category: 日記
DATE : 2007/05/12 (Sat)
DATE : 2007/05/12 (Sat)
1日中、PCのモニタを眺めていると目が疲れますネ。どんどん視力が低下していくような気がします。
使用している眼鏡も、なんだか度が合わなくなってきているのか、車の運転をしていても標識が見えなかったりして大変。嗚呼、そろそろ交換しなければ……。
そんな感じで、今日のSSは【分裂ネタあり】の、例のアレです。
使用している眼鏡も、なんだか度が合わなくなってきているのか、車の運転をしていても標識が見えなかったりして大変。嗚呼、そろそろ交換しなければ……。
そんな感じで、今日のSSは【分裂ネタあり】の、例のアレです。
【Rain such as tears reverse】one
雨の日が多くなるのは梅雨時だが、雨はその季節にしか降らないわけじゃない。冬場でも雨は降るし、夏でも降るときは降る。
その日は午後から雨が降り出した。別に梅雨時ってわけでもなく、気象条件が雨の降る状態とピッタリ合致したから雨が降ったんだろう。こればっかりは世の中の仕組みとして成り立っているもので、ハルヒのトンデモパワーは関係ない……と思う。
「別に天気のことで文句を言うつもりもないわ。あたしとしては、晴れでも雨でもどちらでもよかったんですから」
「そういうクセに、どこか不機嫌そうだな」
「だって……!」
と、妙に荒げた声を出す橘だったが、すぐに思い直したのか、嘆息混じりに声のトーンを落とした。
「そんなこと、ないです」
どちらにしろ、その声は気落ちしているとしか思えないんだけどな。ま、そう言うのであれば、無駄なツッコミを入れる必要はない。俺だって、雨だろうが晴だろうがどちらでもよくなったんだ、こいつの呼び出しがあった時点でな。
「それで、佐々木がどうかしたのか?」
雨宿りをしながらそぞろに帰宅して行く人の流れを見ながら、俺は肝心の用件を切り出した。
つまり、俺が橘なんぞと一緒にいるのかと言えば、こいつに呼び出されたからに他ならない。
順を追って説明すれば、今日は花火大会が開催される日だった。俺もハルヒたちと一緒に花火大会に行く予定を立てていたわけだが、そこに橘から連絡があったんだ。
佐々木のことで重要な話がある、と。
えらく真面目な声音だったもんだから、俺はハルヒたちとの花火大会鑑賞を辞退して、橘の呼び出しに応じたわけだ。
そうして現れた橘は浴衣姿だった。いったい何を考えているのかさっぱりだが、どうやら花火でも見ながら話を、って考えていた風でもある。
だが、午後になって急に天気が崩れて雨になり、花火大会は延期。そして今に至る、と言うわけさ。
こうなると、俺がハルヒたちとの花火大会を辞退したせいで雨になったのか? なんて考えずにはいられない。それも確証がないので何とも言えないが……どちらにしろ、橘の呼び出しがあった時点でのんびり花火を鑑賞する気分ではなくなっていた。蒸し暑い夜の雨で、不快指数もぐんぐん上昇中だ。さっさと話を済ませて帰りたいってのが本音さ。
にもかかわらず、当の橘は。
「……あー……えっと、それは、そのぅ……」
随分と歯切れの悪い態度を見せている。
そんな言いよどむようなことでもあるのか? 何か妙だな。
こいつはSOS団で言うところの、古泉のポストにいるヤツだろ? ってことは、佐々木の精神分析家的な役割も兼ね備えていたっておかしくない。だから、佐々木の内面で何かしらのモヤモヤがあるのかと思っていたが……どうも橘の態度を見ていると、そういうことではなさそうだ。なら佐々木の内面とは別に、何かしらの問題が発生したのかと考えたが、ここ最近に見た佐々木は、いつもと同じだったと思う。
ってことは……。
「もしかして、佐々木のことで重要な話が~……ってのは、嘘か?」
「えっ!? あ、ううん。それは、そのぅ……」
