category: 日記
DATE : 2007/11/15 (Thu)
DATE : 2007/11/15 (Thu)
とりあえず、SS更新……ですが、なんか駆け足で書いたもので文章のリズムがけっこうぐちゃぐちゃです。これはもう、まとめるときに直すということで。
ちょーネムイ上にみょーにやることあるので、簡潔にこんな感じで。ではまた明日!
ちょーネムイ上にみょーにやることあるので、簡潔にこんな感じで。ではまた明日!
前回はこちら
涼宮ハルヒの信愛:四章-b
「見つけた? 見つけたって何を……」
誰もが思うであろう当たり前の疑問を、俺が代表して問いかけてはみたももの、長門はそれには答えず、代わりにテープの十倍速のような、並の人間では真似できないような早口で何かを呟いた。
「あ……」
不意に漏れる吐息のような声をこぼして、佐々木がくにゃりと長門に倒れ込んだ……っておい、何してんだ!?
「眠らせた」
「だから、何でそんなことを」
「彼女がノイズだから」
「……さっきもそう言ってたが、ノイズって何だ?」
「彼女たちに下意識レベルでの同位が考えられる」
俺にはまるで理解できないようなことを口にして、長門は眠らせたという佐々木を俺に預けて来た。そんな佐々木の顔を覗き込めば、これは単純に眠っているというよりも、麻酔か何かを嗅がされてるような、気絶に近い眠り方のように思う。軽く揺すったくらいじゃ目を覚ましそうにない。
なんで長門がこんな真似をしたのかさっぱりだが、かといって俺に預けられても困る。
「申し訳ありません、朝比奈さん。佐々木さんが横になれる場所を用意するように看護師へ伝えて来てくださいませんか?」
「え? あ……はい」
俺の困惑に気付いたのか、古泉が朝比奈さんを相手にそんなことを言い出した。そんなことは俺がやってもよかったんだろうが、この中で長門の話を聞いても聞かなくてもいいのは、おそらく朝比奈さんだけだろうから仕方がない。
俺から佐々木を預かった朝比奈さんは、どこか困惑した面持ちで病室から出て行った。
「それで長門さん、詳しく説明していただけませんか?」
長門の短い説明で理解できていないのは、古泉も同じのようだ。
「下意識というと、無意識の一歩手前……意識しなければ思い出せない状況だと記憶していますが、そのレベルでの同位とは、どういうことなのでしょう」
「その言葉の意味で間違いない」
「つまり……ほぼ無意識の状態で涼宮さんと佐々木さんは同位の存在である……と、そういうことなのでしょうか」
「そう」
古泉の問いかけにそう答えた長門は、「考え得る最も高い可能性であるが」と前置きをして、さらに言葉を続けた。
「わたしが見ていた涼宮ハルヒの情報には、彼女が創造した情報とは類似性がある別種のノイズが混じっていた。二人は表層的には別の存在だが、能力は極めて類似……あるいは同一のものであり、内包する情報で認識すれば、その差異は限りなくゼロに近い。故に涼宮ハルヒの能力に呼応して彼女の能力も活性化する」
「活性化? なんでそうなるんだ」
「類似する存在は共鳴する」
共鳴……って、そういえば九曜も似たようなことを口走ってたな。あいつが言うには共振……だったか? 英語で言えばresonanceで同じものだ。つまり、ハルヒか佐々木のどちらかが発した情報フレアに、もう片方が揺り動かされて……こんなことになった?
