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DATE : 2007/05/13 (Sun)
4/27から投票所を設けていた結果が出ました。こんな感じ(↓)であります。

投票結果

さすがにウチのBLOGに来ている方の中で「読まない」って人はいらっしゃらないですね。でも、未読の方が全体の16.3%もいるのはびっくり。もしや「驚愕」がすぐに出るからそれまで待ちの状態なんでしょうか?
うーん、となると、今後もしばらくは分裂ネタのあり・なしの表記があったほうがいいかもですねー。SSも、オムニバスみたいにヒロイン一人に絞った短篇がいいのかな? どちらにしろ、分裂ネタが絡む時は表記するようにします。

で、今日のSSも、そんな【分裂ネタあり】なんです。ゴメンチャイ。


【Rain such as tears reverse】two

 こう見えても──などと言えば、普段自分は他人からどのように見られているんだとツッコミたくもあるが──俺には意外な特技がある。それがどんな特技かと問われれば、他人の髪を手際よくまとめ上げられる特技だ。
 …………。
 まぁ、そこでドン引きされても、そうなのだから仕方がない。どうして俺がそんな特殊スキルを身につけたのかと言えば、妹のせいだ。
 あいつがまだ小さいころ、自分で髪をまとめあげることが出来なかったので、親がいないときは俺が代わりにまとめてやっていた。今では自分でちゃんとセットできるようだが、やれと言われたら、十把一絡げの美容師程度には髪をセットしてやることはできる……と思う。
 もっとも、そんなスキルはあってもなくても実生活で困らないし、知り合いの女性とて、わざわざ俺に「髪をまとめて」と言ってくることもない。
 有効性ゼロのこのスキルは、凡人らしい俺にぴったりの技能だし、あって得した、とか、ピンチに助かった、などと、そんな画期的な技でないことだけは確かだ。故に今の今まで誰かに公言したこともないし、自慢したこともない。胸を張れるような特技ではないので、自慢しなくて正解だったと思っている。
 なのに何故、自分でも特技とは言い難いスキルについて思い出しているのかと言えば、今朝から降り続く雨のせいだろう。
 どこかへ出かけようとしていた妹が、どうにも髪のセットに手間取っていたようで、久しぶりに俺にまとめるようにせがんできた。そんな手間のかかることでもないのでまとめてやったら、妙に感心されて、どうやらこの技能はそこそこ自信を持っていいものだ、とそれで判明したわけだ。
 しょうもないことこの上ない。そんなくだらないことを考えている暇があれば、さっさと家を出て公園に行かなければならん。この雨の中、土曜日の今日は市内不思議探索が決行される。せめて雨天中止にしてくれと言いたいところだが、ハルヒ曰く「今まで晴れの日ばっかり捜してたから見つからないのよ! 雨の日も行うべきだわ!」と息巻いていたのでこうなった。勘弁してくれ。
 雨の中、傘を差してため息混じりに集合場所へと向かう。傘を差して自転車に乗るわけにもいかず、いつもより早く家を出なければならないのが、雨の日の憂鬱さ加減に拍車をかける。と、そんなメランコリック気分を倍増させるものと、公園へ向かう道中に遭遇した。
 差した傘からはみ出るほどの幅広い波打つ髪の後ろ姿は、周防九曜に違いない。見たところ、どうやら一人のようだが、あいつが一人でふらふらとアテもなく彷徨う姿は、ちょっとしたホラーかもしれないな、と思う。
 って、あいつは本当にどこへ向かうつもりだ? このまま真っ直ぐ進めば、SOS団が集合場所にしている公園に行き着くことになる。そこにはおそらく長門もいるだろうし、となればこの二人が遭遇することは間違いない。
 それだけは、断固回避すべきだと思った。長門と九曜の邂逅は、あまりよろしくない出来事に発展しそうな気がしてならない。
「おい、九曜」
 こっちからコンタクトを取るのは躊躇われるが、長門と接触させるのを回避させるためと思えば仕方がない。いつも人の話を聞いているのかわからんヤツだが、呼びかけに応じて足を止めた。ちゃんと聞こえてはいるらしい。
 俺の姿を目に留めて、上から下までをトレースするように視線を這わせた後、こちらの目に視線を固定して動かない。妙なプレッシャーをかけられているような気になるのは、決して気のせいじゃないと思いたい。
「あー……どこに行くんだ?」
 問うと、眠気を催すような緩慢な動作で腕を動かして公園方向を指さし、これまたまったりした動作で腕を降ろした。
「何のために?」
「────床屋────……」
 床屋かよ。美容院じゃなくて床屋なのか。別に床屋をバカにしているわけではないが、健全な女子高校生ともなれば、そろそろ美容院に行ってもいいんじゃないかと思う。かと言って、俺には美容院と床屋の違いがイマイチ分かってないからどっちでもいい、とも思ってるわけだが……どちらにしろ、さすがにその無駄に長い髪をどうにかしようと考えていたのか。
 確かに少しは切った方がいいと思う。濡れていないようにも見えるが、傘の守備範囲からはみ出すほどの髪の量はさすがに多すぎだ。が……何も今これからじゃなくたっていいだろう。このまま真っ直ぐ進めば長門と遭遇するじゃないか。
「待て待て、何も今から髪を切りに行く必要はない。その長い髪も悪いもんじゃないぞ」
「────邪魔──なの──……」
 ああ、そうだな。それは見ていてもそう思う。思うが、だからって今から床屋に……って言うよりも、この道を真っ直ぐ進むのはよろしくない。
「わかった、少し待ってろ」
 とにかく、その髪が邪魔にならなければいいんだろ? だったらまとめればいい。九曜をその場に待たせて近くのコンビニに駆け込んだ俺は、一番安い髪留めのゴムを購入した。長門と九曜が遭遇するような事態を避けられるなら、百円くらいの出費は安いもんだ。
「ほら、髪をまとめてやるから少しおとなしくしてろ」
 さすがに髪の量が膨大すぎるので十回巻きくらいのお団子を作っても、それなりの長さのポニーテールになっちまったが……まぁいいだろう。
「これでどうだ? 邪魔にならんだろ。とにかく、今日はこのまま回れ右で家に帰ってくれ。ここから先には進むな」
 命令というよりはお願いだ。そう懇願すると、九曜はしばらく俺を睨み、まとめられた髪の感触を確かめて納得したのか、首を縦に振って公園とは逆方向に向かって去っていった。
 どうやら地球滅亡の危機は回避できたらしい。無駄なスキルがこんな形で役に立つとは思わなかった……が、ここでこんな無駄な時間を費やしたせいで、結局集合時間に遅れちまった。
 相も変わらず、俺の財布の中から喫茶店のお茶代は徴収されたのは──言うまでもないことだろう。

