category: 日記
DATE : 2007/03/02 (Fri)
DATE : 2007/03/02 (Fri)
昨日の日記のコメントや各所で思い出しましたが、今月のザ・スニをまだ読んでなかったりします。
だからと言って個人的には「ネタバレ禁止」と言うつもりはありません。なにしろ自分、未読の推理小説で犯人が誰だと教えられてもまったく気にせず楽しめるくらい、ネタバレを気にしない人ですから!
とは言っても、ここは不特定多数の方も見る場所なので、原則禁止ということで。「そんなおいたはしちゃダメにょろよ」と鶴屋さんもおっしゃってます。
ま、スティール・ボール・ランの最新刊発売日なので本屋に行くついでに買ってきますけど!
そんなわけでして。
今日は朝倉さんの出番です。
だからと言って個人的には「ネタバレ禁止」と言うつもりはありません。なにしろ自分、未読の推理小説で犯人が誰だと教えられてもまったく気にせず楽しめるくらい、ネタバレを気にしない人ですから!
とは言っても、ここは不特定多数の方も見る場所なので、原則禁止ということで。「そんなおいたはしちゃダメにょろよ」と鶴屋さんもおっしゃってます。
ま、スティール・ボール・ランの最新刊発売日なので本屋に行くついでに買ってきますけど!
そんなわけでして。
今日は朝倉さんの出番です。
【週刊朝倉涼子】
世間一般の感覚で言えば日曜祝日はお休みだけど、わたし自身には関係ない。そもそも休む暇なんてあるのかどうかもわからないし、休みができるということは、わたしが存在する理由がなくなるってことと同義なんじゃないかしら。
とは言っても、ここ最近は特に何もないのよね。小規模な情報爆発は観測されているけれど、どれもその内容に大きな違いはない。一度、データが取れればそれで充分な代物。
ずばり言えば、暇なの。やることが何もない。まさに退屈。だからといって、前みたいに独断専行で消されちゃうのは、正直なところ勘弁してほしいわね。
ああ、何しようかな。涼宮さんや彼とかに接触するのは禁止行為に値するし、かといって長門さんをからかって遊ぶにしてもすぐムキになるから、ちょっと大変。喜緑さんとは……関わり合いになりたくないなぁ。他の人たち……は、やめておきましょ。暇だけど、だからといってこちらから積極的に関わりを持っても利益になりそうなことなんて何もないし。
そんなことを考えながら、公園のベンチに一人で腰掛けて本を読んでいた。長門さんの真似ね。あんな熱心に読んでいるものだから、どんなに面白いのかと思ったけれど……それほどでもないかな。
「ふぅ」
飽きた、というよりも、面白さが理解できない。長門さん、こんなのを読んでどこがユニークなのかしらね。今度、教えてもらいましょう。
「おや、こんなところで会うとは奇遇ですね」
ため息を吐いて本を閉じたそのタイミングを見計らっていたかのように、声をかけてきた人影がひとつ。顔を上げると、張り付けたような笑顔をわたしに向けていた。
「あら、こんにちは。そちらから話しかけてくるなんて珍しいわね」
「たまたま姿を見かけたものですから。おや、読書中でしたか」
わたしに声をかけてきた古泉一樹が、さも意外そうに手の中にある本に視線を落とす。確かに、わたしが休日に公園で読書というのは意外かもね。
「少し中断。よかったら、読む?」
本当は前半の、まだ話が動き始めたところまでしか読んでないけれど。でもそこまで読んで、オチも見えたから急につまらなくなったのよね。
「遠慮しておきましょう。実はその本、すでに既読済みなもので」
「あら、そう。実はこれ、冒頭部分で飽きちゃったの。最後まで読むべきかな?」
「私見で言えば、賢明な判断かと。僕は最後まで読んで、時間を無駄にした気分です」
「そう」
やっぱり、読書なんてするものじゃないわね。それなら、まだ誰かと話をしていた方が有意義に時間を費やせるんじゃないかなって思えるわ。
それが例え、目の前の古泉くんでもね。
「少し、話をしてもいいかしら?」
「伺いましょう」
「最近どうなの?」
彼を相手に、あまり遠回しな言い方は通用しないわ。どうせ話を聞くなら、ストレートに聞いた方がいいもの。
「涼宮さんや彼の様子。わたしは会っていないから。元気にしているのかしら?」
「気になりますか」
「それはね」
柔和な笑顔を浮かべる古泉くんに、わたしも笑顔を浮かべて返す。残念だけれど、今は腹の探り合いをするような気分じゃないの。
「はて……あなたたちの観測対象は涼宮さんだけでは?」
「彼のことを気にしたら、ダメかしら?」
「そんなことはありませんよ。ただ、あなたは一度、彼を殺そうとしている。あまり、彼について話すのは賢い選択とは思えないもので」
「そうね。それは賢明な判断だわ」
こちらとしても、最初からなんでも聞けるとは思っていないもの。むしろ、何も話してくれないと思っている。それなら、どうでもいいような話で時間を潰すのも悪くないわ。
