入れずに帰って行ったな。ハルヒを追いかけていたのか。
「まぁ……なんて言うか、いろいろ誤解があったことは認めるわ。あたしだって、自分に非があれば素直に認めるの」
「…………」
これはなんだ、何が起こってるんだ? 俺の勘違いでなければ、ハルヒが俺に謝罪っぽいことを口にしてるのか? 普通なら「それのどこが謝罪だ」と言うところだが、何せ相手はハルヒだ。今のセリフでも充分謝罪の意と受け取って差し支えないだろう。
「何よ」
「あ、いや……朝倉は何て言ってたんだ?」
「……ただ、あんたを無理に連れ回して迷惑かけてゴメン、って謝られたわ」
「それだけか?」
「……そうよ」
とか言うが、だったらその口を開く度に空く間は何だと言いたい。言いたいが、藪をつついて八岐大蛇を引っ張り出すのはまっぴらだ。
そんなことよりも、そういう気を遣った朝倉に、驚きを禁じ得ない。あいつの席に目を向けてみれば……おや?
「朝倉はどこだ?」
「え? さぁ、今日は見てないわ」
まだ来てないのか? あいつが? 本性は別にしても、クラスでは優等生で通してるのにな。もうすぐ授業が始まるのに姿を見せないなんてビックリだ。
「……ん?」
俺の席から朝倉の席に目を向けていれば、その視線は自然と出入り口にも向けられる。ちょうど直線上だから仕方がない。その戸口に、見慣れた上級生がちょいちょいと手招きをしていた。どうやら俺を呼んでるようだが……嫌な予感がヒシヒシと感じられる。
が、呼ばれたからには仕方がない。ハルヒの方は俺に謝罪をしてスッキリしたのか、もう平気だろう。席を立って出入り口に向かう。
「どうしたんですか?」
「今日、朝倉さんはお休みです」
と、俺を呼び出した喜緑さんはそう言った。
「休み?」
「はい。少し体調を崩したので、当分の間、休むことになるかもしれません」
体調を崩した? 朝倉が? 長門やこの喜緑さんと同じ体質の──と言っていいのかわからんが──朝倉が、体調不良で欠席だって?
「本当ですか、それは」
「ええ、重症です。もしかすると、長期休養が必要になるかもしれません」
それはなんだ。宇宙ウイルスとか脅威の人食いバクテリアなどの、人類では認知すらされていない極悪な病原体にでも蝕まれているとか、そんなことなのか?
「いえいえ、もっと……そうですね、厄介なものです。あの調子では、もう二度とあなた方の前に姿を現さないかも」
「……え?」
「と、言ったらどうします?」
違うのかよ。この人の話はどこまでが本当で、どこからがウソなのかさっぱりわからん。
「どうします、と言われても。お大事に、としか言いようがないでしょう」
「…………」
「なんですか?」
「いえいえ、何でもございません。それでは、メッセージはお伝えしましたので。では」
んー……? 喜緑さんは、そんなことを伝えるためだけにやってきたのか? 相変わらず、真意が読めない人だな。
それにしても、朝倉が病欠ねぇ……いや、しかし情報源が喜緑さんだからなぁ。どこまで信用していいのか……。本当に休むようであれば、長門にも聞いてみるか。
別に朝倉のことが心配なわけじゃないが、あんな風に喜緑さんがわざわざやってきて言うほどだからな、気にはなる。
どちらにしろ、朝倉病欠の話がウソだろうが本当だろうが、ハルヒに関わる厄介事じゃなければ、わざわざ首を突っ込むこともないだろう。
そこまでお人好しじゃないさ、俺もね。
〆
やっぱり喜緑さんは、ただの腹黒じゃダメだと思います(゚Д゚)ノ
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★初めまして
NAME: シルバ
毎日見させてもらってます!とても面白くって、あぅー自分が書いてるssが恥ずかしくなる一方です。ボクも喜緑さんは単なる原黒ではダメだと思いますw朝倉さんの心情の変化がとても楽しみです。それとリンクを貼らせてもらってもらいます。
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:初めまして
これはこれは初めまして。こちらからもリンクさせていただきますねヽ(´▽`)ノ
それはそうと喜緑さん。やはりアレです。腹黒、腹黒と言われてますが、そんなことはないと思うのですよ。腹黒ではなくドス黒k……もとい、黒さの中に優しさがなければと思う次第でありますよ。
それはそうと喜緑さん。やはりアレです。腹黒、腹黒と言われてますが、そんなことはないと思うのですよ。腹黒ではなくドス黒k……もとい、黒さの中に優しさがなければと思う次第でありますよ。
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
今の朝倉さんには、きっとエラーの原因もわからず。・゚・(ノД`)・゚・。
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
まずくはないのです! それでいいのです!
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