category: 日記
DATE : 2007/10/21 (Sun)
DATE : 2007/10/21 (Sun)
でもSSの量はいつもよりちょっと少ないよ!
だって野郎だけの出番しかないんですもの。そんなのねっとり書きたくありません^^
なんて思ってたんですが、そもそもこの表部分のネタが何もないので、ここを書くことに時間を取られて若干後ろにズレ込んでたりします。なんだか本末てんとー、みたいな~☆
はぁ~あ('A`)y─┛~~
そんな感じで、また明日!
だって野郎だけの出番しかないんですもの。そんなのねっとり書きたくありません^^
なんて思ってたんですが、そもそもこの表部分のネタが何もないので、ここを書くことに時間を取られて若干後ろにズレ込んでたりします。なんだか本末てんとー、みたいな~☆
はぁ~あ('A`)y─┛~~
そんな感じで、また明日!
前回はこちら
涼宮ハルヒの信愛:二章-b
その日最初の授業で、俺は思った通りの行動を取っていた。ノートを取っているように見せかけて頬杖を突き、その実、意識は夢の世界を漂ってるってわけだ。
かといって、一日に必要な睡眠量をその程度で補えるわけもなく、うつらうつらとしていたが、眠気がばっちり取れるようなことはなかった。
ただ、幸いだったのは背後のハルヒが不機嫌オーラを醸しだしていなかったことだ。あのプレッシャーたるや、そこいらの猛毒なんぞ目じゃない。ヒットポイントゲージが瞬く間に目減りしていく勢いだ。それがなかっただけでも、睡眠不足でやつれた俺の体は、日常行動に支障を来すこともなく動けるだけの気力を残せたようだ。
「やあ、どうも。何やら久しぶりですね」
次の授業は、何かと小うるさい教師の授業だったなと思い出し、授業そっちのけで惰眠を貪るのは難しいと判断した俺は、手洗いついでに顔も洗おうと男子トイレに向かったわけだが……そこで古泉に声をかけられた。
「そんなでもないだろ」
せいぜい、一日ほど会ってないくらいさ。
「いやはや、高校生活が始まってから、ほぼ毎日お会いしてますからね。わずか一日とは言え、あなたの顔を見ないと何やら寂しさを覚えてしまいますよ」
おまえはなんつー気色悪いことを、どの面下げて言ってんだ? 寝言は寝てるときに言え。いや、寝ていてもそんな寝言は口にするな。怖気が走る。
「それはそうと……あなたも随分と危険な綱を渡るものですね」
「あん?」
「昨日、あなたが楽しい夕食を過ごされた、あのお二人についてですよ」
ああ……佐々木たちのことか。夕食の~……なんて言うから、一瞬だけ喜緑さんの姿が脳裏をかすめたぞ。確かにあの人との食事は、さまざまな意味合いを込めて「危険な綱渡り」と称しても構わんだろうが、佐々木と橘の二人が相手は、何も危険なことなんてないだろ。
「覗き見ってのは、いい趣味じゃないな」
「あいにく、僕にもそういう趣味はありません。ですが涼宮さんに関わるすべての人の保全も、僕らの役目ですから。特にあなたは内情をよくご存じでしょう。万が一の事態は、是が非でも回避したいのですよ」
「万が一ねぇ……」
紛争地域や戦国時代じゃあるまいし、現代日本で万も億もあってたまるか。
「先月の事件やゴールデンウィークに起きた出来事をお忘れですか?」
「ああ」
確かにあのときは何かと大変だった。起きた直後は「ふざけんな」と一人憤慨したもんだが、喉元過ぎればなんとやらさ。
起きたことは仕方がない。そしてそれは無事に解決した。だったら後は、そんなこともあったなと、笑って話せるような思い出にするのが潔しってやつだろ。ねちねちと恨み節を垂れ流しても虚しいだけだぜ。
「随分と達観したものですね。僕としては、そこまで大らかな心は持てない、と言うのが本音ですよ」
「気持ちは解るけどな。去年の俺だったら同意してやるぜ。でもまぁ、この一年で厄介で面倒な事件に巻き込まれたり、押しつけられたりしてきたんだ。達観しなけりゃ、やってらんないぞ」
「そういうものですか」
「そういうもんだろ。高校になってから……おまえは四年前からか? どっちにしろ、その日から立て続けにあれこれ起きてるんだ。そのひとつひとつでキレてちゃ、ストレス過多でぶっ倒れるさ」
「おっしゃることはごもっとも。ですが、相手が相手です」
「じゃあ、こう考えてみろよ。おまえはハルヒの無意識とやらで妙な力を拒否権なく与えられて、閉鎖空間で重労働を強いられることになったんだろ? そのことで文句を言いたいと、今でも思ってるか?」
俺の問いかけに、古泉はしばし考えるように手を口元に当てると、困ったような笑みを浮かべた。もっとも、それもポーズだけで、すぐに答えが出ていたんだと思うがな。
「四年前に起きたことと、つい一ヶ月前の出来事では比べようがありませんね」
「どっちも『昔のこと』で片の付く話さ。問題なのは、厄介事を引き起こすのがハルヒだけじゃなくなったってことくらいだ。そういう意味では、おまえも閉鎖空間でのバイトに橘京子の相手もしなけりゃならんで大変だな」
「お気遣いいただき、ありがとうございます。幸いなのが、ここ最近の涼宮さんの精神状態が安定していることですね。春先の一件以来、何事もなく過ごしていますよ」
「そりゃ何より……ん?」
ハルヒの精神状態が安定している? 今朝まであんなにピリピリしていたのに、それでも閉鎖空間が作り出されることもない程度に安定しているのか?
