category: 日記
DATE : 2007/03/22 (Thu)
DATE : 2007/03/22 (Thu)
といってもトイ・フィギュアのことではなく、アイススケートのフィギュアであります。
昨今、女子シングルの影響で認知度も上がっているようですが、自分はけっこう昔から見てました。ミュージカルやオペラなどのショウが好きな人なので、フィギュアも嫌いではありません。
近頃は女子シングルが人気ですけれど、個人的に見ていて楽しいと思うのは男子の方です。なので、前日のSPはなかなか楽しめました。物凄い大荒れな展開でしたけど。
本日のフリーも楽しみだったりします。
とまぁ、そんな前振りでお茶を濁す感じで。
今日はミヨキチさんです。
昨今、女子シングルの影響で認知度も上がっているようですが、自分はけっこう昔から見てました。ミュージカルやオペラなどのショウが好きな人なので、フィギュアも嫌いではありません。
近頃は女子シングルが人気ですけれど、個人的に見ていて楽しいと思うのは男子の方です。なので、前日のSPはなかなか楽しめました。物凄い大荒れな展開でしたけど。
本日のフリーも楽しみだったりします。
とまぁ、そんな前振りでお茶を濁す感じで。
今日はミヨキチさんです。
前回はこちら
【週刊吉村美代子】
わたしとお兄さん、それとお兄さんの知り合いの長門有希さんの三人は、遊園地内にある売店に設置されている丸テーブルで向かい合いながら座っていました。
これは、ええっと……どういう状況なんでしょうか。物凄く、微妙な空気なんです。
いえ、あまり険悪な雰囲気ってわけじゃないんですよ。長門さんはわたしに挨拶したっきりで、そのあとは一言も喋っていませんし、お兄さんはある種、観念したような面持ちです。かくいうわたしは、状況がいまいちわからなくて……ええっと、そもそも長門さんとお兄さんの関係って……?
「長門は……何て言うか、学校で同じ部活……じゃないな。同好会……でもないか、ともかく、同じ……仲間だな」
不思議顔をしていたわたしに、お兄さんがどこか歯切れ悪く説明してくれました。それってつまり……お兄さんが徹夜でお手伝いしていたのは、長門さんの頼み事だった……っていうことでいいのかしら?
「そういうわけなんだが……なぁ、長門。昨日のとは別件で来たんだろ?」
お兄さんがそう言っても、長門さんは何も反応しませんでした……が、お兄さんには何か見て取れたのか、またため息をひとつ。
「やっぱりそうか。何度も言うが、おまえの頼みでもそればっかりは無理だ……というか、嫌だ。どうして今になって俺が朝倉に会わなくちゃならないんだ? 平気だと言われても、二度も酷い目にあってるんだぞ。信じられるか」
朝倉さん……ですか。また、わたしも知らない人の名前が出てきちゃいました。
何かいろいろと込み入った事情がありそうですけど……あたしもどこまで聞いていいものかさっぱりで、ひとまず事の成り行きを見守るくらいしかない……んですけれど、えっと、さっきからずっと、長門さんがわたしを見てるんですけど。
「わかった」
と、お兄さんの言葉を受けて、長門さんが口を開きました。本当に、なんていうか、長門さんってお人形さんみたいであまり動かなくて……もしかして寝てるんじゃないかなって思っちゃったくらいで、喋ってちょっとビックリです。
それで何を言ったのかと言えば、
「まずは食事」
だそうで、わたしもお兄さんも肩すかしを食らった気分というか何というか……。
「……なんだって?」
「食事。売店のテーブルに腰掛けている以上、何か食べるべき」
確かにその通りです。かなり人がいっぱいいる遊園地で、運良くテーブルに腰掛けることができたんですもの。他のお客さんも座って食事とか摂りたいんじゃないかなって思いますし、そんな中でただ座ってるだけっていうのは、なんだか悪い気がします。
けど、なんかちょっと違うような気が……そういうこと、言っちゃダメなのかしら?
