category: 日記
DATE : 2007/01/20 (Sat)
DATE : 2007/01/20 (Sat)
はてさて、この更新は日付的には土曜日です。つまり日替わりSSのラストがUPされるというわけです。
まぁ、WEB拍手でもコメントいただきましたが、予想通りの人で一週間の〆を飾っていただきましょう。
また、今回の「引き」で、この日替わりSSの仕組みに気づく方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。やや分かりづらいかもしれませんが、来週月曜日のハルヒさんでよりくっきりわかるかと思います。
明日は「初恋」の続きですが……ちと更新時間は遅くなるかもしれません。
それはさておき、ひとまずどうぞ。
まぁ、WEB拍手でもコメントいただきましたが、予想通りの人で一週間の〆を飾っていただきましょう。
また、今回の「引き」で、この日替わりSSの仕組みに気づく方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。やや分かりづらいかもしれませんが、来週月曜日のハルヒさんでよりくっきりわかるかと思います。
明日は「初恋」の続きですが……ちと更新時間は遅くなるかもしれません。
それはさておき、ひとまずどうぞ。
【週刊喜緑江美里】
第一話:喜緑さん、企む
例えば舞台で繰り広げられる喜劇を見るときに、皆様はどこをご覧になるでしょう。大半は舞台で演じている役者さんなのでしょうね。でも中には、衣装や舞台に目を向ける方もいるのではないでしょうか。
わたしは、どちらかと言えばその少数派です。目を引くものよりも、その裏で活躍している方たちの働きに興味があります。
表舞台で活躍する人は、裏で力を注ぐ人たちがいるからこそ輝ける。逆を言えば、裏で活躍する人たちが手を抜くことで、表に立つ人は輝きが鈍る。ですから、表に立つ人を生かすも殺すも裏方次第。そんなところが楽しいと思いませんか?
わたしはそう思います。そしておそらく、この人もわたしと同じ気持ちなのかもしれません。
「どうかなさいましたか?」
ちらりと向けたわたしの視線にすぐに気づいた古泉さんは、生徒会室のパイプ椅子に座り、まだ戻らない会長を待ち続けています。タテマエは「SOS団に部費を出してもらえるように交渉する」とのことでしたが、その本心がどこにあるのか……探らないのが礼儀でしょうか。
「まだお待ちになりますか? 会長がこの時間までここにいらっしゃらないということは、今日は来ないかもしれません」
「そうですか。困ったものですね」
「ええ、本当に」
「ああ……そういえば」
その程度の会話でわたしは済ませるつもりでしたけれど、どうやら彼の方はそうではなかったみたいですね。また何かを企んでいるのか、それともただの退屈しのぎか……どちらであろうとも、そうですね、たまにはこういう遊びの乗ってみるのも悪くないかもしれません。
「喜緑さんは書記ですが、生徒会の執行部筆頭でもありましたね」
「そうです」
「いかがでしょう? 喜緑さんの方からも、会長にSOS団に部費を考慮するように進言していただけないでしょうか」
「あら」
なかなか面白いことを言い出しましたね。わたしを懐柔しようとでも言うのでしょうか。それとも別の思惑があるとでも?
「難しいことをおっしゃいますね。わたしは立場的にはあなた方と敵対している……ということになってますでしょう? あなた方の肩を持つような発言は、控えた方が無難ですね」
「それはそうですが、しかしそろそろ何かしらのアクションが欲しいところではありますね。その際、僕が思うに喜緑さんが適任だと思いますよ? 以前にもSOS団に依頼をしてきた経緯もありますから」
「残念ながら、表舞台に立とうとは思いません」
まとめ終わった議事録を書棚に戻しながら、わたしは首を横に振ります。口に出した理由もありますが、むざむざと古泉さんの手駒になる気は毛頭ございませんもの。
「ん」
ふと、窓の外に目を向けると飛び込んできた二人組の姿。あらあら、時既にということでしょうか。
「もし、涼宮さんのことで何かをお考えなら、もう遅いかもしれません」
「と、言いますと?」
「窓の外をご覧になれば、お分かりになるんじゃないでしょうか」
わたしの言葉に誘われ、窓辺に立った古泉さんもそれに気づいたようです。口元をわずかにゆるめ、微笑んでいらっしゃいますもの。
「最近は、彼のおかげで涼宮さんも退屈しなくて助かりますが……僕の出番も少なくなって、やや寂しくもありますね」
その気持ちも、わからなくはないんです。表舞台に立つ人が舞台装置まで作り上げてしまえば、裏方は立つ瀬がありませんものね。
ああ……それなら。
「出来上がっているシナリオに一言だけでもト書を加えると、まったく別の物語になることって……たま~にありますね」
「……ありますね」
わたしの言葉に、古泉さんも納得の笑みを浮かべています。こういう場合、同じ裏方同士だと話が早くて助かりますね。
ああ、念のために申しておきますけれど、わたしや古泉さんが何かをする、というわけではありませんよ。先に申しましたように、出来上がっている台本に一言書き加えるだけです。そのセリフを言うのは……わたしたちしかおりませんけれども。
うふふふふ。
つづく
第一話:喜緑さん、企む
例えば舞台で繰り広げられる喜劇を見るときに、皆様はどこをご覧になるでしょう。大半は舞台で演じている役者さんなのでしょうね。でも中には、衣装や舞台に目を向ける方もいるのではないでしょうか。
わたしは、どちらかと言えばその少数派です。目を引くものよりも、その裏で活躍している方たちの働きに興味があります。
表舞台で活躍する人は、裏で力を注ぐ人たちがいるからこそ輝ける。逆を言えば、裏で活躍する人たちが手を抜くことで、表に立つ人は輝きが鈍る。ですから、表に立つ人を生かすも殺すも裏方次第。そんなところが楽しいと思いませんか?
