category: 日記
DATE : 2007/01/06 (Sat)
DATE : 2007/01/06 (Sat)
原油価格も落ち着きあるとは言え、近所では石油が18リットル1280円というなかなかステキな値段だったりします。
とは言え、どうにも自分は暖房器具は石油ストーブ派、餅はオーブンよりも直火焼き派など、妙なこだわりがあって困る。
や、主に困るのは相方さんの方ですが。
とは言え、どうにも自分は暖房器具は石油ストーブ派、餅はオーブンよりも直火焼き派など、妙なこだわりがあって困る。
や、主に困るのは相方さんの方ですが。
【Rain such as tears:fifth】
どういうわけか、俺はよく理不尽な目に遭う。
今もそうだ。どうやら俺は妹に兄と思われていないらしい。何も兄貴という立場を笠に着て無理難題をふっかけようってわけじゃない。そうではなくて、少しだけでいい、もうちょっと兄を敬ってくれないか、と言いたいわけだ。この考えに共感できるのは、自分が長兄あるいは長姉という生まれ持った立場にいる人だと思う。
そもそも小学校高学年にもなって、実の兄に向かって『キョンくん』はないだろう。少し前まではちゃんと『お兄ちゃん』と呼んでくれたのに、今じゃわけのわからない謎生物の呼称のような愛称で俺を呼び、あまつさえそれを世間一般(主に俺の知人関係)に広めているから困る。
今もそうだ。少なくとも小学校よりは長い高校での一日を終え、帰宅の途に着いた俺にわざわざ電話をかけてきて、あまつさえお使いごとを命じてきやがった。
そりゃな、今は雨が降っている。一度家に帰り着いたら、わざわざ濡れるのを覚悟で外を出歩くのは面倒だと思うさ。だからと言って、なんで俺がわざわざ遠回りをして、ミヨキチと合流した挙げ句に宿題で使うノートをもらって来なければならないんだ? 自分で行けばいいだろ。困るのはおまえじゃないか。
拒否すりゃいいだろって? ああ、そうさ。そうしたいさ。その通話内容が、どこぞの団長の真似して挨拶もなしに用件だけを一方的に言い捨てて電話を切ってなければそうしたさ。
行くしかないわけだ。無視して帰ってもいいが、どうやらミヨキチは市立図書館にいるらしい。時間を見れば、閉館間際の頃合いだ。妹の命令なんぞは無視するに値するが、それで家に帰って妹に図書館に向かわせても、そのタイムラグでミヨキチに迷惑をかけてしまう。
こうなると仕方なく、俺が行かなければならない。このザーザー降りの雨の中を。
「あ、お兄さん」
図書館が見えてきた入り口前、閉館までにはもう少し時間もあるだろうが、雨の中、ミヨキチはそこで待っていた。
「中にいればよかったじゃないか」
「それでもよかったんですけれど、お兄さんがそろそろ来るころじゃないかと思って。あ、このノートを渡してください」
使うのも恥ずかしくなるようなファンシーなそのノートは、妹のものだった。ミヨキチが妹のノートを何に使ったのかは気になるが、妹の丸字で書かれたノートの中身を確認する気はまったくない。
「んじゃ、確かに。気をつけて帰れよ」
「あ、あの!」
用件も済ませたことだし、さっさと帰ろうと思ったが、ミヨキチから妙に大きな声で呼び止められた。
「その、か、傘を忘れて……。ご迷惑でなければ、途中まで送ってもらいたいんですけど……いいですか?」
「傘を忘れたって……今日、一日中雨だったのに?」
「えっ!? あ~……その、小降りのときに図書館に来て。止むかなと思ったんですけど」
天気予報でも一日中雨だって言ってたのにな。まぁ、傘なんて持ち歩くのも煩わしいと思う気持ちは理解できなくもない。
「そのくらいなら別にかまわんけどな。ああ、じゃあうちに寄っていきな。傘くらい、貸してやるから」
「すみません、助かります」
やれやれ、そんなでかい傘じゃないんだけどな。ミヨキチを入れていくんじゃ、俺は半分濡れて帰るしかないじゃないか。
まったく、妹の我が侭に付き合ったらこの結果か。学校じゃハルヒにこき使われ、家では妹か。やってられん。あとでしっかりお仕置きしてやらにゃならん。
「……ですよね?」
「え?」
ああ、いけね。妹に対する怒りを膨らませていたせいで、ミヨキチの話をさっぱり聞いてなかった。
「あの……お兄さん、聞いてました?」
「ああ、ごめん。さっぱり」
「…………」
なんだ? そりゃ聞いてなかった俺が悪かったが、なんでそこまで落ち込んだ表情になるんだ? ええっと、そんなに重要な話でもしてたのか?
「……お兄さん、よく、女の人に怒られたりとかしませんか?」
「え? ああ……まぁ」
なんか知らんが、今のミヨキチを見ていたら、バレンタインのときに長門への説明なしに利用したことを朝比奈さんに怒られた一幕が脳裏に浮かんだわけだが……。
どういうわけか、その後はこれと言った会話もなく家にたどり着き、ミヨキチに傘を貸した後に妹に文句のひとつも言ってやろうかと思っていたら、逆に俺の方が妹に怒られた。
これも理不尽なことだと思うんだが……そう思う一方で、頭の片隅に『自業自得』って言葉が浮かぶのは何でだろうな?
