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DATE : 2017/05/24 (Wed)
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DATE : 2008/11/15 (Sat)
ダシは昆布のみ。あとは野菜と魚介類を日々追加してうまみ成分を抽出。それを最低三日以上続けるのが、我が家の鍋でございます。

近所のスーパーがですね、なかなか上質な動物性タンパク質を取りそろえておりまして。特に夕方ごろに出向けば30%~50%offというお財布に優しい仕様になっております。

なので寒くなってきたこの時期は鍋三昧。けれど鍋がメインではございません。そうやって三日ほど経過させたスープで作る雑炊でございます。

これがまたなんともな味わいでして。ええ。日々の調理も楽に済むのでオススメです。

ただし問題なのは。

さすがに三日くらい同じ鍋だと飽きてくるってことでしょうか。や、具材はいろいろ変えてますけど。

ではまた。

前回はこちら
吉村美代子の奔走:8

 長門か。消去法で言えば、やっぱり長門しかいないのか。認めたくないし信じたくもないが、今のこの状況にある九曜がそう言うからには、疑いようもない。
「それに」
 否定要素を探そうとしてもまるで見つからない俺に、喜緑さんから告げられる言葉がとどめを刺す。
「銀河規模での情報改ざんとなれば、少なからず涼宮さんの能力を借用したのでしょう。以前のような大規模な改変ではなく、それぞれをそのままに記憶だけの削除を目論んでのことでしょうから、各々が持っている能力はそのままのようです」
 つまり長門は、ハルヒを利用してまで世界の改変を行ったってわけだ。観測する立場だと自分でも明言していたあいつが、その立場を捨ててまでハルヒの能力を借用して小規模ながら世界を改変させたのか。
 何故だ? どうしてそこまでしなけりゃならなかったんだ。どうして長門は、そんな真似をしてまで世の中の時間を一週間ほど『なかったこと』に……そこにはいったいどういう意図があるってんだ?
「──────歪み────」
 そんな言葉を九曜は口にする。そういえば、さっきも同じ台詞を口にしていたな。それが……長門が時間を一週間近く巻き戻した原因だとでも言いたいのか。
「その歪みってのはいったい何だ?」
「朝倉さんのこと……でしょうか」
 九曜に詰め寄る俺へ応えたのは、九曜ではなく喜緑さんだった。
「朝比奈さん経由で拝見させていただいた記憶情報には、どうやら朝倉さんの姿もありまして。この時代の現状において、長門さん自ら行動を起こしてまで正さねばならない歪みとやらがあるとすれば、それは朝倉さんのことではないかと」
「朝倉が?」
 朝倉の姿があった?
 それは……一瞬だが、確かに俺も見た。九曜に手を掴まれた瞬間、静電気が迸るような一瞬の映像の中には、確かに俺と喜緑さんと、そして朝倉もいた。
 あれは……もしかして九曜が無理やり俺に送り込もうとしていた記憶データとやらの一部だったのか? 完全ではないかもしれないが、それを俺は見たのか?
「憶測混じりでよければ、長門さんが一週間の時間を上書きした顛末をお話しましょう」
 是非もない。朝倉のことを長門と同じくらいにわかっている喜緑さんから話してくれるなら、もちろん聞かせてもらうさ。
「まず、朝倉さんのインターフェースを再構築したのはそこの小娘です」
 いきなりだな。前置きも何もなく、そんな爆弾発言をさらりと落として来やがった。
「どうやら朝倉さんに何かしらの思い入れがあるようで、復活させたかったみたいですね。でもそのためにはこちら側で管理している朝倉さんのパーソナルデータが必要だったんです。何しろ彼女が作ったのは容れ物だけでしたから。それで……どういうわけか、わたしとあなたがそれに協力していたみたいで」
「俺と喜緑さんが?」
 なんで俺と、しかもよりにもよって喜緑さんが、わざわざ九曜に協力してまで朝倉を復活させようとしてたんだ?
「さて……その小娘の記憶データによれば、もともとわたしとあなたが朝倉さんを復活させようとしていたみたいですよ。その理由を彼女は知らないようですので、記憶にございませんけれど」
 俺と喜緑さんが協力して? んー……ダメだ、そんなことがあったことすら思い出せない。思い出せないが……そうだな、もし朝倉を復活させる手段があるとすれば、それを実行しようと最初に提言したのは、たぶん俺の方だろう。
