category: 日記
DATE : 2007/03/29 (Thu)
DATE : 2007/03/29 (Thu)
別にこれだけって話じゃありませんが、つい先日、カプコンからこんな本が出ました。
戦国BASARA台本全集
戦国BASARA2台本全集
奥付見て、正直フイタ。
なんと言いますか、まさかそういうことになっていたとは、まったく聞いていなかったもので。
最近は書店でこの手の本の立ち読みができないんですよね。カバーが掛かっていて読めないようになっていて。なので、手にする機会がある人は、奥付にでも目を通してみると、面白い発見があるかもしれません。
そんな話はさておき。
今日はミヨキチさんの日でした。
戦国BASARA台本全集
戦国BASARA2台本全集
奥付見て、正直フイタ。
なんと言いますか、まさかそういうことになっていたとは、まったく聞いていなかったもので。
最近は書店でこの手の本の立ち読みができないんですよね。カバーが掛かっていて読めないようになっていて。なので、手にする機会がある人は、奥付にでも目を通してみると、面白い発見があるかもしれません。
そんな話はさておき。
今日はミヨキチさんの日でした。
前回はこちら
【週刊吉村美代子】
──青みがかった長い髪に太い眉。太股も太いが、ズボンに隠れて見えないかもしれない。今はおそらく怒りを振りまいて、周囲の目もまったく気にせず、それどころか突き飛ばす勢いで歩いているかもしれない……
と、わたしが聞いた朝倉涼子さんの特長とはそういうものでした。
それを聞いて、わたしはちょっと後悔したんです。後悔って言うか……先に謝っておけばよかったかなって。だから、今のうちに言っておきます。あとで、もう一回ちゃんと謝ろうかなっていうことも考えてます。
ごめんなさい、長門さん。その特長だけじゃ、朝倉さんを探し出せそうにないです……。
うーん、どうすればいいんでしょう。こんなにいっぱい人がいる遊園地の中、そんな曖昧な説明で特定の人を捜し出すなんてことができるとは思えないんですけれど……。
今、わたしはお兄さんが買い出しに出ている間に抜け出しているんです。抜け出していると言っても、もうお兄さんが長門さんのところに戻っていてもおかしくない時間が過ぎています。
長門さんから、たぶんこっちの方にいる、って方向から捜してはいるんですけれど……それでも大雑把すぎて、まったく見つけられる気がしません。せめて写真とか見せてもらえばよかったと、自分の迂闊さにちょっとげんなりです。
「はぁ~……どうしよ」
周囲を見渡しても、青みがかった長い髪の人なんて見あたりません。そもそも、怒ってる風な人なんて一人もいないですよ。
それはそうです。遊園地で怒ってる人なんて、そうそういるわけが、
「あっ」
「きゃっ」
キョロキョロして歩いていたせいか、人にぶつかって転んじゃいました。もう、なんだか踏んだり蹴ったりな気分……。
「ごっ、ごめんなさい。大丈夫?」
「い、いえ……わたしの方もよそ見をしていたから……あれ?」
青みがかった髪に……ええっと、言っていいのか悪いのかわかりませんけれど、ちょっと太めの眉。怒ってる……かどうかは別として、身体的な特長で言えば、長門さんが言っていた朝倉さんにぴったり当てはまるんですけれど。
「あの……人違いだったらごめんなさい。もしかして、あなたが朝倉涼子さんですか?」
「え……?」
あ、やっぱりそうなんですね。わぁ、すごい偶然です。
「あなた……だれ?」
「あ、初めまして。わたし、吉村美代子って言います」
よかったぁ。まさか本当に見つけられるなんて、自分でもびっくり。長門さん、もしかして朝倉さんがどこにいるのか知ってたのかしら?
「あの、長門さんから頼まれて捜してたんですけれど……」
「長門さんから? ……あなた……ええと、吉村さん。あなた、長門さんに何て言われて来たの?」
「えっと、朝倉さんを捜してきて欲しいって言われて……」
「長門さんが……?」
やっぱり長門さんのことを知ってるみたい。でも、朝倉さんの様子がちょっとおかしいなって感じました。
長門さんが捜していたことを知らなかったみたいで、それどころかここに自分がいることをなんで知っているんだろう……そう考えているような素振りです。
「長門さん、あなたになんて言ったの?」
「え? ですから、朝倉さんを捜してきてほしいって」
「そうじゃなくて。長門さんは今、えっと……デート中でしょ?」
「でっ、デートじゃないです!」
な、なんでそうなるんですか!? そもそも、お兄さんとデートしていたのはわたしの方で……どういうことかわかりませんけど、気がつけばデートしていたはずのわたしが、朝倉さんを捜すことになっちゃってますけど……。
「えぇっ!?」
そんな説明をすると、朝倉さんはオーバーとも取れるほど盛大に驚きの声を上げました。あのその、そこまで驚かれることでもないような気が……あれ? 驚くところなんでしょうか。
「だってその……ねぇ」
ねぇ……と、言われましても。
「あなたも、そんな乱入してきた人の頼みなんて断ればよかったのに」
「そうなんですけど……でも長門さん、困ってたみたいでしたから。断るに断れなくて」
わたしがそう言うと、朝倉さんは呆れたように嘆息を漏らして……うぅ、そんなにおかしいですか、わたし?