「そうです。確かにあなたがおっしゃるように、昨日の涼宮さんは見ているだけでも解るほど、ストレスを抱えているようではあったんですが……それでも閉鎖空間は発生しておりません。再び能力が安定しているのかもしれませんね」
そうなのか。今朝、俺が話しかけるまでのハルヒを見れば、日本各地のみならず、世界各地で閉鎖空間の十個や二〇個は作り出してるんじゃないかと思っていたんだがなぁ。機嫌取りで、明日の海水浴に行くなんて無茶なことを言わなけりゃよかった。
「おや、来られるんですか?」
「出来れば辞退したい」
「来ていただかなければ困りますよ。何しろ涼宮さんだけではなく、他の皆さんもあなたがいないとつまらなさそうにしてますからね。かくいう僕も、男一人で個性的なお三方と行動を共にするのは気が気じゃありません」
「客観的に見れば羨ましいシチュエーションだぜ」
「僕では役者が不足しています。あなたがいて、ちょうどバランスがいいんですよ」
「……それは喜ぶべきところなのか?」
「僕はこれでも、あなたを羨んでいるのですよ」
「そーかよ」
古泉におだてられたところで嬉しくも楽しくもない。おまけに無駄な長話をしちまった。そろそろ次の授業が始まる時間だ。
「じゃあな」
「今日は部室に来られるんですか?」
「あー……」
去り際に問われた古泉の言葉に、俺は携帯を取り出して、試しに着信履歴を確かめてみた。電話は掛かってきてないが、メールの着信が一件だけある。誰からのものか、二つ折りの携帯を開いて確かめちゃいないが、察しは付く。
「無理そうだ」
「それは残念です」
いつもと変わらぬ笑顔のまま、本当に残念がっているのか判断しかねる古泉を一瞥して、けだるい五〇分の授業に挑むために俺は教室に戻った。
つづく
涼宮ハルヒの信愛:二章-b
その日最初の授業で、俺は思った通りの行動を取っていた。ノートを取っているように見せかけて頬杖を突き、その実、意識は夢の世界を漂ってるってわけだ。
かといって、一日に必要な睡眠量をその程度で補えるわけもなく、うつらうつらとしていたが、眠気がばっちり取れるようなことはなかった。
ただ、幸いだったのは背後のハルヒが不機嫌オーラを醸しだしていなかったことだ。あのプレッシャーたるや、そこいらの猛毒なんぞ目じゃない。ヒットポイントゲージが瞬く間に目減りしていく勢いだ。それがなかっただけでも、睡眠不足でやつれた俺の体は、日常行動に支障を来すこともなく動けるだけの気力を残せたようだ。
「やあ、どうも。何やら久しぶりですね」
次の授業は、何かと小うるさい教師の授業だったなと思い出し、授業そっちのけで惰眠を貪るのは難しいと判断した俺は、手洗いついでに顔も洗おうと男子トイレに向かったわけだが……そこで古泉に声をかけられた。
「そんなでもないだろ」
せいぜい、一日ほど会ってないくらいさ。
「いやはや、高校生活が始まってから、ほぼ毎日お会いしてますからね。わずか一日とは言え、あなたの顔を見ないと何やら寂しさを覚えてしまいますよ」
おまえはなんつー気色悪いことを、どの面下げて言ってんだ? 寝言は寝てるときに言え。いや、寝ていてもそんな寝言は口にするな。怖気が走る。
「それはそうと……あなたも随分と危険な綱を渡るものですね」
「あん?」
「昨日、あなたが楽しい夕食を過ごされた、あのお二人についてですよ」
ああ……佐々木たちのことか。夕食の~……なんて言うから、一瞬だけ喜緑さんの姿が脳裏をかすめたぞ。確かにあの人との食事は、さまざまな意味合いを込めて「危険な綱渡り」と称しても構わんだろうが、佐々木と橘の二人が相手は、何も危険なことなんてないだろ。
「覗き見ってのは、いい趣味じゃないな」
「あいにく、僕にもそういう趣味はありません。ですが涼宮さんに関わるすべての人の保全も、僕らの役目ですから。特にあなたは内情をよくご存じでしょう。万が一の事態は、是が非でも回避したいのですよ」
「万が一ねぇ……」