 今でこそだが、朝倉が消えちまう理由を作ってしまったのは俺のせいだ。そう言えば誰もが『違う』と言ってくれるが、それでも自分の中に少なからず負い目というか、しこりがあったんだ。今さら何をどう言ってもやり直せないから口にこそ出さなかったが、それでも目の前に可能性があれば、手を出そうとしたかもしれない。
「だとすれば、わたしが協力していた事にも納得です」
「え?」
「だって、朝倉さんを復活させた方が面白いことになりそうじゃありませんか」
 ……なるほど、いかにも喜緑さんらしい理由だな。
「ただ、そうなると……ああ、だからなのでしょうね。お話していて、長門さんが擬似的にとはいえ、時間を巻き戻した理由もわかりました」
「と言うと?」
「わたしたちインターフェースは端末です。ですから母体である情報統合思念体と繋がってこそ、わたしたちはわたしたちになるんです。けれど朝倉さんにはその回線がないものですから、それを補うために……『朝倉さん復活』を主目的に置いていれば、わたしのことです、自分の回線を使うかもしれません」
「え……っと、そうなると喜緑さん自身はどうなるんですか?」
「存在を維持できなくなるんじゃないでしょうか。試したことがありませんからわかりませんけれど」
「ちょっ、ちょっと待ってください。それじゃ……そんな方法を使って朝倉を復活させようとしてたんですか?」
「可能性の話です。ただ、その手段を用いた算段は高いでしょうね。ですから長門さんはそれらすべてを『なかったこと』にするために涼宮さんの力を借用し、銀河規模で記憶の改ざんを行い、その間に発生した決定的な差異を無理やり修正したんでしょう」
 絶句した。
 つまり喜緑さんは、自分を犠牲にしてまで朝倉を復活させようとしたってことか。そりゃ長門でなくても止める。俺だって止めるはず……なのだが、それを頼んでいた俺は止めなかったのか。そのときの俺は何を考えてたんだ。
「たぶん、わたしの方から何も話さなかったんでしょうね。言えばあなたのことですから止めるでしょうし、それではつまらないですもの。あなたが気にすることではございません」
「気にするなって言われても……ん?」
 今ここに喜緑さんがいるってことは、結局朝倉はそういう手段での復活ができなかったってことなんだろうか。いやでも……。
「確認しますが、長門は時間そのものを巻き戻したわけじゃないですよね?」
「ええ、そうです。時間を巻き戻すなんて真似は……そうですね、涼宮さんでなければ出来ません」
 確認の意味を込めた問いかけに、時間関係の専門である朝比奈さんが大きく頷いて俺の考えを補強してくれる。それなら。
「朝倉は? 俺にも一瞬だけ見えたんだ、朝倉の姿が。あれが上書きされた一週間で起きていた出来事だとすれば、朝倉がいたんですよね? だったらその朝倉は今どこにいるんですか」
 上書きされた一週間の中に、朝倉はいたんだろう。俺だって一瞬とはいえ九曜から渡されそうになった記憶データの一部を垣間見て、その中に朝倉がいたことを確認している。
 いや、『いた』なんて過去形の話じゃない。一週間という時間が厳密に言えば巻き戻されたのではなく上書きされたと言うのであれば、今もこの世界のどこかに朝倉はいるってことじゃないのか?
「さて、どうでしょう。長門さんは朝倉さんの存在こそが歪みと判断して、擬似的に銀河規模での時間を巻き戻しています、。その歪みを修整するためだとすれば、その原因たる朝倉さんは消えていると、」
「──────いる────」
 喜緑さんの言葉を遮って静かに、けれど力強く断言したのは九曜だった。
「いる? いるって、朝倉が? いるのか、あいつは。まだこの世界に」
「────────言葉を────残し────選ぶ未来は────ない、けれど────願い────叶うなら────と────……」
 何の話だ? そんな禅問答みたいな言葉はいらないんだ。こっちが聞いてることを端的に答えてくれればいい。朝倉がいるのかいないのか、それだけをハッキリしてくれ。
「────いる────」
「どこに? 朝倉は今、どこにいるんだ?」
「──────不明────」
 おい待てこら。不明って、何だよそれは。わかってないのに『いる』って断言するその根拠はなんだ。
「────例外────わたし、や────他にも────残る記憶が────ある────完全では────ない、なら────」