〆
キョンくんの鈍感さは、ミヨキチさんも想定外。ちなみにキョンくんが聞き逃した言葉は、もったいないなぁ、と思う言葉だったりします。
どういうわけか、俺はよく理不尽な目に遭う。
今もそうだ。どうやら俺は妹に兄と思われていないらしい。何も兄貴という立場を笠に着て無理難題をふっかけようってわけじゃない。そうではなくて、少しだけでいい、もうちょっと兄を敬ってくれないか、と言いたいわけだ。この考えに共感できるのは、自分が長兄あるいは長姉という生まれ持った立場にいる人だと思う。
そもそも小学校高学年にもなって、実の兄に向かって『キョンくん』はないだろう。少し前まではちゃんと『お兄ちゃん』と呼んでくれたのに、今じゃわけのわからない謎生物の呼称のような愛称で俺を呼び、あまつさえそれを世間一般(主に俺の知人関係)に広めているから困る。
今もそうだ。少なくとも小学校よりは長い高校での一日を終え、帰宅の途に着いた俺にわざわざ電話をかけてきて、あまつさえお使いごとを命じてきやがった。
そりゃな、今は雨が降っている。一度家に帰り着いたら、わざわざ濡れるのを覚悟で外を出歩くのは面倒だと思うさ。だからと言って、なんで俺がわざわざ遠回りをして、ミヨキチと合流した挙げ句に宿題で使うノートをもらって来なければならないんだ? 自分で行けばいいだろ。困るのはおまえじゃないか。
拒否すりゃいいだろって? ああ、そうさ。そうしたいさ。その通話内容が、どこぞの団長の真似して挨拶もなしに用件だけを一方的に言い捨てて電話を切ってなければそうしたさ。
行くしかないわけだ。無視して帰ってもいいが、どうやらミヨキチは市立図書館にいるらしい。時間を見れば、閉館間際の頃合いだ。妹の命令なんぞは無視するに値するが、それで家に帰って妹に図書館に向かわせても、そのタイムラグでミヨキチに迷惑をかけてしまう。
こうなると仕方なく、俺が行かなければならない。このザーザー降りの雨の中を。
「あ、お兄さん」
図書館が見えてきた入り口前、閉館までにはもう少し時間もあるだろうが、雨の中、ミヨキチはそこで待っていた。
「中にいればよかったじゃないか」
「それでもよかったんですけれど、お兄さんがそろそろ来るころじゃないかと思って。あ、このノートを渡してください」
使うのも恥ずかしくなるようなファンシーなそのノートは、妹のものだった。ミヨキチが妹のノートを何に使ったのかは気になるが、妹の丸字で書かれたノートの中身を確認する気はまったくない。
「んじゃ、確かに。気をつけて帰れよ」
「あ、あの!」
用件も済ませたことだし、さっさと帰ろうと思ったが、ミヨキチから妙に大きな声で呼び止められた。
「その、か、傘を忘れて……。ご迷惑でなければ、途中まで送ってもらいたいんですけど……いいですか?」
「傘を忘れたって……今日、一日中雨だったのに?」
「えっ!? あ~……その、小降りのときに図書館に来て。止むかなと思ったんですけど」
天気予報でも一日中雨だって言ってたのにな。まぁ、傘なんて持ち歩くのも煩わしいと思う気持ちは理解できなくもない。
「そのくらいなら別にかまわんけどな。ああ、じゃあうちに寄っていきな。傘くらい、貸してやるから」
「すみません、助かります」
やれやれ、そんなでかい傘じゃないんだけどな。ミヨキチを入れていくんじゃ、俺は半分濡れて帰るしかないじゃないか。
まったく、妹の我が侭に付き合ったらこの結果か。学校じゃハルヒにこき使われ、家では妹か。やってられん。あとでしっかりお仕置きしてやらにゃならん。
「……ですよね?」
「え?」
ああ、いけね。妹に対する怒りを膨らませていたせいで、ミヨキチの話をさっぱり聞いてなかった。
「あの……お兄さん、聞いてました?」
「ああ、ごめん。さっぱり」
「…………」
なんだ? そりゃ聞いてなかった俺が悪かったが、なんでそこまで落ち込んだ表情になるんだ? ええっと、そんなに重要な話でもしてたのか?
「……お兄さん、よく、女の人に怒られたりとかしませんか?」
「え? ああ……まぁ」
なんか知らんが、今のミヨキチを見ていたら、バレンタインのときに長門への説明なしに利用したことを朝比奈さんに怒られた一幕が脳裏に浮かんだわけだが……。
どういうわけか、その後はこれと言った会話もなく家にたどり着き、ミヨキチに傘を貸した後に妹に文句のひとつも言ってやろうかと思っていたら、逆に俺の方が妹に怒られた。
これも理不尽なことだと思うんだが……そう思う一方で、頭の片隅に『自業自得』って言葉が浮かぶのは何でだろうな?
〆
キョンくんの鈍感さは、ミヨキチさんも想定外。ちなみにキョンくんが聞き逃した言葉は、もったいないなぁ、と思う言葉だったりします。
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