category: 日記
DATE : 2008/04/02 (Wed)
DATE : 2008/04/02 (Wed)
数日前にボヤいてましたが、そろそろ真面目に部屋の模様替えをすることにしました。
置いてるものの配置換えではなく、デスクを一新して作業環境をより快適にするわけです。なので昨日、近所の家具屋に行ってアレコレ買って来ました。
と言っても、ウチの車は小いのでL字型の120cm×120cmのワークステーションデスクやら高さ205cmの棚やらを詰め込めるわけもなく、後日配送にしてもらったわけですが。
そうなると、今ある部屋の家具やら家電やらの配置も換えざるを得なくなるわけですが、ここでひとつ問題が。
うちには39型のワイドトリニトロンTVがあるわけでして、トリニトロンと言えば昨今話題の薄型ってわけじゃありません。
でかいです。
重いです。
他の複合機プリンタやらなら自分で動かせるわけですが、さすがにこのTVはヤバそうです。誰かボスケテ! ホント、配送業の人とか、家電店で働いてる人とか、よく一人で動かせますね。純粋にスゴイと思います。
とりあえず8日~9日にかけて部屋の大改造を行うわけで、その2日間はココの更新どころかネットに繋ぐことすらできないかもしれません。
作業環境がよくなるのは嬉しいんですが、そのセッティングを考えると、楽しさと気怠さが半々ってとこでしょうか。
はぁ~あ('A`)
そんなわけで、ではまた。
置いてるものの配置換えではなく、デスクを一新して作業環境をより快適にするわけです。なので昨日、近所の家具屋に行ってアレコレ買って来ました。
と言っても、ウチの車は小いのでL字型の120cm×120cmのワークステーションデスクやら高さ205cmの棚やらを詰め込めるわけもなく、後日配送にしてもらったわけですが。
そうなると、今ある部屋の家具やら家電やらの配置も換えざるを得なくなるわけですが、ここでひとつ問題が。
うちには39型のワイドトリニトロンTVがあるわけでして、トリニトロンと言えば昨今話題の薄型ってわけじゃありません。
でかいです。
重いです。
他の複合機プリンタやらなら自分で動かせるわけですが、さすがにこのTVはヤバそうです。誰かボスケテ! ホント、配送業の人とか、家電店で働いてる人とか、よく一人で動かせますね。純粋にスゴイと思います。
とりあえず8日~9日にかけて部屋の大改造を行うわけで、その2日間はココの更新どころかネットに繋ぐことすらできないかもしれません。
作業環境がよくなるのは嬉しいんですが、そのセッティングを考えると、楽しさと気怠さが半々ってとこでしょうか。
はぁ~あ('A`)
そんなわけで、ではまた。
前回はこちら
森園生の変心:12
「じゃあ、あたしが聞き出してみよっか?」
帰り道、俺の自転車の後ろで立ち乗りしている鶴屋さんに今日の長門の様子を話してみれば、鶴屋さんはそんなことを言ってくれた。
どうやら俺には、何かを頼めば余計なことまで付属するような、頼りになるのかならないのかわからない先輩より、いざというとき望むような形で力になってくれる頼もしい先輩がいるらしい。
「いやあ、長門が何も言わないのなら、あいつから何かを言ってくるまで様子見にしておいた方がいいんじゃないかと思いますよ」
かといって、鶴屋さんの申し出を甘んじて受け入れるのもどうかと思う。特に今はそんなことを頼んでいる状況ではない。なにしろ、明後日には結納を控えているんだ。鶴屋さんが直接関係ないことにまで巻き込んで、余計な心労を背負わせるのは心苦しい。
「そうかい? あたしは別に構わないんだけどさっ!」
「それより鶴屋さん、土曜日って俺はどうすりゃいいんですか?」
「ん~っ、キョンくんは土曜日に何もないっかな?」
その確認をハルヒに取ってみたんだが、けんもほろろな答えをもらっちまったわけで、どうやら丸一日空いているみたいではある。まぁ、明日とか明後日になれば気分屋のハルヒのことだ、どうなるかわからない。