 ああ。ったく! どうしてこいつはこうなんだ!? もう少しマシなコミュニケーションが取れるようになってくれ。
「喜緑さん、わかりますか?」
「そうですねぇ……つまり、自分のような例外が存在する程度の改変だから、朝倉さんが消されている可能性は低いという……可能性を言ってるのかしら?」
「可能性かよ」
 それじゃ結局、朝倉が今もまだいるのかどうか確証もないってことじゃないか。
「とは言っても、可能性があるということは無視できない話です。いないと証明できればそれでいいのですが、もし存在していたとすれば消すしかありません」
 いきなり話が飛んだ。
 消すしかない……って、なんでそういう結論になるんだ!? いくらなんでも話が飛躍しすぎじゃないか。
「だってそうじゃありませんか。どうやら記憶を消される前のわたしとあなたは、朝倉さんを復活させようとしていたみたいですけど、それは世界に受け入れられない出来事だったみたいです。だから長門さんは涼宮さんの力を借用してまでそれを正したのでしょう。もしここで同じように朝倉さんを復活させようとしても、結果は同じ。繰り返すだけです。どう足掻いても成功しません。だとすれば、朝倉さんはもう消すしかない、と。そういう話ですよ」
「それは、」
 そういう……話になるのか? 結局、朝倉の復活は不可能な話だってことなのか。それがすでに証明されていると……喜緑さんは言っている。
「無意味に朝倉さんを復活させようとした罰なのかしら。すでに役割すらもない彼女を蘇らせたところで、害はあっても益がありません。そこを無理に通そうとしたことが歪みとやらになってしまっているのかもしれませんね」
 だから世界は改変された、か。それをやったのは長門だが、もし長門がやらずとも誰か他のヤツが、それこそ自然発生的に歪みとやらは正されていたかもしれない。喜緑さんはそういうことを言ってるのかもしれない。
「あの……それって罰なんですか?」
 と、そんな言葉で割り込んで来たのは朝比奈さんだった。
「んと、今のお話って、役割のない朝倉さんを復活させようとしたから世界の在り方が歪んでしまう、ってことですよね?」
「簡単に言えば、そういう話ですね」
「本当にそうなんですか?」
 喜緑さんの説を聞いた朝比奈さんは、それが本当にそうなのかと言わんばかりに首を傾げていた。それは受け入れられない話だからというわけではなく、本当に理解できない話だと思っている素振りでもある。
「それだとまるで、役割がないと存在しちゃいけませんって言ってるみたいじゃないですか。あたしが今この時代のこの場所にいるのって、確かに役割があるからです。他の人もそうなのかもしれませんけど……でもその役割がなくなれば、ここにいられなくなっちゃうんですか? それって……何か間違ってる気がするんです。違いますか?」
「朝比奈さんがおっしゃることもわからなくありませんが、」
「それに」
 朝比奈さんにしては珍しく、人の話を遮ってまで言葉を続けてきた。
「朝倉さんには『会いたい』って思ってくれてる人がいるじゃありませんか。それって存在する理由にならないんですか?」
「ですから、それは感情論なんです。気持ちとしては朝比奈さんのおっしゃるとおりですが、世界はそこまで優しくありません。朝倉さんを蘇らせることは世の理に反することとさえ言えるでしょう。それでもそれを強行すれば、取り返しの付かないことになるかもしれませんよ」
「そうですけど……」
 それでも朝比奈さんは納得できないらしい。喜緑さんも、無理に朝比奈さんを納得させようとしているわけでもないらしい。そもそも二人の言い分は、互いにわかっていることなんだろう。俺にだってわかる。ただ、朝比奈さんは感情を優先させており、喜緑さんは理性を優先させている。そんな二人の議論ではこれといった着地点が見つかるわけもない。
「どちらにしろ」
 結論が出ない議論を続けていたって仕方がない。朝倉を蘇らせるかさせないか、そんな話は今は棚上げしておくしかない。それよりも先にしなくちゃならないことがある。
「朝倉が存在してるか否か、その確認が先ってことですかね」
 ただ、その確認をどするかってことなんだが……確認方法なんてあるんだろうか?
 俺がそう思っていたとき。
 ポケットの中に入れたままにしておいた携帯が、ぶるぶると震えだした。
 こんなときにいったい誰だ。
「もしもし?」
 どこからの着信か確認もせずに通話に出てみれば、相手は意外と言えば意外な、けれど待ち望んでいたと言えばそうとも言える相手からだった。