「あなたも、わたしなんか捜してないで長門さんを怒ってやりなさいよ。わたしのことはいいから、戻ったら?」
「で、でもあの、朝倉さん、お兄さんとケンカしてるって長門さんは言ってましたし」
「ケンカ?」
あれ? そうじゃないんでしょうか。長門さんの話だと、そういうことになってるんですけれど……朝倉さんは、自分のことなのに「そんなの初耳」って表情を浮かべてます。
「別にわたしは彼とケンカしてるわけじゃないよ。そもそも、彼とはここ最近、全然会ってないし……彼の口から、わたしのことを何か聞いてるかしら?」
「それは……聞いてないですけど。ただ、長門さんとの会話で、お兄さんが『どうして今さら会わなくちゃならないんだ』って言ってましたから……あの、こんな言い方すると怒られるかもしれませんけど、お兄さんの方も……その、はっきり言ってたわけじゃないから……でもどこか、朝倉さんと会うのを躊躇ってるようだったんです」
「え……?」
そう言うと、朝倉さんは驚いたようで、でも──これは気のせいかもしれませんけど──少し悲しそうに表情を曇らせました。
「そう……なんだ。でも、わたしのほうから彼に会うわけにはいかないの」
「でも、あの……わたし、長門さんから頼まれたんです。だから、せめて長門さんのところに」
「それは別に今じゃなくてもいいかな。あとでわたしの方から長門さんに会いに行くから。だから、あなたも戻った方がいいわ。せっかくのデートだったんでしょ? ごめんね、邪魔しちゃって」
なんだろう。何なのかな。気のせいかもしれないし、違うのかもしれないけれど、でも今の朝倉さんの態度は、その、何て言うか……。
「いえ……あの、わたしは事情とかよくわからなくて……だから、違ってたらごめんなさい」
「なに?」
「その、なんだか……朝倉さんの方が、お兄さんと会うのを躊躇ってるように見えるんですけれど……違いますか? お兄さんとケンカしてるわけじゃないんですよね? それに、最近は全然会ってないのに……なんだか、いろいろ理由をつけて自分から遠ざかってるように見えます。何でですか?」
「そんなこと、」
「なら、一緒に行きませんか? 長門さんもいますし」
「でも……」
わたしがそう言うと、朝倉さんは図星を指されたみたいに躊躇いを隠そうとせずに、本当に狼狽し始めました。なんだか……えと、こんなことを言うのもおこがましいかもしれないんですけれど……その、その姿が少し、わたし自身と重なるように見えて。
「そもそも、わたしと会ったところで、彼がいい顔しないわ。それなのに会っても、困らせるだけでしょ?」
「そう……ですか」
会おうとしない理由は、お兄さんが喜ばないから? それって、自分と会うことでお兄さんに喜んでもらいたいって、そういうことなんでしょうか?