「そんじゃ、暇してるってんならキョンくんにも付き合ってもらっちゃおっかなっ! あたしの旦那さまになる人がどんなもんか、興味あるっしょっ!?」
興味のあるなしで問われれば、そこは迷いも悩みもなく即答で「ある」と答えるが、となればそこで出会うのは、将来、鶴屋さんの旦那になる野郎であるわけで、そんなのを前にするのはとてもとても複雑な気分になるのは間違いない。
「行きますよ」
それでも俺がそう答えたのは、なんとなく、本当になんとなくだが、鶴屋さんに着いていった方がいいような気がしたからだ。
別に何か言われたわけでもないし、俺の思い上がりだと言われても反論のしようがない。ただ、どうにも鶴屋さんは俺に着いてきてもらいたいような雰囲気だと感じた。
「そっかそっか。んじゃーっ、そこまで言うんだったら、土曜日はあたしに付き合ってもらっちゃおっかなっ!」
考えすぎだったらしい。
「……やっぱり、家でゆっくりしてようかと思うんですが」
「うっはっ! うそだってばさっ! やっぱほれ、あたしもキョンくんに来てもらいたいなーって思ってたんよっ。ほんとほんとっ! だからほれっ、拗ねちゃダメにょろよ」
別に拗ねてるわけじゃないが、鶴屋さんの態度を見るに、別に俺が居ようが居まいがどっちでもよさそうだとは思う。やっぱり俺の勘繰りすぎか。着いていった方がいい、などとちょっぴり考えた自分の思考回路をメンテナンスに出したくなってきた。
「ホント、感謝してるっさ。あんがとっ!」
……まぁ、あながち俺のアホみたいな勘違いってわけでもないのかな、と今の鶴屋さんの一言を聞いて思う。
なんだかんだと、やっぱり鶴屋さんにも不安に思うところがあるんじゃないだろうか。朝比奈さんが一緒にいることが一番いいのかもしれないが、状況がそれを許さない。なら、事情を知っていて鶴屋さんと多少なりとも気心が知れている俺が側にいることで、不安も──完全にとは言えないが──解消できる。
よし、そう思い込むことにしておこう。
「んじゃキョンくん、それなら土曜まで残業なしでいっかな? ほれ、キョンくんも来てくれるっつーんなら、その日までに疲れをため込まれてげっそりした顔をしてられちゃうと、ちょっとアレっしょ!」
「ああ、了解です」
別に鶴屋さんの家でやることでげっそりやつれるようなことは何もしちゃいないが、雇い主がそう言うのであれば否応もない。
鶴屋家の門前までたどり着けば、そこでは今日も森さんが出迎えてくれていた。もしかして自分の服か、はたまた鶴屋さんの持ち物いGPSやら仕込まれているんじゃないかと思えるような出迎えだ。
「んじゃキョンくんっ、また明日っ!」
「お疲れさまでした」
元気な鶴屋さんと慎ましやかな森さんに見送られ、俺はそのまま自転車を自宅に向けて走らせた。この調子だと、今日は我が家で夕飯を食べることになりそうだ。となれば、その後に妹の勉強を見ることになるかもしれん。昨晩、そんなことを騒いでいたような気がする。
久しぶり……と言っても三日ぶりくらいだが、早めに帰れるのなら、テレビでも見てのんびりしたいのが本音さ。妹に勉強を教えるのは手間というほど面倒なことでもないが、早めに片付けておきたい。
──少し急ぐか……
そんなことを考えてペダルをこぐ踏み込みを強めようとした矢先。
「うわっ!」
脇道からまるで狙っていたかのようなタイミングで飛び出して来た人影がひとつ。慌てて急ブレーキを掛けてタイヤを滑らせ、こっちがコケそうになりつつもギリギリの所で止まることができた。
「あっ、危ねぇだろ!」
「止まれると思ってましたから。こんばんは」
怒鳴る俺の声なんざ、そよ風とさえ思わないような態度で、馴れ馴れしく声を掛けてくるその相手を見て、ブレーキを握る手に力を込めるんじゃなくてペダルをこぐ足にこそ力を入れればよかったと思った。
「何やってんだ、橘」
ニコニコと、危うく俺に轢かれそうになったってのに屈託のない笑顔を浮かべる橘に、俺は険のある声を飛ばした。誘拐未遂の次は当たり屋未遂か。もう少し真っ当な人生を歩んだらどうだ?