「そう。でも、彼女には涼宮ハルヒほどのキャパシティはない。このままではいずれ、破綻する」
「破綻……どうなるんだ?」
「解らない。未知の領域」
長門にも解らないことか。もともとハルヒの能力は意味不明なものだから、何がどうなるのか、そりゃ確かに解らないだろうさ。前例もなにもあったもんじゃない。
「しかし」
と、長門の言葉に異を唱えたのは古泉だった。
「長門さんの理屈ではそうなのでしょうが、僕……いえ、『機関』にとって涼宮さんが作り出すのは情報フレアではなく閉鎖空間です。しかしここ最近、涼宮さんは閉鎖空間を作り出していない。それが長門さんの言う情報フレアど同義であるのか解りませんが、何も変化はありません」
「変化はある。ただ、それをあなたが認識できないだけ」
「それはあり得ない。閉鎖空間が発生すれば、僕には解るんです。理屈ではなく、直感的に認識できるのですよ」
「閉鎖空間はこの世界に発生していない……と思われる。発生しているとすれば、彼女の内面世界である可能性が濃厚」
「……あっ」
橘に連れられて佐々木が作り出しているという閉鎖空間の中で見た黒い塊……もしかして、あれがハルヒの作り出している閉鎖空間……なのか? まったく勝手が違うから、そうだと断言はできないが……長門の仮説が正しければ、あの黒い塊が怪しいのは間違いない。
「そうか……佐々木さんの閉鎖空間内に発生しているのであれば、僕では立ち入れない領域です。いわば存在しない世界なのですからね。存在しない場所で何が発生し、どのような事が起きていようとも、解らないのかもしれません」
通常の閉鎖空間はこの世界と僅かなズレで繋がってるんだったか? その繋がっている場所がこの世界にないのなら、その場所のエキスパートも手が出せないって理屈か……ん? いや、待てよ。
「……確か古泉、おまえが言うには、閉鎖空間がどんどん広がって、最後には世界が入れ替わる、なんてフザけたことを言ってたよな? もしそれが佐々木の閉鎖空間内で起きたらどうなるんだ?」
「入れ替わってしまうでしょう。この場合、佐々木さんが佐々木さんではなくなる……最悪、存在そのものが消失しかねませんね」
「だから眠らせた」
そんな理不尽極まりない話に、俺が怒鳴りつけるよりも先に長門がフォローを入れた。
「睡眠中にも涼宮ハルヒは閉鎖空間を作り出した前例はある。ただし、睡眠時の無意識下では外的要因による発生頻度は低下する。涼宮ハルヒが自発的に睡眠状態に陥ったのは、無意識に彼女がそのことを認識しているからと推測される」
「佐々木もか?」
「彼女は涼宮ハルヒに比べて願望の抑制に長けている。睡眠時には症状の進行を抑えられると判断して、わたしは眠らせた」
だからと言って、二人をこのまま眠らせ続けているわけにもいかない。なんとかしなけりゃならん。長門でさえ仮説でしか話せていないが、それでも考えられる原因は解ったんだ。ならあとは、長門の仮説が正しいのかどうかを確認し、そうであれば解決するしかない。
「どうすればいいんだ」
「方法は三つある」
長門はそう言って、指を三本立てて見せた。
「ひとつは、どちらか一方が犠牲になること」
立てた三本の指のうち、一本を折り畳みながらそう言うが、んなもん、大却下だ。
「次に、二人の力が共鳴した原因を取り除くこと」
でもそれがどうして起きたのか、長門にも解らないんだろ? それを実行するのは現実的とは思えない。
「最後に、閉鎖空間内に発生した涼宮ハルヒの閉鎖空間を消すこと」
それが一番現実的な方法か。あくまでも長門が挙げた三つの方法の中での話だが……冷静に考えれば、それも難しい話であることは間違いない。なにしろ……。
「涼宮さんの閉鎖空間であれば消すことはできますが、僕は佐々木さんの閉鎖空間内に立ち入ることはできません」
それができるのは橘だけだ。が、橘は橘でハルヒの閉鎖空間には手出しできないんだろう。そもそもあの黒い塊が何であるのか……現状でもハルヒの閉鎖空間であるかどうかは解らないが、現物を目の当たりにしている橘は、あれが何であるのか解っていなかったんだ。
「だから、」
長門が何かを言いかけたが、ふと口を閉ざした。眼差しだけを病室のドアに向けているのに気付いた俺は、つられてドアに目を向ける。まだ何も起きちゃいないが、頃合い的にそろそろ朝比奈さんが戻ってくるのかもしれない。
案の定、すぐにドアは開いた。ただ、そこにいたのは朝比奈さんでも看護師でもなく、「どうしてこいつらがここに?」と真っ先に思ってしまう意外な二人だ。
「んもうっ! 何なのですか、九曜さん。こんなところまで人を無理やり……あれ?」
「──────」
ドアを開いて現れたのは、長門が挙げた三つの解決方法のうち、もっとも現実的な方法を実践するために必要な橘と、そんな橘を連れてきた九曜だった。
つづく
涼宮ハルヒの信愛:四章-b
「見つけた? 見つけたって何を……」
誰もが思うであろう当たり前の疑問を、俺が代表して問いかけてはみたももの、長門はそれには答えず、代わりにテープの十倍速のような、並の人間では真似できないような早口で何かを呟いた。
「あ……」
不意に漏れる吐息のような声をこぼして、佐々木がくにゃりと長門に倒れ込んだ……っておい、何してんだ!?