「だからあなたも、早く戻って。彼とデートの最中だったんでしょ? なのにあなたがいなくなっちゃってたら、彼も困るわ」
朝倉さん、さっきから自分のことよりも、お兄さんのことを優先させて考えているんですよね。それって、だから……つまり──。
「……あ……そう、ですね。そっか……わかりました」
わたしが思い浮かんだ考えは、まったくの勘違いかもしれないし、全然見当はずれなことかもしれません。でも、その結論が一番しっくりくるんです。
「朝倉さん、自分のことよりもお兄さんのことを考えてますね」
「え……?」
「だから、わたし戻ります。ごめんなさい」
気づいたその考えが、まったく違かったらいい、なんて考える自分は、少し嫌な子だなって思います。でも、朝倉さんの態度はそうとしか見えないんです。一度、そう見えてしまったら、他の理由なんてわたしには思い浮かびません。
これって、もしかすると朝倉さん自身も気づいてないのかもしれませんね。でも、同じ気持ちを抱いている人から見れば、すぐにわかっちゃうことなんです。
だから、ごめんなさい長門さん。わたし、やっぱり朝倉さんを連れて戻ることはできません。
〆
【週刊吉村美代子】
──青みがかった長い髪に太い眉。太股も太いが、ズボンに隠れて見えないかもしれない。今はおそらく怒りを振りまいて、周囲の目もまったく気にせず、それどころか突き飛ばす勢いで歩いているかもしれない……
と、わたしが聞いた朝倉涼子さんの特長とはそういうものでした。
それを聞いて、わたしはちょっと後悔したんです。後悔って言うか……先に謝っておけばよかったかなって。だから、今のうちに言っておきます。あとで、もう一回ちゃんと謝ろうかなっていうことも考えてます。
ごめんなさい、長門さん。その特長だけじゃ、朝倉さんを探し出せそうにないです……。
うーん、どうすればいいんでしょう。こんなにいっぱい人がいる遊園地の中、そんな曖昧な説明で特定の人を捜し出すなんてことができるとは思えないんですけれど……。
今、わたしはお兄さんが買い出しに出ている間に抜け出しているんです。抜け出していると言っても、もうお兄さんが長門さんのところに戻っていてもおかしくない時間が過ぎています。
長門さんから、たぶんこっちの方にいる、って方向から捜してはいるんですけれど……それでも大雑把すぎて、まったく見つけられる気がしません。せめて写真とか見せてもらえばよかったと、自分の迂闊さにちょっとげんなりです。
「はぁ~……どうしよ」
周囲を見渡しても、青みがかった長い髪の人なんて見あたりません。そもそも、怒ってる風な人なんて一人もいないですよ。
それはそうです。遊園地で怒ってる人なんて、そうそういるわけが、
「あっ」
「きゃっ」
キョロキョロして歩いていたせいか、人にぶつかって転んじゃいました。もう、なんだか踏んだり蹴ったりな気分……。
「ごっ、ごめんなさい。大丈夫?」
「い、いえ……わたしの方もよそ見をしていたから……あれ?」
青みがかった髪に……ええっと、言っていいのか悪いのかわかりませんけれど、ちょっと太めの眉。怒ってる……かどうかは別として、身体的な特長で言えば、長門さんが言っていた朝倉さんにぴったり当てはまるんですけれど。
「あの……人違いだったらごめんなさい。もしかして、あなたが朝倉涼子さんですか?」
「え……?」
あ、やっぱりそうなんですね。わぁ、すごい偶然です。
「あなた……だれ?」
「あ、初めまして。わたし、吉村美代子って言います」
よかったぁ。まさか本当に見つけられるなんて、自分でもびっくり。長門さん、もしかして朝倉さんがどこにいるのか知ってたのかしら?
「あの、長門さんから頼まれて捜してたんですけれど……」
「長門さんから? ……あなた……ええと、吉村さん。あなた、長門さんに何て言われて来たの?」
「えっと、朝倉さんを捜してきて欲しいって言われて……」
「長門さんが……?」
やっぱり長門さんのことを知ってるみたい。でも、朝倉さんの様子がちょっとおかしいなって感じました。
長門さんが捜していたことを知らなかったみたいで、それどころかここに自分がいることをなんで知っているんだろう……そう考えているような素振りです。
「長門さん、あなたになんて言ったの?」
「え? ですから、朝倉さんを捜してきてほしいって」
「そうじゃなくて。長門さんは今、えっと……デート中でしょ?」
「でっ、デートじゃないです!」
な、なんでそうなるんですか!? そもそも、お兄さんとデートしていたのはわたしの方で……どういうことかわかりませんけど、気がつけばデートしていたはずのわたしが、朝倉さんを捜すことになっちゃってますけど……。
「えぇっ!?」
そんな説明をすると、朝倉さんはオーバーとも取れるほど盛大に驚きの声を上げました。あのその、そこまで驚かれることでもないような気が……あれ? 驚くところなんでしょうか。
「だってその……ねぇ」
ねぇ……と、言われましても。
「あなたも、そんな乱入してきた人の頼みなんて断ればよかったのに」
「そうなんですけど……でも長門さん、困ってたみたいでしたから。断るに断れなくて」
わたしがそう言うと、朝倉さんは呆れたように嘆息を漏らして……うぅ、そんなにおかしいですか、わたし?