そう考えて、彼の話題を出しただけ。それだけの理由。
「彼に会いたいのですか?」
不意に、古泉くんはそんなことを言ってきた。
わたしが彼に会いたい? 何故? 何のためにそんなことを思ったのかしら。
別にどっちでもいいの。ただ、彼は涼宮さんにとっての鍵。彼に何かアクションを起こすことは、涼宮さんの情報爆発を誘発させることができる。その目的は今では破棄されている実行案のひとつだけれど……どちらにしろ、今ここでわたしが彼に会っても、涼宮さんにではなく彼にショックを与えるだけだから意味がない。
だから、会わなくても別に構わない。会う必要なんて、どこにもないわ。
「そうですか。いや、それを聞いて安心しました。それがあなたの本心だと思いましょう」
「本心よ。今のところね」
「心変わりをしないことを期待しています。本音を言えばあまり過激なことはしないでもらいたいんですよ。後始末が僕らの役目とはいえ、厄介事を事前に食い止められるのであれば、それに越したことはありませんからね」
……あれ? 何かしら……話を聞いていて、少しだけ精神波形に乱れが出たわね。人で言うところの、ちょっとしたストレスみたいなものだけれど……なんでそんなものが出るのかしら。
「そうね。心変わりをしないためにも、彼の情報を少しわけてくれないかな? それで納得するかも。お茶くらいなら、付き合ってもいいよ?」
「遠慮しておきましょう。僕は彼と違って、何でもかんでも許容できるほど器の大きな人間ではありませんので」
「そう、残念ね」
「それでは朝倉さん、またどこかで」
敬礼のように手を挙げる仕草を別れの挨拶に、古泉くんはそのまま去っていった。彼が本当に偶然にここに立ち寄ってわたしと接触した……なんていうのは、出来すぎた話ね。最初から、わたしに対しての警告をしにきたんだと思うわ。
彼に接触しないように、と。
言われるまでもないわ。そもそも、長門さんにも言われていることだもの。無理に会おうとすれば、また消されるのがオチ。
「所詮、バックアップはバックアップ……かぁ」
今日はこのまま帰ろう。帰って、長門さんでもからかって遊びましょう。
公園のベンチから立ち上がったわたしは、膝の上に置いたままにしてあった本のことを忘れていた。軽い音を立てて落ちた本を拾い……どうせもう読むこともないからと、そのまま公園のゴミ箱に捨てた。
罪を犯した主人公が、愛する人に会おうと藻掻き、最後には……っていう、そんな物語。
本当に、つまらない話よ。
〆
世間一般の感覚で言えば日曜祝日はお休みだけど、わたし自身には関係ない。そもそも休む暇なんてあるのかどうかもわからないし、休みができるということは、わたしが存在する理由がなくなるってことと同義なんじゃないかしら。
とは言っても、ここ最近は特に何もないのよね。小規模な情報爆発は観測されているけれど、どれもその内容に大きな違いはない。一度、データが取れればそれで充分な代物。
ずばり言えば、暇なの。やることが何もない。まさに退屈。だからといって、前みたいに独断専行で消されちゃうのは、正直なところ勘弁してほしいわね。
ああ、何しようかな。涼宮さんや彼とかに接触するのは禁止行為に値するし、かといって長門さんをからかって遊ぶにしてもすぐムキになるから、ちょっと大変。喜緑さんとは……関わり合いになりたくないなぁ。他の人たち……は、やめておきましょ。暇だけど、だからといってこちらから積極的に関わりを持っても利益になりそうなことなんて何もないし。
そんなことを考えながら、公園のベンチに一人で腰掛けて本を読んでいた。長門さんの真似ね。あんな熱心に読んでいるものだから、どんなに面白いのかと思ったけれど……それほどでもないかな。
「ふぅ」
飽きた、というよりも、面白さが理解できない。長門さん、こんなのを読んでどこがユニークなのかしらね。今度、教えてもらいましょう。
「おや、こんなところで会うとは奇遇ですね」
ため息を吐いて本を閉じたそのタイミングを見計らっていたかのように、声をかけてきた人影がひとつ。顔を上げると、張り付けたような笑顔をわたしに向けていた。
「あら、こんにちは。そちらから話しかけてくるなんて珍しいわね」
「たまたま姿を見かけたものですから。おや、読書中でしたか」
わたしに声をかけてきた古泉一樹が、さも意外そうに手の中にある本に視線を落とす。確かに、わたしが休日に公園で読書というのは意外かもね。
「少し中断。よかったら、読む?」
本当は前半の、まだ話が動き始めたところまでしか読んでないけれど。でもそこまで読んで、オチも見えたから急につまらなくなったのよね。
「遠慮しておきましょう。実はその本、すでに既読済みなもので」
「あら、そう。実はこれ、冒頭部分で飽きちゃったの。最後まで読むべきかな?」
