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DATE : 2008/12/21 (Sun)
そういえば消失期間でしたね。
そういえば、もうすぐクリスマスですね。

ええ、うちは時事ネタはまるっと無視して突き進みます。そんなことよりもおっぱいの方が大事なんだ! いえほら、気を逃して訪れる方もいらっしゃるでしょうし、旬が過ぎた時事ネタをあとになって見ても虚しくなるじゃないですか。自分がそうなんで。

なんて言い訳をしつつ、そういえばうちの新刊をショップで見たとの話を聞きました。まだ自分は見てないんですけど。だって余剰分がまだ手元に届いてないんだもん。
以前とは違う印刷所さんにして中身のレイアウトもちょっと再調整したわけですが、なもんでどんな感じになったのかさっぱりなんですよね。

ふむ。

そういうわけで今日はSSでも。続きでございます。

ではまた。

前回はこちら
ワンダフル・デイズ:4

「よく生きて戻って来れたわね」
 と、教室に逃げ戻った俺を待ちかまえていたハルヒは、剣呑な眼差しで人を睨みながら逃げ場なんぞどこにもないと悟らせる。俺の人生、行く先は常に前途多難か。どこで道を間違えたんだろうなぁ。
「そうじゃないって」
 せめてこれ以上の修羅道を突き進むことがないように、俺はハルヒにだけは誤解を与えないようにと弁明を試みることにした。
「どうやら朝倉と長門がケンカしてるみたいでな。朝倉のヤツ、俺に長門を改心させる手伝いをしろと言いたかったらしい」
「有希と朝倉がケンカ?」
 それはハルヒにとっても意外に思うことだったらしい。だら~っと腑抜けた態度で机に頬杖を突いて支えていた上半身を、やおら持ち上げて食い付いてきた。
「あの二人、ケンカするほど仲良かったのね」
「同じマンションに住んでるからな」
「そういえばそうだったわね。ふーん、ケンカねぇ。あの有希が人と衝突するなんて珍しいわ。朝倉のヤツ、何をしたのよ」
「どうでもいいような話だぞ?」
「ケンカしてるってことは、あの有希が怒ってるってことでしょ? それだけで朝倉が何をやらかしたのか気になるじゃない」
 確かに常日頃の長門を知ってるヤツからすれば、あの長門を怒らせるようなこととはいったい何かと気になるのは当然かもしれない。だからここは、素直に白状することにした。
「胸のサイズが大きいだの小さいだの、そんな理由らしい」
「……は?」
 俺が素直に答えてやったというのに、ハルヒは冬場に外でアイスを食べているヤツを見るような目で俺をマジマジと睨み付けてくる。そんなにおかしなことを言ったつもりはないし、事実を端的に告げただけなんだが。
「何それ? バカじゃないの?」
「俺もそう思う」
 だから最初に言ったじゃないか、どうでもいいような話だと。
「なんか聞いて損したわ。それにしても有希がそんなことで怒るなんてね、ちょっと意外」
「まぁ、でもあれなんじゃないのか? 男にはよくわからんが、バストサイズってのは女性にとって気になるもんなんだろ?」
 と言ったら、思いっきり睨まれた。なんだその殺し屋みたいな目つきは。
「何あんた、巨乳好きなの?」
「アホか」
 どいつもこいつも、人の趣味趣向を勝手に捏造するな。どうだっていいだろ、そんなことは。
「胸が大きくたってね、喜ぶのは下心丸出しの男だけ。女にしてみたら、大きくたって百害あっても一利すらありゃしないわ」
「へぇ」
「あんたね、ちょっとは考えてみなさいよ、女の立場になって。胸が大きくたって邪魔だし肩は凝るし、電車に乗れば痴漢に目を付けられる、そうでなくたってあんたみたいな下心丸出しのヤツが喜ぶだけだわ。なんでそんなサービスしなくちゃならないのよ」
 えらく辛辣なコメントだが、何故だろう、言い返す言葉が見つからない。女性にしてみれば、確かにそういうもんかもしれないな。
「そもそも胸の大きさなんて、セックスアピールくらいでしか使い道ないわ。そんな媚びるような真似してどーすんのよ。むしろ女にとって大事なのはウエストとふくらはぎね」
 などということを、ハルヒは自信満々の得意満面で断言した。
「お腹まわりの肉ってあっという間に付くし、落とすに落ちないし。おまけに足はすぐむくんじゃうしさ。去年まで履けてたパンツやブーツが、今年になって履けなくなったときの恐怖、あんたにわかる?」