「あなたも、わたしなんか捜してないで長門さんを怒ってやりなさいよ。わたしのことはいいから、戻ったら?」
「で、でもあの、朝倉さん、お兄さんとケンカしてるって長門さんは言ってましたし」
「ケンカ?」
あれ? そうじゃないんでしょうか。長門さんの話だと、そういうことになってるんですけれど……朝倉さんは、自分のことなのに「そんなの初耳」って表情を浮かべてます。
「別にわたしは彼とケンカしてるわけじゃないよ。そもそも、彼とはここ最近、全然会ってないし……彼の口から、わたしのことを何か聞いてるかしら?」
「それは……聞いてないですけど。ただ、長門さんとの会話で、お兄さんが『どうして今さら会わなくちゃならないんだ』って言ってましたから……あの、こんな言い方すると怒られるかもしれませんけど、お兄さんの方も……その、はっきり言ってたわけじゃないから……でもどこか、朝倉さんと会うのを躊躇ってるようだったんです」
「え……?」
そう言うと、朝倉さんは驚いたようで、でも──これは気のせいかもしれませんけど──少し悲しそうに表情を曇らせました。
「そう……なんだ。でも、わたしのほうから彼に会うわけにはいかないの」
「でも、あの……わたし、長門さんから頼まれたんです。だから、せめて長門さんのところに」
「それは別に今じゃなくてもいいかな。あとでわたしの方から長門さんに会いに行くから。だから、あなたも戻った方がいいわ。せっかくのデートだったんでしょ? ごめんね、邪魔しちゃって」
なんだろう。何なのかな。気のせいかもしれないし、違うのかもしれないけれど、でも今の朝倉さんの態度は、その、何て言うか……。
「いえ……あの、わたしは事情とかよくわからなくて……だから、違ってたらごめんなさい」
「なに?」
「その、なんだか……朝倉さんの方が、お兄さんと会うのを躊躇ってるように見えるんですけれど……違いますか? お兄さんとケンカしてるわけじゃないんですよね? それに、最近は全然会ってないのに……なんだか、いろいろ理由をつけて自分から遠ざかってるように見えます。何でですか?」
「そんなこと、」
「なら、一緒に行きませんか? 長門さんもいますし」
「でも……」
わたしがそう言うと、朝倉さんは図星を指されたみたいに躊躇いを隠そうとせずに、本当に狼狽し始めました。なんだか……えと、こんなことを言うのもおこがましいかもしれないんですけれど……その、その姿が少し、わたし自身と重なるように見えて。
「そもそも、わたしと会ったところで、彼がいい顔しないわ。それなのに会っても、困らせるだけでしょ?」
「そう……ですか」
会おうとしない理由は、お兄さんが喜ばないから? それって、自分と会うことでお兄さんに喜んでもらいたいって、そういうことなんでしょうか?
「だからあなたも、早く戻って。彼とデートの最中だったんでしょ? なのにあなたがいなくなっちゃってたら、彼も困るわ」
朝倉さん、さっきから自分のことよりも、お兄さんのことを優先させて考えているんですよね。それって、だから……つまり──。
「……あ……そう、ですね。そっか……わかりました」
わたしが思い浮かんだ考えは、まったくの勘違いかもしれないし、全然見当はずれなことかもしれません。でも、その結論が一番しっくりくるんです。
「朝倉さん、自分のことよりもお兄さんのことを考えてますね」
「え……?」
「だから、わたし戻ります。ごめんなさい」
気づいたその考えが、まったく違かったらいい、なんて考える自分は、少し嫌な子だなって思います。でも、朝倉さんの態度はそうとしか見えないんです。一度、そう見えてしまったら、他の理由なんてわたしには思い浮かびません。
これって、もしかすると朝倉さん自身も気づいてないのかもしれませんね。でも、同じ気持ちを抱いている人から見れば、すぐにわかっちゃうことなんです。
だから、ごめんなさい長門さん。わたし、やっぱり朝倉さんを連れて戻ることはできません。
〆
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★無題
NAME: BPS
BASARA…1は持ってるんですが2を中古で買ったら傷付きで起動しませんでした…。ベストも出たみたいなんでいずれは。
ミヨキチ揺れる乙女心でしたねー。
今回は色々邪魔が入ってますが後日談としてちゃんとしたデートをさせてあげてほしいです。
ミヨキチ揺れる乙女心でしたねー。
今回は色々邪魔が入ってますが後日談としてちゃんとしたデートをさせてあげてほしいです。
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
次回、というわけではありませんが、ちゃんとミヨキチさんへのフォローも考えておりますデスよ!
…………
ど、どうすればいいでしょか(;´Д`)
…………
ど、どうすればいいでしょか(;´Д`)
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
いやあ……キョンくんも、ここ最近は一般常識からズレているような気がしてならないんですw
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
たとえ小学生でも、女性は特に恋愛感情に敏感だと思う今日この頃であります。
自分が書くミヨキチさんは、確かに古泉くんと合いそうですが……原作ではどうなるのか、けっこうドキドキしております。
自分が書くミヨキチさんは、確かに古泉くんと合いそうですが……原作ではどうなるのか、けっこうドキドキしております。
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