「眠らせた」
「だから、何でそんなことを」
「彼女がノイズだから」
「……さっきもそう言ってたが、ノイズって何だ?」
「彼女たちに下意識レベルでの同位が考えられる」
俺にはまるで理解できないようなことを口にして、長門は眠らせたという佐々木を俺に預けて来た。そんな佐々木の顔を覗き込めば、これは単純に眠っているというよりも、麻酔か何かを嗅がされてるような、気絶に近い眠り方のように思う。軽く揺すったくらいじゃ目を覚ましそうにない。
なんで長門がこんな真似をしたのかさっぱりだが、かといって俺に預けられても困る。
「申し訳ありません、朝比奈さん。佐々木さんが横になれる場所を用意するように看護師へ伝えて来てくださいませんか?」
「え? あ……はい」
俺の困惑に気付いたのか、古泉が朝比奈さんを相手にそんなことを言い出した。そんなことは俺がやってもよかったんだろうが、この中で長門の話を聞いても聞かなくてもいいのは、おそらく朝比奈さんだけだろうから仕方がない。
俺から佐々木を預かった朝比奈さんは、どこか困惑した面持ちで病室から出て行った。
「それで長門さん、詳しく説明していただけませんか?」
長門の短い説明で理解できていないのは、古泉も同じのようだ。
「下意識というと、無意識の一歩手前……意識しなければ思い出せない状況だと記憶していますが、そのレベルでの同位とは、どういうことなのでしょう」
「その言葉の意味で間違いない」
「つまり……ほぼ無意識の状態で涼宮さんと佐々木さんは同位の存在である……と、そういうことなのでしょうか」
「そう」
古泉の問いかけにそう答えた長門は、「考え得る最も高い可能性であるが」と前置きをして、さらに言葉を続けた。
「わたしが見ていた涼宮ハルヒの情報には、彼女が創造した情報とは類似性がある別種のノイズが混じっていた。二人は表層的には別の存在だが、能力は極めて類似……あるいは同一のものであり、内包する情報で認識すれば、その差異は限りなくゼロに近い。故に涼宮ハルヒの能力に呼応して彼女の能力も活性化する」
「活性化? なんでそうなるんだ」
「類似する存在は共鳴する」
共鳴……って、そういえば九曜も似たようなことを口走ってたな。あいつが言うには共振……だったか? 英語で言えばresonanceで同じものだ。つまり、ハルヒか佐々木のどちらかが発した情報フレアに、もう片方が揺り動かされて……こんなことになった?