口ではどんなに否定しても、その狼狽っぷりを見れば一目瞭然じゃないか。
はぁ~……やれやれ。これは「だまされた!」と怒るべきところなのか、はたまた嘆くところなのかわからないが、どちらにしろ無駄足だったことは間違いない。
「どういうつもりだ。俺をハルヒたちから離して、何をやらかそうってんだ」
「そんな、何かを企んでいるとか、そういうことじゃないの。ただ、そのぅ……」
分が悪くなった橘は、急にモジモジし始めて上目遣いで睨んでくる。そんな目つきで許せるのは朝比奈さんくらいだ。おまえにそんな目つきをされて許せるほど、俺はそこまで優しい人間じゃないぞ。
「ただ? なんだよ」
「花火を……」
「花火?」
「…………」
なんだってんだ? まったく意味がわからん。俺を呼び出したことと花火と、どんな関係があるのか詳しく聞かせてもらいたいところだ。
にもかかわらず、橘は俯いたまま、時折俺の姿を盗み見るかのようなチラ見をしてくるだけ。これ以上は時間の無駄だと判断しても、間違いじゃないだろう。
「もういい。二度とこんな真似をするな」
「ごめんなさい……」
まったく……なんだかなぁ。厚顔無恥にも逆ギレしてくると少なからず思っていただけに、こうも素直に謝罪してくるとは拍子抜けだ。
「花火は来週に延期だそうだ。わざわざ俺にハルヒとの約束を反故させてまで駆けつけるような、画期的な用件をそれまでに考えといてくれ」
などと、なんで俺がそんなことを言ったのかわからない。もしかすると、気落ちしているような橘に、無意識的に同情しての言葉かもしれないし、違うかもしれない。
ただ、俺がそういうと橘は伏せていた顔を上げて、妙に生き生きした視線を向けてきた。
「わかりました。来週また、呼び出しますから覚悟しておいてください」
やけに挑戦的だ。どうやら俺の一言は、橘に無駄な闘争心の炎を灯したらしい。
こんなことになってから「また来週も雨になれば」と考えたのは……やれやれ、後の祭りだな。
〆
雨の日が多くなるのは梅雨時だが、雨はその季節にしか降らないわけじゃない。冬場でも雨は降るし、夏でも降るときは降る。
その日は午後から雨が降り出した。別に梅雨時ってわけでもなく、気象条件が雨の降る状態とピッタリ合致したから雨が降ったんだろう。こればっかりは世の中の仕組みとして成り立っているもので、ハルヒのトンデモパワーは関係ない……と思う。
「別に天気のことで文句を言うつもりもないわ。あたしとしては、晴れでも雨でもどちらでもよかったんですから」
「そういうクセに、どこか不機嫌そうだな」
「だって……!」
と、妙に荒げた声を出す橘だったが、すぐに思い直したのか、嘆息混じりに声のトーンを落とした。
「そんなこと、ないです」
どちらにしろ、その声は気落ちしているとしか思えないんだけどな。ま、そう言うのであれば、無駄なツッコミを入れる必要はない。俺だって、雨だろうが晴だろうがどちらでもよくなったんだ、こいつの呼び出しがあった時点でな。
「それで、佐々木がどうかしたのか?」
雨宿りをしながらそぞろに帰宅して行く人の流れを見ながら、俺は肝心の用件を切り出した。
つまり、俺が橘なんぞと一緒にいるのかと言えば、こいつに呼び出されたからに他ならない。
順を追って説明すれば、今日は花火大会が開催される日だった。俺もハルヒたちと一緒に花火大会に行く予定を立てていたわけだが、そこに橘から連絡があったんだ。
佐々木のことで重要な話がある、と。
えらく真面目な声音だったもんだから、俺はハルヒたちとの花火大会鑑賞を辞退して、橘の呼び出しに応じたわけだ。
そうして現れた橘は浴衣姿だった。いったい何を考えているのかさっぱりだが、どうやら花火でも見ながら話を、って考えていた風でもある。
だが、午後になって急に天気が崩れて雨になり、花火大会は延期。そして今に至る、と言うわけさ。