 まるでわからん。というよりも、ハルヒがここまで力説するってことはあれか、何かしら身につまされる思いでもあるんだろうか。
「うっ、うっさいわね! 女の魅力を胸の大きさでしか計れないヤツにそんなこと言われたくないわよ! あたしが知らないとでも思ってんの? いーっつも部室でみくるちゃんの胸元を鼻の下伸ばしてチラ見してんじゃない!」
 おいこら、人聞きの悪いことをデカイ声で喚くんじゃない。クラスの奴らこそ、こっちをチラ見してんじゃないか。
「そりゃ、目立つところに視線が集まるのは当然だろ。おまけに朝比奈さんは何も胸だけじゃない、均整の取れたプロポーションを前に、おまえは見るなと言うつもりか。だいたいウエストが重要とか言っときながら、いっつも朝比奈さんの胸を揉みほぐしてるのはどこのどいつだ」
「はっは~ん、ボロを出したわねキョン。やっぱりあんた、機会があればみくるちゃんの胸を触りたいとか揉みたいとか挟んでもらいたいとか思ってんでしょっ!」
 挟むって、何をだ? 何を喚いてるんだ、こいつは。
「いやだから、俺は別に胸の大きさで女性の良し悪しを決めてるわけじゃないって。ただそれでも、大は小を兼ねるというか、ないよりはあった方がいいに決まってるじゃないか」
「……そう」
 地を這う澱んだ空気のような声音で俺の言葉に頷いたのは、けれどハルヒの声ではなかった。真横から聞こえた不穏な声音におそるおそる顔を向ければ、そこにいたのは──。
「な、長門っ!?」
 ここは二年五組の教室であり、長門の教室はここではない。何より長門がやってくることはほぼ皆無であり、ここに居ることそのものがイレギュラーな出来事だ。
「なんでおまえがここにいるんだ!?」
「これ」
 長門が手に持っていたのは、どこかで見たことがあるような、ないような、飾り気のないペンケースだった。
「あ、それあたしの」
 ああ、そうだ。それはハルヒのペンケースだ。って、どうしてそれを長門が持ってるんだよ。
「部室に置いてあった。忘れ物」
「持ってきてくれたの? ありがと」
 おいちょっと待て。ハルヒが部室に忘れ物して、それを長門が届けるのがこのタイミング? どんな悪意あっての偶然だ、これは。
「…………」
 ハルヒの忘れ物を届けに来た長門は、それですぐに帰ればいいものを、これまた痛みを感じるくらいに冷ややかな眼差しをジーッと俺に向けてくる。ペンケースを渡して所在なく中途半端に浮かせていた手を、何を考えているのか自分の胸元に当ててさえいる。
「そう」
 多くを語らず、故に万の言葉よりも重い一言を残して、長門は幽霊よりも覇気のない足取りで教室を出て行った。
「…………なぁ、ハルヒ」
「なに? あ、今日あんた、放課後はちゃんと部室に来なさいよ。無断でサボったらただじゃ済まさないからね」
 ハルヒが容赦のないヤツだということを、身につまされて思い知らされた。

つづく
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★無題
NAME: アバル信者
媚びうるような真似→媚びるような?
鼻の舌伸ばして→鼻の下?
幽霊よりも破棄のない→覇気のない?


珍しく誤字があったのでご報告。リアルの忙しさが手に取るように解ります。
頑張れ。マジ頑張れ。
2008/12/21(Sun)04:20:27 編集
自分で言うのも何ですが、これはひどい。いやもう、語尾に「w」付けられないほどひどい。覇気とか、そこのとこ二度くらい書き直して間違えてるってどんだけなんでしょう。コメント拝見してすぐに直しちゃいました。

忙しいのはそろそろ一段落なんですけど、あれですか、疲れが溜まってるんでしょうか。困ったもんです。
【2008/12/21 23:31】
★無題
NAME: Miza
そして長門は情報操作で自分の胸を・・・しかしキョン君は実はロリコ(ryだということを知り愕然とするのであった!
2008/12/22(Mon)14:34:34 編集
な、なんだっt(ry

いやしかし、キョンくんは世間の斜め上か斜め下かを行く人だと思います(゚д゚)/
【2008/12/22 23:58】
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