「そう。でも、彼女には涼宮ハルヒほどのキャパシティはない。このままではいずれ、破綻する」
「破綻……どうなるんだ?」
「解らない。未知の領域」
長門にも解らないことか。もともとハルヒの能力は意味不明なものだから、何がどうなるのか、そりゃ確かに解らないだろうさ。前例もなにもあったもんじゃない。
「しかし」
と、長門の言葉に異を唱えたのは古泉だった。
「長門さんの理屈ではそうなのでしょうが、僕……いえ、『機関』にとって涼宮さんが作り出すのは情報フレアではなく閉鎖空間です。しかしここ最近、涼宮さんは閉鎖空間を作り出していない。それが長門さんの言う情報フレアど同義であるのか解りませんが、何も変化はありません」
「変化はある。ただ、それをあなたが認識できないだけ」
「それはあり得ない。閉鎖空間が発生すれば、僕には解るんです。理屈ではなく、直感的に認識できるのですよ」
「閉鎖空間はこの世界に発生していない……と思われる。発生しているとすれば、彼女の内面世界である可能性が濃厚」
「……あっ」
橘に連れられて佐々木が作り出しているという閉鎖空間の中で見た黒い塊……もしかして、あれがハルヒの作り出している閉鎖空間……なのか? まったく勝手が違うから、そうだと断言はできないが……長門の仮説が正しければ、あの黒い塊が怪しいのは間違いない。
「そうか……佐々木さんの閉鎖空間内に発生しているのであれば、僕では立ち入れない領域です。いわば存在しない世界なのですからね。存在しない場所で何が発生し、どのような事が起きていようとも、解らないのかもしれません」
通常の閉鎖空間はこの世界と僅かなズレで繋がってるんだったか? その繋がっている場所がこの世界にないのなら、その場所のエキスパートも手が出せないって理屈か……ん? いや、待てよ。
「……確か古泉、おまえが言うには、閉鎖空間がどんどん広がって、最後には世界が入れ替わる、なんてフザけたことを言ってたよな? もしそれが佐々木の閉鎖空間内で起きたらどうなるんだ?」
「入れ替わってしまうでしょう。この場合、佐々木さんが佐々木さんではなくなる……最悪、存在そのものが消失しかねませんね」
「だから眠らせた」
そんな理不尽極まりない話に、俺が怒鳴りつけるよりも先に長門がフォローを入れた。
「睡眠中にも涼宮ハルヒは閉鎖空間を作り出した前例はある。ただし、睡眠時の無意識下では外的要因による発生頻度は低下する。涼宮ハルヒが自発的に睡眠状態に陥ったのは、無意識に彼女がそのことを認識しているからと推測される」
「佐々木もか?」
「彼女は涼宮ハルヒに比べて願望の抑制に長けている。睡眠時には症状の進行を抑えられると判断して、わたしは眠らせた」
だからと言って、二人をこのまま眠らせ続けているわけにもいかない。なんとかしなけりゃならん。長門でさえ仮説でしか話せていないが、それでも考えられる原因は解ったんだ。ならあとは、長門の仮説が正しいのかどうかを確認し、そうであれば解決するしかない。
「どうすればいいんだ」
「方法は三つある」
長門はそう言って、指を三本立てて見せた。
「ひとつは、どちらか一方が犠牲になること」
立てた三本の指のうち、一本を折り畳みながらそう言うが、んなもん、大却下だ。
「次に、二人の力が共鳴した原因を取り除くこと」
でもそれがどうして起きたのか、長門にも解らないんだろ? それを実行するのは現実的とは思えない。
「最後に、閉鎖空間内に発生した涼宮ハルヒの閉鎖空間を消すこと」
それが一番現実的な方法か。あくまでも長門が挙げた三つの方法の中での話だが……冷静に考えれば、それも難しい話であることは間違いない。なにしろ……。
「涼宮さんの閉鎖空間であれば消すことはできますが、僕は佐々木さんの閉鎖空間内に立ち入ることはできません」
それができるのは橘だけだ。が、橘は橘でハルヒの閉鎖空間には手出しできないんだろう。そもそもあの黒い塊が何であるのか……現状でもハルヒの閉鎖空間であるかどうかは解らないが、現物を目の当たりにしている橘は、あれが何であるのか解っていなかったんだ。
「だから、」
長門が何かを言いかけたが、ふと口を閉ざした。眼差しだけを病室のドアに向けているのに気付いた俺は、つられてドアに目を向ける。まだ何も起きちゃいないが、頃合い的にそろそろ朝比奈さんが戻ってくるのかもしれない。
案の定、すぐにドアは開いた。ただ、そこにいたのは朝比奈さんでも看護師でもなく、「どうしてこいつらがここに?」と真っ先に思ってしまう意外な二人だ。
「んもうっ! 何なのですか、九曜さん。こんなところまで人を無理やり……あれ?」
「──────」
ドアを開いて現れたのは、長門が挙げた三つの解決方法のうち、もっとも現実的な方法を実践するために必要な橘と、そんな橘を連れてきた九曜だった。
つづく
PR
●この記事にコメントする
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
共同戦線、と行きたいところですが、敵対関係にある人たちが協力しあったところで、果たして上手く行くのかどうか。ところで、藤原くんのこともたまには思い出してください( ´Д`)
忍者ブログ [PR]