「私見で言えば、賢明な判断かと。僕は最後まで読んで、時間を無駄にした気分です」
「そう」
やっぱり、読書なんてするものじゃないわね。それなら、まだ誰かと話をしていた方が有意義に時間を費やせるんじゃないかなって思えるわ。
それが例え、目の前の古泉くんでもね。
「少し、話をしてもいいかしら?」
「伺いましょう」
「最近どうなの?」
彼を相手に、あまり遠回しな言い方は通用しないわ。どうせ話を聞くなら、ストレートに聞いた方がいいもの。
「涼宮さんや彼の様子。わたしは会っていないから。元気にしているのかしら?」
「気になりますか」
「それはね」
柔和な笑顔を浮かべる古泉くんに、わたしも笑顔を浮かべて返す。残念だけれど、今は腹の探り合いをするような気分じゃないの。
「はて……あなたたちの観測対象は涼宮さんだけでは?」
「彼のことを気にしたら、ダメかしら?」
「そんなことはありませんよ。ただ、あなたは一度、彼を殺そうとしている。あまり、彼について話すのは賢い選択とは思えないもので」
「そうね。それは賢明な判断だわ」
こちらとしても、最初からなんでも聞けるとは思っていないもの。むしろ、何も話してくれないと思っている。それなら、どうでもいいような話で時間を潰すのも悪くないわ。
そう考えて、彼の話題を出しただけ。それだけの理由。
「彼に会いたいのですか?」
不意に、古泉くんはそんなことを言ってきた。
わたしが彼に会いたい? 何故? 何のためにそんなことを思ったのかしら。
別にどっちでもいいの。ただ、彼は涼宮さんにとっての鍵。彼に何かアクションを起こすことは、涼宮さんの情報爆発を誘発させることができる。その目的は今では破棄されている実行案のひとつだけれど……どちらにしろ、今ここでわたしが彼に会っても、涼宮さんにではなく彼にショックを与えるだけだから意味がない。
だから、会わなくても別に構わない。会う必要なんて、どこにもないわ。
「そうですか。いや、それを聞いて安心しました。それがあなたの本心だと思いましょう」
「本心よ。今のところね」
「心変わりをしないことを期待しています。本音を言えばあまり過激なことはしないでもらいたいんですよ。後始末が僕らの役目とはいえ、厄介事を事前に食い止められるのであれば、それに越したことはありませんからね」
……あれ? 何かしら……話を聞いていて、少しだけ精神波形に乱れが出たわね。人で言うところの、ちょっとしたストレスみたいなものだけれど……なんでそんなものが出るのかしら。
「そうね。心変わりをしないためにも、彼の情報を少しわけてくれないかな? それで納得するかも。お茶くらいなら、付き合ってもいいよ?」
「遠慮しておきましょう。僕は彼と違って、何でもかんでも許容できるほど器の大きな人間ではありませんので」
「そう、残念ね」
「それでは朝倉さん、またどこかで」
敬礼のように手を挙げる仕草を別れの挨拶に、古泉くんはそのまま去っていった。彼が本当に偶然にここに立ち寄ってわたしと接触した……なんていうのは、出来すぎた話ね。最初から、わたしに対しての警告をしにきたんだと思うわ。
彼に接触しないように、と。
言われるまでもないわ。そもそも、長門さんにも言われていることだもの。無理に会おうとすれば、また消されるのがオチ。
「所詮、バックアップはバックアップ……かぁ」
今日はこのまま帰ろう。帰って、長門さんでもからかって遊びましょう。
公園のベンチから立ち上がったわたしは、膝の上に置いたままにしてあった本のことを忘れていた。軽い音を立てて落ちた本を拾い……どうせもう読むこともないからと、そのまま公園のゴミ箱に捨てた。
罪を犯した主人公が、愛する人に会おうと藻掻き、最後には……っていう、そんな物語。
本当に、つまらない話よ。
〆
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[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
どうにも朝倉さんが絡む話は、イメージを膨らませやすいというか、キャラクターのバックボーンと自分の波長が合ってるようでw
他のヒロインズとの違いは、たぶんそんなところが原因ではないかとw
他のヒロインズとの違いは、たぶんそんなところが原因ではないかとw
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
何かこう、陰のあるヒロイン像というイメージが、朝倉さんに定着しちゃってます! ボスケテ!
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
このまま長篇ですか! それもあ……いえいえ、なんでもありません(´ー`)y─┛~~
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