わたしはそう思います。そしておそらく、この人もわたしと同じ気持ちなのかもしれません。
「どうかなさいましたか?」
ちらりと向けたわたしの視線にすぐに気づいた古泉さんは、生徒会室のパイプ椅子に座り、まだ戻らない会長を待ち続けています。タテマエは「SOS団に部費を出してもらえるように交渉する」とのことでしたが、その本心がどこにあるのか……探らないのが礼儀でしょうか。
「まだお待ちになりますか? 会長がこの時間までここにいらっしゃらないということは、今日は来ないかもしれません」
「そうですか。困ったものですね」
「ええ、本当に」
「ああ……そういえば」
その程度の会話でわたしは済ませるつもりでしたけれど、どうやら彼の方はそうではなかったみたいですね。また何かを企んでいるのか、それともただの退屈しのぎか……どちらであろうとも、そうですね、たまにはこういう遊びの乗ってみるのも悪くないかもしれません。
「喜緑さんは書記ですが、生徒会の執行部筆頭でもありましたね」
「そうです」
「いかがでしょう? 喜緑さんの方からも、会長にSOS団に部費を考慮するように進言していただけないでしょうか」
「あら」
なかなか面白いことを言い出しましたね。わたしを懐柔しようとでも言うのでしょうか。それとも別の思惑があるとでも?
「難しいことをおっしゃいますね。わたしは立場的にはあなた方と敵対している……ということになってますでしょう? あなた方の肩を持つような発言は、控えた方が無難ですね」
「それはそうですが、しかしそろそろ何かしらのアクションが欲しいところではありますね。その際、僕が思うに喜緑さんが適任だと思いますよ? 以前にもSOS団に依頼をしてきた経緯もありますから」
「残念ながら、表舞台に立とうとは思いません」
まとめ終わった議事録を書棚に戻しながら、わたしは首を横に振ります。口に出した理由もありますが、むざむざと古泉さんの手駒になる気は毛頭ございませんもの。
「ん」
ふと、窓の外に目を向けると飛び込んできた二人組の姿。あらあら、時既にということでしょうか。
「もし、涼宮さんのことで何かをお考えなら、もう遅いかもしれません」
「と、言いますと?」
「窓の外をご覧になれば、お分かりになるんじゃないでしょうか」
わたしの言葉に誘われ、窓辺に立った古泉さんもそれに気づいたようです。口元をわずかにゆるめ、微笑んでいらっしゃいますもの。
「最近は、彼のおかげで涼宮さんも退屈しなくて助かりますが……僕の出番も少なくなって、やや寂しくもありますね」
その気持ちも、わからなくはないんです。表舞台に立つ人が舞台装置まで作り上げてしまえば、裏方は立つ瀬がありませんものね。
ああ……それなら。
「出来上がっているシナリオに一言だけでもト書を加えると、まったく別の物語になることって……たま~にありますね」
「……ありますね」
わたしの言葉に、古泉さんも納得の笑みを浮かべています。こういう場合、同じ裏方同士だと話が早くて助かりますね。
ああ、念のために申しておきますけれど、わたしや古泉さんが何かをする、というわけではありませんよ。先に申しましたように、出来上がっている台本に一言書き加えるだけです。そのセリフを言うのは……わたしたちしかおりませんけれども。
うふふふふ。
つづく
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★無題
NAME: クロトシ
新しい日がやってきたと同時に読みにきました。まだ捕捉も終わってないのに(ぉ
仕組みについては「それほど無茶ではない」というコメントと水曜日の長門のを読んでからなんとな~く思ってました。なんとな~くですけどね…。
明日はちょっとご無沙汰だった長編ですね。楽しみです。
仕組みについては「それほど無茶ではない」というコメントと水曜日の長門のを読んでからなんとな~く思ってました。なんとな~くですけどね…。
明日はちょっとご無沙汰だった長編ですね。楽しみです。
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
毎日捕捉御苦労さまであります(`Д´)ゞ
長門さんのカレー話でピンとくるとはなかなか鋭いですな。
そして明日の長篇は、そういえば朝倉さん登場からの続きということで。淡々と大活躍ですよ! タブン
長門さんのカレー話でピンとくるとはなかなか鋭いですな。
そして明日の長篇は、そういえば朝倉さん登場からの続きということで。淡々と大活躍ですよ! タブン
★無題
NAME: I
どうりで6刀流なんて真似が出来るわけだ…!w
しかしそれでもこの大人数を捌ききろうとする姿勢はつくづく惚れてしまいますね。
しっかし喜緑さんはホント策士系で完全に固まってるなぁ!古泉との取り合わせは決してありえなくはない故にフィット、されど新鮮。来週からの2週目に期待大です。もちろん初恋もw
しかしそれでもこの大人数を捌ききろうとする姿勢はつくづく惚れてしまいますね。
しっかし喜緑さんはホント策士系で完全に固まってるなぁ!古泉との取り合わせは決してありえなくはない故にフィット、されど新鮮。来週からの2週目に期待大です。もちろん初恋もw
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
こうやって捌けるのも、それぞれキャラが立っている原作あればこそ、ですね~。そうでもなければ、ごっちゃになってよくわからない話になりそうです。
今回の喜緑さんは、もうトコトン腹黒系で行ってしまおうかと。どこまで腹黒くなるかわかりませんが。
今回の喜緑さんは、もうトコトン腹黒系で行ってしまおうかと。どこまで腹黒くなるかわかりませんが。
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:やったああ
ここであれです、古泉くんとの頭脳戦が勃発ですよ!
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