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DATE : 2007/10/01 (Mon)
昨日のF1日本GPで、ヴェッテルがブルツにオカマ掘ったあとのこと。実況が言い放った台詞が「レッテルをはられたヴェッテル」発言を聞いて、タイトル通りのことを思いました。

それはさておき、F1日記になってるこの三日間、せめて最後の今日までは続けましょう。

FISCOはあれですね、交通の便と立地がもう少しよければ、見ていて楽しいコースなのに……いろいろ残念でなりません。今回の雨は致し方ないとしても、あそこは周りが木ばっかりで湿気が溜まり、晴れても今度は濃霧に見舞われちゃいます。鈴鹿と比較しても、あっちなら雨上がりに濃霧に見舞われることもないでしょうから。
そして何より交通のインフラ整備がぜんっぜんなのがいただけない。コースそのものは悪くないのに……ドライバーだったかチームだったかにも、コースだけは評判いいのに……。

で。
レース自体は、SCはずれてからのレースは面白かったです。特にラスト5周目くらいからのライコネンvsコバライネン、ラスト1周のマッサvsクビサのバトルは「うひょーヽ(゚∀゚)ノ」とか言いながら見てました。前日、ほとんど寝て無くて、SCに引っ張られてる最初の20周で寝そうになりましたが、最後まで見ててよかた。