『あ、お兄さん? 今どちらにいらっしゃるんですか』
「ミヨキチ!?」
 九曜の登場とその後の話ですっかり忘れていたが、その前まではミヨキチと一緒にいたんだ。そのミヨキチは……そうだ、ミヨキチは朝倉のことを知っていて、おまけにその姿を見かけたと言い出すや否や後を追い掛けてはぐれて──。
「おい、今どこにいるんだ? さっき朝倉がどうとか言ってたが、どうなったんだ!?」
『そう、その朝倉さんのことで。ええと、ここって学校……お兄さんの通ってる学校かしら。今そこまで追い掛けたんですけど、そこからちょっと見失っちゃって』
 俺の通ってる学校? 北高のことか? なんだってそんなところに。
「おい、ミヨキチ。その前に聞きたいことがあるんだ。おまえ、どうして朝倉のことを、」
『あっ! いた、いました。ごめんなさい、またあとで連絡しますから。ええと、お兄さんもこちらに来ていただけますか? そうすればほら、わたしが言ってたこともウソじゃないってわかると思いますし』
「いや、そういうことはいいから。それよりも、」
『すみません、またあとでご連絡します』
「お、おいっ!」
 って切りやがった。頼むからこっちの話を聞いてくれ。
「今の電話、朝倉さんがどうこうおっしゃってましたが、どうされたんですか?」
 喜緑さんが訝しげに聞いてくるが、どうもこうもあったもんじゃない。
「ミヨキチからですよ。ああ、そうだ。ミヨキチのヤツ、どういうわけか朝倉のことを知ってたんですよ。それで街中で見かけたとか言い出して後を追い掛けて……ともかく、今は北高付近にいるらしいです。すみません、今からちょっと行ってきます」
「では、わたしたちもご一緒した方がよろしいですね」
 そうしてくれるなら有り難い。有り難いのだが……それよりも、任せたいことがある。
「喜緑さんは長門のところに行ってください。あいつが世界の情報を改ざんした理由が朝倉なら、今もまだ朝倉がいることでどう動くかわかりません。それに朝比奈さん」
「は、はいっ」
「朝比奈さんはそこの九曜を見ていてください。ええっと」
 いくらなんでも、朝比奈さんと九曜をペアで置いておくには抵抗がある。そもそも九曜の保護者は俺たちじゃない。然るべき相手に引き取りに来てもらわねばなるまい。
 俺は携帯から佐々木の電話番号を呼び出して、メモを──。
「あら?」
 メモを残そうと思ったら、喜緑さんが人の携帯を見て妙な声を出した。
「何ですか」
「その携帯……ちょっとよろしいかしら」
「はい?」
 喜緑さんは、俺から携帯を取り上げてまじまじと見ている。その携帯は……そうだ、俺がもともと持っていた携帯だ。ミヨキチの家にあったものじゃない。
「これって……あ、よいしょっと」
 可愛らしい掛け声だが、それが本当に必要だったのかよくわからん。わからんが、けれど携帯は喜緑さんの手の中で形を変え、髪留めに変化した。
「これ、わたしの髪留めだったものを作り替えて携帯にしていたみたいですね」
「喜緑さんの髪留め?」
 どうしてそんなもんが俺の携帯にすり替わって……いや、そもそもどうしてそれを、俺は『自分のもの』と思って持ってたんだ?
「上書きされた一週間の間に、こういうものを渡さなくちゃならないことがあったのかもしれませんね」
 そんなことを言われても、思い当たる節はない。もとからないのだから当然……って、じゃあミヨキチの家の壷の中にあった携帯こそが、本来の俺の携帯ってことなのか? なんでそれがミヨキチの家に……いや、そんなことを考えている暇はない。
 ともかく、俺は佐々木の電話番号をメモして朝比奈さんに押しつけた。
「ここ、佐々木の番号です。あいつに連絡を取って引き取りに来てもらってください」
「わっ、わかりました」
「それじゃ、すみません。あとはお願いします」
 おざなりな一言を残し、俺は家を飛び出して北高へと向かった。

つづく
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★無題
NAME: Miza
朝倉さん復活の道はやはり厳しいのですねぇ。ミヨキチマジック☆に期待です。
2008/11/17(Mon)13:59:23 編集
そうそう簡単に復活できないのですよねぇ~。消すときは一瞬でしたけど。そこが今回の話のポイントでもあったりなかったり。
【2008/11/18 00:10】
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