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DATE : 2008/12/12 (Fri)
お仕事のー〆切がー今日なのよーらんらんるー。

それはさておき、今日はちょっくらSSを。SSと言っても、これはこのままブログで続けるものではございませぬ。来年3/15に開催するらしい長門祭4用の冒頭プレビュー版とでも申しましょうか、ここからああしてこうしてどうなってって感じの短篇にでもしようかなと思っておりまして。これに短篇作品の中から数本選んで一冊にまとめてみてはどうだろう、とかなんとか。

と言っても状況が状況ですから、3/15じゃ無理ぽーかもしれませぬ。状況にもよりますが、そうですなぁ、長門祭4のときはこのSSだけをコピ本で作って、正式版は後日のイベントかなんかで形にできればいいな! みたいな夢見がちなお年頃って感じで。

そんな長門祭の前に、2月のSC42は当選してました。配置はBホール/コ-15bだそうです。

でもまあアレです。今はそういうことを考えている場合でもないわけです。戦わなくちゃ、現実と!

ではまた。

長門有希の邂逅(仮)

 布団の中でぬくぬくとした温もりは鎖のように俺の体を束縛し、吸い込む空気の冷たさに「こういう束縛も悪くないな」なんて思っていても、時の流れというのは無情なものだ。
「キョンくーんっ! キョンくん、キョンくん! おーきーてぇ~っ!」
 朝の一幕。無遠慮な勢いで部屋のドアは開かれ、耳に響くかん高い声は下手な目覚まし時計よりもけたたましく、俺の眠気を奪い去っていく。
「早く、早く! いつまでも寝てちゃダメなんだよーっ!」
 この目覚まし時計、何がキツイってやかましいだけではなく、人の上に飛び乗って揺すってくることだ。それでも頑として布団の中に潜り込んでも、最終手段とばかりに温かで心地いい束縛を瞬く間に奪い去って俺を無理やり解き放とうとする。
 今日もまた、御多分に漏れずにそういうことになった。
「……寒いな、おい……」
 布団を剥がされると、室内の寒さが一気に身にしみてくる。寒いというよりも冷たいと言うべきか、ひりひりと痛みすら感じる冷気が充満していた。
「だってほら、見て見て!」
 寒さで丸くなっている俺とは違い、元気ハツラツ天真爛漫な妹が、剥ぎ取った布団を床の上に放り投げてカーテンを一気に開く。朝日のまぶしさだけでは説明できないような強い光に、つい目を細めてしまった。
「雪だよ、雪! すっごい積もってるのっ!」
 寝起きでイマイチ状況の確認ができない俺に、妹がわかりやすく簡潔に、声音に若干のるんるん気分を含ませて世界の有り様を教えてくれる。それで太陽の光を無駄に反射させてまぶしいわけだ。
「ねぇ、キョンくん。雪合戦、」
「無理だな」
 どうせそんなことを言い出すだろうことは予測済みだ。伊達に一〇年以上、兄なんぞやっていない。
「え~っ、せっかく雪降ったのにぃ~」
 そういうことをしたいのなら、学校にでも行って友達と遊んで来ればいい。ん? 今日は土曜だったかな。どっちにしろ、こうも雪が積もれば校庭くらい開放されてるんじゃないかね。
「ほら、着替えるから出ていけ」
「んもー」
 むくれ面の妹を部屋から追い出し、寝間着から普段着に着替えるのも躊躇われるが、そうもいかない。意を決して着替えを済ませ、一階に下りれば案の定の展開が待っていた。
 雪かきしろだと。
 普段なら、そう言われたところで素直に頷くつもりはない。そんな面倒なことを率先してやろうとも思わず、何か言われる前に逃げ出すところなんだが、今回ばかりは素直に聞いておいた方が身のためだ。
「はぁ~……」
 どうして滅多に雪が積もらない地域であるにもかかわらず、我が家には雪かきスコップがあるのだろう。言われるままに玄関先の道路の雪かきをしていても、地を這うようなため息しか出てこないぞ。