来年もまたFISCOでやるらしいので、それまでには今回の教訓を活かして交通網をなんとかしてほしいですね。


前回はこちら
【Respect redo】吉村美代子の憂鬱

「夢なのかも……って、確かに今のこの状況が夢なら言うことなしですけど、いくら何でも夢と現実の違いくらい、わたしにだってわかりますよ」
 どことなく真面目さが感じられる喜緑さんを前に、わたしは努めて明るい感じでそう言い返しました。
 真面目にするのはいいんですよ? ええ、数時間前までは、真面目にやってくださいと思っていたんですもの。心の底から。
 だからちゃんとすることに異議を唱えたりはしません……けど、今はどちらかと言えば、ちょっと困った今の状況を明るくするために、ちょっとくらいならふざけたって怒りません。むしろ、ふざけてくださいとお願いしたいような雰囲気です。
「何か変ですよ、喜緑さん。さっきから……そのぅ、何か奥歯に物が挟まってるような言い方して。らしくないです」
「……先ほどのお話、覚えてらっしゃいますか?」
 こちらの話をするりと聞き流し、唐突にそんなことを言い出す喜緑さんの「先ほどの」とはいつほどの話なのか、すぐには思い出せません。
「ほら、一番の災難に遭っているのは吉村さんだっていうお話です」
 ああ……そんな話をしてましたね。でもその話を、今ここでまた蒸し返すんですか? そんな話をしても仕方ないって、さっきも言ったのに。
「よろしいじゃありませんか。どうせ今はここにいるしかできませんし、いるのもわたしたち二人だけ。他に話す話題もありませんし、少しくらいわたしの話に付き合ってくださっても、よろしいじゃありませんか」
「じゃあ、お付き合いしますけど……どちらにしろ、発展性のない話じゃないですか。さっきも言いましたけど、もう過ぎちゃったことですし、今さらあれこれ言っても仕方ないですもの。それより今は、この状況をどうするべきか話し合った方が、まだ有意義な気がします」
「わたしが何とかして差し上げる、とも申したじゃありませんか」
「……何とかって?」
「ですから、あの方たちとの縁を切るお手伝いを」
 ニッコリ微笑んでそう言う喜緑さんですが……はっきり言ってわたしはちょっと困ってます。今のこの状況は、遭難して誰もいない森の奥にある日本家屋に二人っきりという、ある種の極限状態じゃないですか。
 そのせいで喜緑さん、ちょっと危ない状況になっちゃってるのかな~……って。
「縁を切るお手伝いって……もしかして、もうわたしに関わるのはやめてください、とか言ってくださるんですか? いくら喜緑さんからでも、あの人たちが聞く耳持つとは思えませんけど」
「いえいえ、もっと根本的なところから」
「根本的って?」
「ですから……そうですね、最初から、何もなかったことにする……とか?」
 とか? って言われまして……笑っちゃうしかありません。もう起きてしまったことをなかったことにって、何をどうするつもりですか。全員殴って記憶喪失にでもしちゃいますか。喜緑さんなら本気でやりかねない凄味がありますけど、いくらなんでもそれは現実的じゃないですよ。
「そんなことする必要はありませんよ。すべては……そうですね、吉村さん次第です。あなたが本当にあの方たちと距離を置きたいと願うなら……ここなら、叶うかもしれませんよ」
 すみません、さっぱり意味が解らないんですけど。
「言ったじゃないですか。ここは、願えば叶う場所……かもしれませんよ」
「そんなまさかぁ」
 ははは、と笑うわたしにつられて、喜緑さんもうふふと笑いますが……何でしょう、この笑えない雰囲気は。互いに乾いた笑いが潜まると、耳に響く薪の燃える音だけがヤケに大きく聞こえます。手持ちぶさたで居心地も悪く、妙に落ち着きません。せめて何かこう、気を紛らわせるものでもあれば……。
「あ、何かお茶でも」
「お茶ならほら、そこに」
「え?」
 ふと、何に気無しに喜緑さんが指さす茶箪笥の上に、お盆と急須、それにポットがありました……けど、こんなの、さっきからあったかしら?
 訝しみながらポットを開けてみると、どうやらちゃんとお湯が入ってるみたいです。電気ポットじゃなくて、普通の保温瓶? そんなものなんですけど、まだしっかり熱くて……これっていつからお湯を入れてたのかしら?
「あのぅ……喜緑さん、さっきのお話ですけど」
「何でしょう?」
「橘さんたちと縁を切るのに何とかしてくれるって……何をどうしてくれるんですか?」
「具体的に言えば……今さらわたしが何かするというわけでもないのですけれど」
「はぃ?」
「ただ、ここはほら、どうやらここは願ったことが叶いそうな場所じゃございませんか。吉村さんが本当に皆さんとの縁を切りたいと願えば……もしかすると叶うのではないかしらと、そういう話です」
「ああ……」
 なぁんだ、そんなことかぁ……と、今になればバカにできないような気がします。ここがどこか解りませんし、もしかすると偶然かもしれませんけど……でも、わたしが「お茶でも」と探してみれば実際にお茶のセットが現れたような場所です。にわかには信じられませんけど、ここは本当に……その、願えば叶う場所……なんですか? それなら、喜緑さんが言うように、わたしが皆さんとの縁を切りたいと願えば……え? 叶うの?
「果たして真実はどうなのでしょうね。そんなことは起こり得ないのかもしれませんし、万が一ということもあります。昔からよく言うじゃありませんか。病は気からって」
 それは何か違うような気もしますが……ええっと……。
「で、でもその、どうすれば……?」
「願いが叶うのなら、心の底から願えばよろしいんじゃないかしら? より具体的に、切実に、平穏無事な日々に戻りたいと思えば、もしかすると時間さえも巻き戻すことができるかもしれませんね」
「願うって……」
 何をどう具体的に考えればいいものか……。あれですか、週末に佐々木さんに声を掛けれられて、カフェで橘さんたちと会う前のことを考えればいいんですか? でもそれだと、同じことの繰り返しになりませんか? それじゃまったく意味がなくて、だったらええっと……。
「やり方は二つありそうですね。今、吉村さんがおっしゃった方法がひとつ。でもそれでは、おっしゃるように同じことの繰り返しになりかねませんね。なら、もうひとつの方法が最適かしら」
「と言うと?」
「他の人たちが、最初からいなかったことを願えばよろしいんじゃないかしら」
「いなかった……って?」
「言葉通りの意味ですよ。最初から存在しないこと、いなかったことにしてしまえばほら、繰り返す心配もございませんでしょう? 存在そのものの消失ですよ」
 そっ、存在そのものの消失って……え? そんなことも願えば……叶う? 叶うんですか、ここは。
「別に殺めてしまうわけでもございませんし、何も道徳心を苛まされる心配もありませんね。よろしいじゃありませんか。吉村さん、散々な目に遭ってらっしゃるのでしょう? 自分が望まない状況に巻き込まれ、ストレスを感じてたんでしょう?」
「そ、それはそうですけど」
 でも……あれ? 何かしら、どうにも、鳩尾辺りをきゅーっと押されるような、気分の悪さを感じるんですけど。
「もしここでそうせずに、今後もあの方たちと行動を共にしていれば、ロクでもない目に遭うのは間違いありませんよ。今だってロクなことをしていませんしね。それに巻き込まれて、吉村さんが苦しむ必要なんてありませんよ」
 確かにそうですけど……でも、うう~ん。でも何だろう、喜緑さんの言ってることは間違ってないんですよ。その通りですし、それはわたしも感じていたことです。このままじゃ、今後も振り回されるのがオチだなぁって思うんです。
「でっ、でもその、喜緑さんにそこまで言われちゃうほど、皆さんダメ人間ってわけじゃないと思います。ええっと、あの、何て言えばいいのか……確かにロクでもない目に遭ってますけど、だからって消えちゃえって思うほどヒドイわけでもなくて、そんなこと、わたしには」
「あら」
 わたしがそう言うと、喜緑さんはさも意外、とばかりに笑みを引っ込めちゃいました。
「わたしの予想だと、あれこれ面倒なことは、今後もてんこ盛りですよ?」
 うぅ~……それはさすがに勘弁してくれと思いますけど……でもでも。
「そ、そういう面倒なことは、起きてみないと面倒かどうかなんて、解らないじゃないですか」
「では、今のままでよろしいんですか?」
「せっ、せめて皆さん、もう少しマトモな人になってもらいたいですけど……消えちゃうよりはマシです」
「そうですか」
 そ、そうですよ。ええ、そうです。確かに面倒で厄介でちょこっと頭に来ることもありますけど、だからって消えちゃえと思うほどじゃないです。せいぜい皆さん、もう少しマトモな一般常識の範囲内で行動して欲しいくらいで、それ以外のことに関しては……ええっと、文句ない……かな? うん、ないです。
「彼とお知り合いみたいですから、引き戻して差し上げようかと思いましたけど……苦労するのも彼ですし、致し方ありませんね」
 ふぅ……っと、喜緑さんがため息を吐いた……その瞬間。
 バタン! っと、心臓が肋骨を砕いて飛び出して来そうな音を立てて、わたしの背後の襖が開かれました。
「ひぇっ!?」
 なっ、何ですか? いったいこれは何なんですか!?
「あ、朝倉さん!?」
「無理!」
「へ?」
 襖を開いて……というよりは、ぶち破るような勢いで転がり込んできた朝倉さんは、がばっと身を起こすなりそう言いました。というかあなたは、いったいどこにいたんですか。
「これ無理! もう無理! 喜緑さん、ホント無理だってば! そろそろやめておきましょうよ! あっちはわたしたちと違って単一端末なのよ? 天蓋領域とダイレクトに直結してるのよ!? 情報処理速度が違いすぎるの! わたし一人じゃ押さえられないわよっ!」
 いっ、いったい何の話……?
「あらあら、根性無しさんですね。もう少し気張ってください。物事を強引に、無理無茶無謀に推し進めるのが、あなたのような強硬派のやり方じゃありませんか」
「だから、やってみて無理だって言ってるの! ああ、ダメ。もうダメ。ちょっとホントにそろそろ……」
「ま、こちらも話は済みましたから。では吉村さん」
 なんだか訳のわからないまま、急に話を振られても反応のしようがありません。肩をすくめんばかりに落胆している喜緑さんに呼ばれても、何をどう反応していいものか。
「引き続き、よい夢を」
 喜緑さんが、つぃっと突き出してきた指が、小突くようにわたしの額に触れた途端──ぶちっと、そんな音が聞こえてきそうなくらいにぶっつりと、目の前が真っ暗になって足にも力が入らず、どうやらわたしは、気絶でもしちゃったみたいです。