「あとで好きなだけ喰わせてやるから、」
「カレーでいい」
「…………」
「カレー」
「…………わかったよ。ミヨキチは何かいるか?」
「へ? あ、いえ、わたしは別に……」
急に聞かれて咄嗟に応えちゃいました。
お兄さんはそのまま、諦めた様子で長蛇の列が並ぶ売店へ行っちゃったんですけれど……あ、これってもしかして、わたしが買いに行った方がよかったのかもしれませんね。というのも、その……さっきからずっと、長門さんがわたしのことを見ていて……なんだかちょっと居心地が悪くて……。
「お願いがある」
そんな落ち着かない気分でいるわたしに向かって、長門さんは視線を固定させたまま、突然そんなことを言いました。
「……え?」
「あなたに朝倉涼子を連れてきてほしい」
なんてことを言われても、さすがにどう答えていいものか……。
「あなたにしか頼める人がいない」
「で、でも、わたしはその……朝倉さんって言う人のことは何も知りませんし……それに、事情もよくわからなくて。あの……その朝倉さんという方とお兄さんの間で、何があったんですか?」
本当はそんなことを聞いちゃダメなのかもしれません。だってそれは、お兄さんのプライベートなことじゃないですか。お兄さんの口から聞くなら、まだいいとは思いますけれど……でも、長門さんから聞いちゃうのは……なんて言うか、はしたないような気がするし。
でも、わたしに朝倉さんを捜して来てくれと言う長門さんのお願いを聞くのなら、やっぱり事情を知らないことには……それでも、躊躇いはありますけれど。
はしたない、っていうのもありますし、そもそもお兄さんが、その朝倉さんと会うのを嫌がってるみたいじゃないですか。だから、お兄さんが嫌がることに手を貸すのは……よほどの事情がない限り、ちょっと……。
「……若干の齟齬はあるが」
と、しばしの沈黙を経て、長門さんはそう前置きをしてから説明してくれました。
「彼と朝倉涼子は喧嘩をしている」
「ケンカ……ですか」
「わたしとしては、仲直りするのがいい、と判断している」
「はぁ……」
「そのためには、第三者の介入が最善だろう。特に朝倉涼子は彼以外の知人とも距離を置いているため、彼女のことを知らない人物に頼む以外に選択肢はない。あなたが最適」
「なる……ほど?」
そういうものなんでしょうか……?
「あの、ケンカの原因って何なんですか?」
「コミュニケーション不足によるすれ違い」
うー……んっと、それはつまり、ちょっと言葉が足りないことでケンカしちゃって互いに会うのを躊躇っている……ってことなんでしょうか。
確かにそういうことってよくありますよね。そんな時って、会わずにいると互いに嫌なこと考えてますます会いづらくなるものなんですけれど、会っちゃえば何事もなかったように仲直りできるんですよね。
「朝倉涼子は今、この遊園地内にいるはず。会わせることができれば、問題は解決する」
「そうですね。お兄さんのことだから、それで大丈夫だとは思います。で、でもあの、連れてくるのはいいんですけれど、わたし、会ったこともない人ですから、見つけられるかどうか……」
「朝倉涼子の特長と、現在の居場所を伝える」
そんなことを伝えられてもまだお手伝いするなんて……とは言っても、うーん、お兄さんがお友だちとケンカしたままでいるのは見過ごせないです……けれど。
「朝倉涼子は今、わずかに不安定な状態にある。わたしは、それも見過ごすことはできない」
そう言った長門さんは、あまり表情に変化はないんですけれど、でも確かにちょっと心配している風に感じられました。
「その朝倉さんは、長門さんの大切なお友だちなんですね」
「……かも、しれない」
それなら、お手伝いするしかないですよね。
〆
【週刊吉村美代子】
わたしとお兄さん、それとお兄さんの知り合いの長門有希さんの三人は、遊園地内にある売店に設置されている丸テーブルで向かい合いながら座っていました。
これは、ええっと……どういう状況なんでしょうか。物凄く、微妙な空気なんです。
いえ、あまり険悪な雰囲気ってわけじゃないんですよ。長門さんはわたしに挨拶したっきりで、そのあとは一言も喋っていませんし、お兄さんはある種、観念したような面持ちです。かくいうわたしは、状況がいまいちわからなくて……ええっと、そもそも長門さんとお兄さんの関係って……?