「あのですね、元からぶつかるつもりなんてなかったのです。制動距離というのをご存じですか?」
つまり、当たるも避けるも自由自在か。やっぱり当たり屋じゃないか。
「どうしてもあたしを犯罪者にしたいわけですか」
「俺がどうこうする以前に、立派な犯罪者だろ」
「ひどいのです」
ひどかねぇよ。事実だろ。
「それより……」
橘は視線を逸らし、俺の遙か後方に目を向けた。つい釣られて俺も目を向けるが、別に何かがあるわけじゃない。ただ、俺が鶴屋家から通ってきた道が続いているだけだ。
「その鶴屋家のご令嬢と、ずいぶん仲がいいんですね。二人乗りなんかしちゃって、傍目に見れば、お付き合いしてるように見えちゃいますよ」
「んなわけねぇだろ」
「ですよね」
俺が否定すれば、橘もあっさり頷いた。それはそれで妙にムカつくんだが、敢えて多くを語るまい。
「いえいえ、だってほら、ご存じですか? あの方、今週土曜日には結納を済ませてしまうそうじゃありませんか。確か、あなたよりひとつ歳が上なだけですよね? なのに結婚だなんて、家柄が大きくなると何かと大変ですね」
それは確かに俺も思うところだが、だからと言って橘が同情めいたセリフを口にするのは、余計なお世話ってやつだ。鶴屋さんだって、こいつのことを知ればそう思うだろうさ。
「おまえ、また何かたくらんでるんじゃないだろうな」
「いやですね、人をそんな色眼鏡で見てはよくないのです。そもそも、以前にあなたには佐々木さんのことでお世話になってますし、当面は涼宮さんの能力のこととかでご面倒をかけるつもりはありません」
当面じゃなくて、今後一切そういう厄介事を巻き起こすのはやめてくれ、と言いたい。前回のことで俺に感謝してるなら、もう悪さはしませんという誓約書にサインを入れて送って来い。
「ふふ、考えておきます。でもホント、今週になって毎日ですよね? なんで一緒に登下校なんてしちゃってるんですか?」
「誘拐未遂に当たり屋に、そしてノゾキまでしてんのか、おまえは」
「ですから、そうではなくて。ただちょっと、気になるんです」
何が言いたいんだ、こいつは?
「だってほら、ご存じですか? あの方のお家、古泉さんが所属する『機関』のスポンサーのひとつじゃありませんか」
「だから何だよ」
「そのことは知ってるんですか。そうですか……それでその態度……ふぅん?」
まるで探るように、橘はくりくりとよく動く大きな双眸で人の心の内まで探るように顔を近付けてきて、ふむふむと何やら独りごちている。
「もしかして、鶴屋家のご令嬢のお相手がどちら様か、まったくご存じない?」
「知ってるのか、おまえは」
「あっ、やっぱりそうなんですね。それでですか……。あ、今って帰り道? お邪魔しちゃってすみません。それではまた、どこかで」
「はっ? おっ、おい! ちょっと待て!」
呼び止めたって意味はない。どうせやるなら追いかけることだが、自転車から降りていた今ではもう遅い。妙なところで素早い橘は、飛び出してきた脇道に引き返したかと思えば、すでに行方を眩ませていた。
つづく
森園生の変心:12
「じゃあ、あたしが聞き出してみよっか?」
帰り道、俺の自転車の後ろで立ち乗りしている鶴屋さんに今日の長門の様子を話してみれば、鶴屋さんはそんなことを言ってくれた。
どうやら俺には、何かを頼めば余計なことまで付属するような、頼りになるのかならないのかわからない先輩より、いざというとき望むような形で力になってくれる頼もしい先輩がいるらしい。
「いやあ、長門が何も言わないのなら、あいつから何かを言ってくるまで様子見にしておいた方がいいんじゃないかと思いますよ」
かといって、鶴屋さんの申し出を甘んじて受け入れるのもどうかと思う。特に今はそんなことを頼んでいる状況ではない。なにしろ、明後日には結納を控えているんだ。鶴屋さんが直接関係ないことにまで巻き込んで、余計な心労を背負わせるのは心苦しい。
「そうかい? あたしは別に構わないんだけどさっ!」
「それより鶴屋さん、土曜日って俺はどうすりゃいいんですか?」
「ん~っ、キョンくんは土曜日に何もないっかな?」