 そんな深い深いため息が我知らずこぼれ落ちると同じくして、携帯が小刻みに震え、着信を告げる。世の中には着信メロディやら何やらあるわけだが、あれの利用価値がどうにもわからない。公共の施設や学校では、どうせ音を切らなくちゃならないわけだろ? そういうところから離れたらマナーモードを解除するのだろうか。それこそ面倒だと思うのは、俺が怠け者だから……とは思いたくないな。
「もしもし?」
『雪合戦よ!』
 出た途端に、聞き慣れた声が小学六年生の妹と同じ台詞を口にしやがった。誰とは言わない。言わずともわかるだろ。
「あのな、こっちはそれどころじゃないんだ」
『何が?』
「雪かきしてんだよ。今日はちょっと遊んでる暇はないな」
『あんた、SOS団の活動を遊びとでも言うつもり? どうせ雪なんて自然に溶けて消えるんだもの、そんなことしなくていいじゃない。そもそも豪雪地帯じゃあるまいし、下手に雪を脇にどけても厚みが増して溶けにくくなるだけよ?』
「俺もそう思う。ただ、親からの厳命なんだよ。ここ最近うるさくてなぁ……。曰く、『遊んでばかりで勉強もしないなら、せめて家に貢献することくらいやりなさい』だとさ。だから今日は少しばかり真面目に言いつけを守って、ゴマをすっておかにゃ後々に響くんだ。わかるだろ?」
 つまりそういう理由があったからこそ、朝に雪が積もってるとわかるや否や、こういう展開になることは予想が付いたってわけさ。妹の相手をしてられないのも、ご理解いただきたいところだ。
『なっさけない』
 けれどハルヒは理解しちゃくれない。
『あんたの日頃の行いの悪さがモロに出てんじゃないのよ。そんな理由で団活を休めるとか思ってんじゃないでしょうね!?』
「わかったわかった。とにかく今は忙しいからまた後でな。それと、うちまで押しかけて来るのはかまわないが、もれなく雪かき作業が着いて来ることを忘れるな。じゃあな」
『あ、こらちょっ』
 何か言い足りなさそうなハルヒの言葉を、律儀に最後まで聞いてやる義理も義務もない。ため息混じりに携帯をポケットに押し込み、やりたくもな雪かき作業を再開させようか……と思ったところで、またも携帯が震えだした。
「しつこいな、無理だって言ってんだろ」
『あら、そんなにしつこくお電話を差し上げた覚えはありませんけれど』
 ん? ハルヒと思って応対したら、まるっきり別人からの電話だった。この声は──。
「喜緑さん?」
『はい、わたしです』
 聞き覚えのある声にアタリを付けて名を口にすれば、ドンピシャだった。
「てか、どうして俺の携帯番号を知ってるんですか」
『学校の名簿を拝見いたしましたもので』
 そんなわけあるか。学校の名簿に個人所有の携帯電話の番号が載ってるわけもない。
『あら、違いましたかしら? それはともかく』
 ともかくの一言で聞き流していいんだろうか。これはいわゆる個人情報の流出ってヤツじゃないのか? 個人情報保護法……だっけ? そういうものに思いっきり抵触してるじゃないか。
『あのですね、そういうささやかな問題にかまけている場合ではなくて』
「わかりました。訴えるのは少し考えますから、とにかく後にしてください。こっちは忙しいんで」
『いえですから、そういうことではなく。あの、そちらに長門さんはいらっしゃいませんか?』
「長門?」
 なんで長門のことを俺に聞くんだ? というか、どうして俺のとこに長門がいると喜緑さんは思ってるんだろう。何より、喜緑さんが長門の居場所を気に懸けているとはどういうことだ。
「すれ違いでハルヒから集合の号令がありましたけど、そっちじゃないですか? 俺は雪かきがあるんで行けませんが」
『あら、そうなのですか。うぅ~ん、困りましたね。わたしから涼宮さんにお電話するわけにもまいりませんし』
 どうして俺はよくてハルヒにはできないんだ……っていう疑問こそ、ささやかなことか。
「何事ですか」
『すみません、お手数おかけしますが、涼宮さんに連絡を取って長門さんがご一緒じゃないか確認していただけませんか? 一緒でなければそれでいいんですけれど、もし一緒だった場合はすぐに引き取りに参りますので』
 引き取りに……? どうして喜緑さんが長門の身柄を引き取りに行くんだ?