「長門は……何て言うか、学校で同じ部活……じゃないな。同好会……でもないか、ともかく、同じ……仲間だな」
不思議顔をしていたわたしに、お兄さんがどこか歯切れ悪く説明してくれました。それってつまり……お兄さんが徹夜でお手伝いしていたのは、長門さんの頼み事だった……っていうことでいいのかしら?
「そういうわけなんだが……なぁ、長門。昨日のとは別件で来たんだろ?」
お兄さんがそう言っても、長門さんは何も反応しませんでした……が、お兄さんには何か見て取れたのか、またため息をひとつ。
「やっぱりそうか。何度も言うが、おまえの頼みでもそればっかりは無理だ……というか、嫌だ。どうして今になって俺が朝倉に会わなくちゃならないんだ? 平気だと言われても、二度も酷い目にあってるんだぞ。信じられるか」
朝倉さん……ですか。また、わたしも知らない人の名前が出てきちゃいました。
何かいろいろと込み入った事情がありそうですけど……あたしもどこまで聞いていいものかさっぱりで、ひとまず事の成り行きを見守るくらいしかない……んですけれど、えっと、さっきからずっと、長門さんがわたしを見てるんですけど。
「わかった」
と、お兄さんの言葉を受けて、長門さんが口を開きました。本当に、なんていうか、長門さんってお人形さんみたいであまり動かなくて……もしかして寝てるんじゃないかなって思っちゃったくらいで、喋ってちょっとビックリです。
それで何を言ったのかと言えば、
「まずは食事」
だそうで、わたしもお兄さんも肩すかしを食らった気分というか何というか……。
「……なんだって?」
「食事。売店のテーブルに腰掛けている以上、何か食べるべき」
確かにその通りです。かなり人がいっぱいいる遊園地で、運良くテーブルに腰掛けることができたんですもの。他のお客さんも座って食事とか摂りたいんじゃないかなって思いますし、そんな中でただ座ってるだけっていうのは、なんだか悪い気がします。
けど、なんかちょっと違うような気が……そういうこと、言っちゃダメなのかしら?
「あとで好きなだけ喰わせてやるから、」
「カレーでいい」
「…………」
「カレー」
「…………わかったよ。ミヨキチは何かいるか?」
「へ? あ、いえ、わたしは別に……」
急に聞かれて咄嗟に応えちゃいました。
お兄さんはそのまま、諦めた様子で長蛇の列が並ぶ売店へ行っちゃったんですけれど……あ、これってもしかして、わたしが買いに行った方がよかったのかもしれませんね。というのも、その……さっきからずっと、長門さんがわたしのことを見ていて……なんだかちょっと居心地が悪くて……。
「お願いがある」
そんな落ち着かない気分でいるわたしに向かって、長門さんは視線を固定させたまま、突然そんなことを言いました。
「……え?」
「あなたに朝倉涼子を連れてきてほしい」
なんてことを言われても、さすがにどう答えていいものか……。
「あなたにしか頼める人がいない」
「で、でも、わたしはその……朝倉さんって言う人のことは何も知りませんし……それに、事情もよくわからなくて。あの……その朝倉さんという方とお兄さんの間で、何があったんですか?」
本当はそんなことを聞いちゃダメなのかもしれません。だってそれは、お兄さんのプライベートなことじゃないですか。お兄さんの口から聞くなら、まだいいとは思いますけれど……でも、長門さんから聞いちゃうのは……なんて言うか、はしたないような気がするし。
でも、わたしに朝倉さんを捜して来てくれと言う長門さんのお願いを聞くのなら、やっぱり事情を知らないことには……それでも、躊躇いはありますけれど。
はしたない、っていうのもありますし、そもそもお兄さんが、その朝倉さんと会うのを嫌がってるみたいじゃないですか。だから、お兄さんが嫌がることに手を貸すのは……よほどの事情がない限り、ちょっと……。
「……若干の齟齬はあるが」
と、しばしの沈黙を経て、長門さんはそう前置きをしてから説明してくれました。
「彼と朝倉涼子は喧嘩をしている」
「ケンカ……ですか」
「わたしとしては、仲直りするのがいい、と判断している」
「はぁ……」
「そのためには、第三者の介入が最善だろう。特に朝倉涼子は彼以外の知人とも距離を置いているため、彼女のことを知らない人物に頼む以外に選択肢はない。あなたが最適」
「なる……ほど?」
そういうものなんでしょうか……?