その確認をハルヒに取ってみたんだが、けんもほろろな答えをもらっちまったわけで、どうやら丸一日空いているみたいではある。まぁ、明日とか明後日になれば気分屋のハルヒのことだ、どうなるかわからない。
「そんじゃ、暇してるってんならキョンくんにも付き合ってもらっちゃおっかなっ! あたしの旦那さまになる人がどんなもんか、興味あるっしょっ!?」
興味のあるなしで問われれば、そこは迷いも悩みもなく即答で「ある」と答えるが、となればそこで出会うのは、将来、鶴屋さんの旦那になる野郎であるわけで、そんなのを前にするのはとてもとても複雑な気分になるのは間違いない。
「行きますよ」
それでも俺がそう答えたのは、なんとなく、本当になんとなくだが、鶴屋さんに着いていった方がいいような気がしたからだ。
別に何か言われたわけでもないし、俺の思い上がりだと言われても反論のしようがない。ただ、どうにも鶴屋さんは俺に着いてきてもらいたいような雰囲気だと感じた。
「そっかそっか。んじゃーっ、そこまで言うんだったら、土曜日はあたしに付き合ってもらっちゃおっかなっ!」
考えすぎだったらしい。
「……やっぱり、家でゆっくりしてようかと思うんですが」
「うっはっ! うそだってばさっ! やっぱほれ、あたしもキョンくんに来てもらいたいなーって思ってたんよっ。ほんとほんとっ! だからほれっ、拗ねちゃダメにょろよ」
別に拗ねてるわけじゃないが、鶴屋さんの態度を見るに、別に俺が居ようが居まいがどっちでもよさそうだとは思う。やっぱり俺の勘繰りすぎか。着いていった方がいい、などとちょっぴり考えた自分の思考回路をメンテナンスに出したくなってきた。
「ホント、感謝してるっさ。あんがとっ!」
……まぁ、あながち俺のアホみたいな勘違いってわけでもないのかな、と今の鶴屋さんの一言を聞いて思う。
なんだかんだと、やっぱり鶴屋さんにも不安に思うところがあるんじゃないだろうか。朝比奈さんが一緒にいることが一番いいのかもしれないが、状況がそれを許さない。なら、事情を知っていて鶴屋さんと多少なりとも気心が知れている俺が側にいることで、不安も──完全にとは言えないが──解消できる。
よし、そう思い込むことにしておこう。
「んじゃキョンくん、それなら土曜まで残業なしでいっかな? ほれ、キョンくんも来てくれるっつーんなら、その日までに疲れをため込まれてげっそりした顔をしてられちゃうと、ちょっとアレっしょ!」
「ああ、了解です」
別に鶴屋さんの家でやることでげっそりやつれるようなことは何もしちゃいないが、雇い主がそう言うのであれば否応もない。
鶴屋家の門前までたどり着けば、そこでは今日も森さんが出迎えてくれていた。もしかして自分の服か、はたまた鶴屋さんの持ち物いGPSやら仕込まれているんじゃないかと思えるような出迎えだ。
「んじゃキョンくんっ、また明日っ!」
「お疲れさまでした」
元気な鶴屋さんと慎ましやかな森さんに見送られ、俺はそのまま自転車を自宅に向けて走らせた。この調子だと、今日は我が家で夕飯を食べることになりそうだ。となれば、その後に妹の勉強を見ることになるかもしれん。昨晩、そんなことを騒いでいたような気がする。
久しぶり……と言っても三日ぶりくらいだが、早めに帰れるのなら、テレビでも見てのんびりしたいのが本音さ。妹に勉強を教えるのは手間というほど面倒なことでもないが、早めに片付けておきたい。
──少し急ぐか……
そんなことを考えてペダルをこぐ踏み込みを強めようとした矢先。
「うわっ!」
脇道からまるで狙っていたかのようなタイミングで飛び出して来た人影がひとつ。慌てて急ブレーキを掛けてタイヤを滑らせ、こっちがコケそうになりつつもギリギリの所で止まることができた。
「あっ、危ねぇだろ!」
「止まれると思ってましたから。こんばんは」
怒鳴る俺の声なんざ、そよ風とさえ思わないような態度で、馴れ馴れしく声を掛けてくるその相手を見て、ブレーキを握る手に力を込めるんじゃなくてペダルをこぐ足にこそ力を入れればよかったと思った。
「何やってんだ、橘」
ニコニコと、危うく俺に轢かれそうになったってのに屈託のない笑顔を浮かべる橘に、俺は険のある声を飛ばした。誘拐未遂の次は当たり屋未遂か。もう少し真っ当な人生を歩んだらどうだ?