「ホントに何事なんですか」
『では、折り返しのご連絡をお待ちしております』
 こっちに質問はすべて受け流すとは、いかにも喜緑さんらしい。ぶっつりと一方的に切られたわけだが、折り返しのご連絡はどすればいいんだろうな。あの人、非通知で掛けて来てたんだが。
 ともかく、はっきりしているのは喜緑さんが長門の居場所を気にしてるってことだ。それだけでもかなり異常な事態であることは間違いない。
 深く関わり合いになるのは勘弁願いたいところだが、もしハルヒも巻き込むことになれば関わる関わらない以前の問題になりそうだな……やれやれ、仕方がない。
 さっきの対応の直後にこっちからハルヒに連絡なんぞ取りたくないが、そうも言ってられないんだろうさ。虎穴に入らずんば虎児を得ずってわけでもないが、虎穴に入った途端に子虎を捕まえる前に親虎に噛み殺されたりしないことを祈るばかりだ。
 そんな俺の祈りが天に届いたのか、今まさにハルヒに連絡を取ろうと着信履歴からハルヒにダイヤルしようとしたそのとき、しゃくっと雪を踏みしめる音が聞こえた。何故か、その音がヤケに耳に響いた。
 振り返れば、そこには長門がいた。
「ああ、長門。どうしたんだ、うちまで来るなんて。そういえば喜緑さんが捜してたみたいだが、何かあったのか?」
「あ……」
 矢継ぎ早の問いかけに、その長門はどこか困ったようなニュアンスを漂わせた。
 もう一度言おう。いや、何度だって言わせて欲しい。
 困ったような態度、なのだ。
 俺が違和感を覚えないわけがない。
「……長門?」
 俺は改めて長門を見て、その名前を口にする。そのときになってようやく気付いた。むしろ気付かなかった自分がどうかしてたのかもしれない。
 長門の瞳は、眼鏡のレンズ越しに俺を見ている。
「何で眼鏡を……」
 と、最後まで俺の言葉を聞いちゃくれない。長門はきびすを返し、逃げるようにその場から駆け出そうとして──雪に足を取られて盛大にコケた。
「お、おい大丈夫か!?」
 慌てるというよりも驚くというよりも呆気に取られた。呆気に取られたが、指さして笑う気にもならず、急いで駆け寄って起こしてやれば、長門は真っ赤になっていた。
「ご……ごめんなさい」
「いや……」
 ごめんなさい、か。しかも言葉を詰まらせながらとは。
 これはまさか……いやでも、そんなはずが……けど。
「おまえ……長門、だけど……長門じゃないのか?」
「え……?」
 俺の問いかけに、長門は転んだ恥ずかしさから若干立ち直ったらしい。不思議そうに小首を傾げるが、傾げられた俺にしてみれば、よけいに混乱した。
 この長門は、情報統合思念体に作られた対有機生命体コンタクト用インターフェースの長門有希ではなく、何の力も特殊なバックボーンもない、ごくごく普通の、それでいて少し内向的な寡黙な読書少女でもある……改変された世界の長門有希のようだった。

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★あ〜ん、いけず〜
NAME: N・N
何ですか、これ。ものスッゴク続きが気になります。たがしかし、実際これが販売されても私に手に入れる策は無く、どうしてくれようかこの仕打ち。
まさに、蛇の生殺しの如き放置プレイされますか
2008/12/12(Fri)02:01:00 編集
あーむーんー、それならあれでしょうか、そろそろ間もなく100万HITなもんですから、3/15前までに100万HITいってたら記念SSとしてUPしちゃいましょうか。
どっちにしろ、それまで書き上がるかどうかが問題なんですけどね!
【2008/12/13 00:30】
★無題
NAME: Miza
つまり有希っこがどうなるかは3/15までお預けってことですね!
2008/12/12(Fri)14:14:47 編集
3月までに書き上がるかどうかが問題ですけど!
【2008/12/13 00:30】
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