「あの、ケンカの原因って何なんですか?」
「コミュニケーション不足によるすれ違い」
うー……んっと、それはつまり、ちょっと言葉が足りないことでケンカしちゃって互いに会うのを躊躇っている……ってことなんでしょうか。
確かにそういうことってよくありますよね。そんな時って、会わずにいると互いに嫌なこと考えてますます会いづらくなるものなんですけれど、会っちゃえば何事もなかったように仲直りできるんですよね。
「朝倉涼子は今、この遊園地内にいるはず。会わせることができれば、問題は解決する」
「そうですね。お兄さんのことだから、それで大丈夫だとは思います。で、でもあの、連れてくるのはいいんですけれど、わたし、会ったこともない人ですから、見つけられるかどうか……」
「朝倉涼子の特長と、現在の居場所を伝える」
そんなことを伝えられてもまだお手伝いするなんて……とは言っても、うーん、お兄さんがお友だちとケンカしたままでいるのは見過ごせないです……けれど。
「朝倉涼子は今、わずかに不安定な状態にある。わたしは、それも見過ごすことはできない」
そう言った長門さんは、あまり表情に変化はないんですけれど、でも確かにちょっと心配している風に感じられました。
「その朝倉さんは、長門さんの大切なお友だちなんですね」
「……かも、しれない」
それなら、お手伝いするしかないですよね。
〆
PR
●この記事にコメントする
★無題
NAME: BPS
頑ななキョンと宥める長門さんっていつもと逆で新鮮な感じですね。
こちらの長門さんは人間味の出方が絶妙です。
一方キョンはいくら長門さんの保証付きでも嫌ですか、ミヨキチに頑張ってもらうしかないですね。
まぁミヨキチにとっては自分で恋敵を増やしてしまうという失策(ry
こちらの長門さんは人間味の出方が絶妙です。
一方キョンはいくら長門さんの保証付きでも嫌ですか、ミヨキチに頑張ってもらうしかないですね。
まぁミヨキチにとっては自分で恋敵を増やしてしまうという失策(ry
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
ミヨキチさん、まだ純真無垢な小学生ですから、あまり恋敵云々ってことには気づいていないご様子で( ̄ー ̄)
それでも頑張っちゃうのが、ミヨキチさんのいいところなんです。ううん、わからないけど、たぶんそう!
それでも頑張っちゃうのが、ミヨキチさんのいいところなんです。ううん、わからないけど、たぶんそう!
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
ミヨキチさんの長篇ですか! うーん、原作でもう少し表に出てくればいいのですが……新刊次第ということで、ここはひとつ!
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
人はそうやって成長するものなんですよ( ̄ー ̄)
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
異文化コミュニケーションは難しいものですからw
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
ボディーランゲージのことですね!(ぇ
忍者ブログ [PR]