つづく
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★無題
NAME: huzita
日本GP、見所の多いレースではありましたね。
豪雨のせいでセーフティカー先導で何周もしたので、このまま中断終了しないか危惧しましたが。

塩原アナは時々激しくオヤジギャグを飛ばします。
「どこのドイツだ、ここはドイツだー!」とか。

ライコネンとマッサはそれぞれに持ち味を見せてましたね。
アロンソ…無茶しやがって…(涙

鈴鹿にはここ数年決勝だけ日帰りで見に行ってましたが、
富士のお客さんの惨状を見てるともう再来年まではTVでいいや、と思います。
2007/10/01(Mon)07:21:58 編集
雨のせいで、見どころの1.5kmストレートが潰されたのは痛かったですねぇ。
塩原アナはもう……フィギュアスケートの実況もしてますが、そっちも勘弁してくれと思うコメントばかりで(;´Д`)

FISCOも来年までにはマシになってることを祈らずにはいられませぬ。
【2007/10/02 01:11】
★無題
NAME: Miza
富士はホントに面白いコースなんですけどねぇ。
インフラを始め来年までにいろいろな課題が片付くことを期待!
2007/10/01(Mon)09:44:00 編集
さすがに来年も今年と同じようなことをしたら、面目丸つぶれですからね。マシになることを期待しましょう!
【2007/10/02 01:12】
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