こうなると、俺がハルヒたちとの花火大会を辞退したせいで雨になったのか? なんて考えずにはいられない。それも確証がないので何とも言えないが……どちらにしろ、橘の呼び出しがあった時点でのんびり花火を鑑賞する気分ではなくなっていた。蒸し暑い夜の雨で、不快指数もぐんぐん上昇中だ。さっさと話を済ませて帰りたいってのが本音さ。
にもかかわらず、当の橘は。
「……あー……えっと、それは、そのぅ……」
随分と歯切れの悪い態度を見せている。
そんな言いよどむようなことでもあるのか? 何か妙だな。
こいつはSOS団で言うところの、古泉のポストにいるヤツだろ? ってことは、佐々木の精神分析家的な役割も兼ね備えていたっておかしくない。だから、佐々木の内面で何かしらのモヤモヤがあるのかと思っていたが……どうも橘の態度を見ていると、そういうことではなさそうだ。なら佐々木の内面とは別に、何かしらの問題が発生したのかと考えたが、ここ最近に見た佐々木は、いつもと同じだったと思う。
ってことは……。
「もしかして、佐々木のことで重要な話が~……ってのは、嘘か?」
「えっ!? あ、ううん。それは、そのぅ……」
口ではどんなに否定しても、その狼狽っぷりを見れば一目瞭然じゃないか。
はぁ~……やれやれ。これは「だまされた!」と怒るべきところなのか、はたまた嘆くところなのかわからないが、どちらにしろ無駄足だったことは間違いない。
「どういうつもりだ。俺をハルヒたちから離して、何をやらかそうってんだ」
「そんな、何かを企んでいるとか、そういうことじゃないの。ただ、そのぅ……」
分が悪くなった橘は、急にモジモジし始めて上目遣いで睨んでくる。そんな目つきで許せるのは朝比奈さんくらいだ。おまえにそんな目つきをされて許せるほど、俺はそこまで優しい人間じゃないぞ。
「ただ? なんだよ」
「花火を……」
「花火?」
「…………」
なんだってんだ? まったく意味がわからん。俺を呼び出したことと花火と、どんな関係があるのか詳しく聞かせてもらいたいところだ。
にもかかわらず、橘は俯いたまま、時折俺の姿を盗み見るかのようなチラ見をしてくるだけ。これ以上は時間の無駄だと判断しても、間違いじゃないだろう。
「もういい。二度とこんな真似をするな」
「ごめんなさい……」
まったく……なんだかなぁ。厚顔無恥にも逆ギレしてくると少なからず思っていただけに、こうも素直に謝罪してくるとは拍子抜けだ。
「花火は来週に延期だそうだ。わざわざ俺にハルヒとの約束を反故させてまで駆けつけるような、画期的な用件をそれまでに考えといてくれ」
などと、なんで俺がそんなことを言ったのかわからない。もしかすると、気落ちしているような橘に、無意識的に同情しての言葉かもしれないし、違うかもしれない。
ただ、俺がそういうと橘は伏せていた顔を上げて、妙に生き生きした視線を向けてきた。
「わかりました。来週また、呼び出しますから覚悟しておいてください」
やけに挑戦的だ。どうやら俺の一言は、橘に無駄な闘争心の炎を灯したらしい。
こんなことになってから「また来週も雨になれば」と考えたのは……やれやれ、後の祭りだな。
〆
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[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
ronさんにはTFEI三人娘がいるじゃないですか( ´∀`)σ)´Д`)
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
橘さん相手だと、キョンくんのツンっぷりに苦労しちゃいます(;´Д`)
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