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★無題
NAME: ron
九曜のポニーテール…
これは想像が難しいぞ!
2007/05/13(Sun)22:17:48 編集
誰か絵心のある優しい人が、ビジュアル化してくれることを共に祈りましょう!
【2007/05/14 05:11】
★無題
NAME: al
分裂は「読んで無いけどネタバレは気にしない」に投票を入れたものですが、
分裂どころかまだ「消失」も読んでません。
でも大まかなキャラ設定はどこかでチラホラ判りますし、
あとはもう、とにかく面白いのを読みたいだけなので
巡り巡ってこちらに日参している次第です。
や、邪道と罵られようがそんなサイト閲覧者もいますよ、って話で。
2007/05/13(Sun)22:33:54 編集
今回のアンケートは、いつまで分裂ネタありの表記をすればいいのかなー、っと思い立ってのアンケートですので、あまり深い意味はなかったりします。いちおう、今後のSSで分裂ネタありなしの配分を気にするかもしれませんが。
でもあれです、ウチだとSSに原作ネタを盛り込むことが多々ありますので、原作を読めばより楽しめるかもしれません。お暇があれば、是非原作も読んでみてくださいw
【2007/05/14 05:15】
★無題
NAME: ゆんゆん。
最初のキョンくんのスキルを見て…コレハ!!!もしや九曜さんでは!?と思ったら思ったとおりシメシメ(#^.^#)って髪型が違ったですよぉwというかあの髪をお団子にしてポニーですか…可愛らしいイメージがd(ゝω・*)両側にツインも意外とイケソウですよねwぁーでもそれだと微妙に顔にかかっちゃうかもですね...でも後ろに流せば大丈夫ですよねヽ(*´∀`)ノ
2007/05/14(Mon)00:01:54 編集
いやー、原作にない設定を付けるのはどうかとも思ったんですが、九曜さんを絡ませるにはこうするくらいしか思い浮かばず(;´Д`)
でも、個人的にですが、なんとなくキョンくんはそういうことが出来そうな気がしてならないですw
【2007/05/14 05:16】
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