「あのですね、元からぶつかるつもりなんてなかったのです。制動距離というのをご存じですか?」
つまり、当たるも避けるも自由自在か。やっぱり当たり屋じゃないか。
「どうしてもあたしを犯罪者にしたいわけですか」
「俺がどうこうする以前に、立派な犯罪者だろ」
「ひどいのです」
ひどかねぇよ。事実だろ。
「それより……」
橘は視線を逸らし、俺の遙か後方に目を向けた。つい釣られて俺も目を向けるが、別に何かがあるわけじゃない。ただ、俺が鶴屋家から通ってきた道が続いているだけだ。
「その鶴屋家のご令嬢と、ずいぶん仲がいいんですね。二人乗りなんかしちゃって、傍目に見れば、お付き合いしてるように見えちゃいますよ」
「んなわけねぇだろ」
「ですよね」
俺が否定すれば、橘もあっさり頷いた。それはそれで妙にムカつくんだが、敢えて多くを語るまい。
「いえいえ、だってほら、ご存じですか? あの方、今週土曜日には結納を済ませてしまうそうじゃありませんか。確か、あなたよりひとつ歳が上なだけですよね? なのに結婚だなんて、家柄が大きくなると何かと大変ですね」
それは確かに俺も思うところだが、だからと言って橘が同情めいたセリフを口にするのは、余計なお世話ってやつだ。鶴屋さんだって、こいつのことを知ればそう思うだろうさ。
「おまえ、また何かたくらんでるんじゃないだろうな」
「いやですね、人をそんな色眼鏡で見てはよくないのです。そもそも、以前にあなたには佐々木さんのことでお世話になってますし、当面は涼宮さんの能力のこととかでご面倒をかけるつもりはありません」
当面じゃなくて、今後一切そういう厄介事を巻き起こすのはやめてくれ、と言いたい。前回のことで俺に感謝してるなら、もう悪さはしませんという誓約書にサインを入れて送って来い。
「ふふ、考えておきます。でもホント、今週になって毎日ですよね? なんで一緒に登下校なんてしちゃってるんですか?」
「誘拐未遂に当たり屋に、そしてノゾキまでしてんのか、おまえは」
「ですから、そうではなくて。ただちょっと、気になるんです」
何が言いたいんだ、こいつは?
「だってほら、ご存じですか? あの方のお家、古泉さんが所属する『機関』のスポンサーのひとつじゃありませんか」
「だから何だよ」
「そのことは知ってるんですか。そうですか……それでその態度……ふぅん?」
まるで探るように、橘はくりくりとよく動く大きな双眸で人の心の内まで探るように顔を近付けてきて、ふむふむと何やら独りごちている。
「もしかして、鶴屋家のご令嬢のお相手がどちら様か、まったくご存じない?」
「知ってるのか、おまえは」
「あっ、やっぱりそうなんですね。それでですか……。あ、今って帰り道? お邪魔しちゃってすみません。それではまた、どこかで」
「はっ? おっ、おい! ちょっと待て!」
呼び止めたって意味はない。どうせやるなら追いかけることだが、自転車から降りていた今ではもう遅い。妙なところで素早い橘は、飛び出してきた脇道に引き返したかと思えば、すでに行方を眩ませていた。
つづく
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[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
なんとか一番の難関は昨日のうちに済ませてしまいましたが、案の定というかなんというか、じんわりと腰に鈍痛が走ってますw
しかし、あとはこれでなんとかなりそうなので、生きて行けそうですよ!
しかし、あとはこれでなんとかなりそうなので、生きて行けそうですよ!
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