紛争地域や戦国時代じゃあるまいし、現代日本で万も億もあってたまるか。
「先月の事件やゴールデンウィークに起きた出来事をお忘れですか?」
「ああ」
確かにあのときは何かと大変だった。起きた直後は「ふざけんな」と一人憤慨したもんだが、喉元過ぎればなんとやらさ。
起きたことは仕方がない。そしてそれは無事に解決した。だったら後は、そんなこともあったなと、笑って話せるような思い出にするのが潔しってやつだろ。ねちねちと恨み節を垂れ流しても虚しいだけだぜ。
「随分と達観したものですね。僕としては、そこまで大らかな心は持てない、と言うのが本音ですよ」
「気持ちは解るけどな。去年の俺だったら同意してやるぜ。でもまぁ、この一年で厄介で面倒な事件に巻き込まれたり、押しつけられたりしてきたんだ。達観しなけりゃ、やってらんないぞ」
「そういうものですか」
「そういうもんだろ。高校になってから……おまえは四年前からか? どっちにしろ、その日から立て続けにあれこれ起きてるんだ。そのひとつひとつでキレてちゃ、ストレス過多でぶっ倒れるさ」
「おっしゃることはごもっとも。ですが、相手が相手です」
「じゃあ、こう考えてみろよ。おまえはハルヒの無意識とやらで妙な力を拒否権なく与えられて、閉鎖空間で重労働を強いられることになったんだろ? そのことで文句を言いたいと、今でも思ってるか?」
俺の問いかけに、古泉はしばし考えるように手を口元に当てると、困ったような笑みを浮かべた。もっとも、それもポーズだけで、すぐに答えが出ていたんだと思うがな。
「四年前に起きたことと、つい一ヶ月前の出来事では比べようがありませんね」
「どっちも『昔のこと』で片の付く話さ。問題なのは、厄介事を引き起こすのがハルヒだけじゃなくなったってことくらいだ。そういう意味では、おまえも閉鎖空間でのバイトに橘京子の相手もしなけりゃならんで大変だな」
「お気遣いいただき、ありがとうございます。幸いなのが、ここ最近の涼宮さんの精神状態が安定していることですね。春先の一件以来、何事もなく過ごしていますよ」
「そりゃ何より……ん?」
ハルヒの精神状態が安定している? 今朝まであんなにピリピリしていたのに、それでも閉鎖空間が作り出されることもない程度に安定しているのか?
「そうです。確かにあなたがおっしゃるように、昨日の涼宮さんは見ているだけでも解るほど、ストレスを抱えているようではあったんですが……それでも閉鎖空間は発生しておりません。再び能力が安定しているのかもしれませんね」
そうなのか。今朝、俺が話しかけるまでのハルヒを見れば、日本各地のみならず、世界各地で閉鎖空間の十個や二〇個は作り出してるんじゃないかと思っていたんだがなぁ。機嫌取りで、明日の海水浴に行くなんて無茶なことを言わなけりゃよかった。
「おや、来られるんですか?」
「出来れば辞退したい」
「来ていただかなければ困りますよ。何しろ涼宮さんだけではなく、他の皆さんもあなたがいないとつまらなさそうにしてますからね。かくいう僕も、男一人で個性的なお三方と行動を共にするのは気が気じゃありません」
「客観的に見れば羨ましいシチュエーションだぜ」
「僕では役者が不足しています。あなたがいて、ちょうどバランスがいいんですよ」
「……それは喜ぶべきところなのか?」
「僕はこれでも、あなたを羨んでいるのですよ」
「そーかよ」
古泉におだてられたところで嬉しくも楽しくもない。おまけに無駄な長話をしちまった。そろそろ次の授業が始まる時間だ。
「じゃあな」
「今日は部室に来られるんですか?」
「あー……」
去り際に問われた古泉の言葉に、俺は携帯を取り出して、試しに着信履歴を確かめてみた。電話は掛かってきてないが、メールの着信が一件だけある。誰からのものか、二つ折りの携帯を開いて確かめちゃいないが、察しは付く。
「無理そうだ」
「それは残念です」
いつもと変わらぬ笑顔のまま、本当に残念がっているのか判断しかねる古泉を一瞥して、けだるい五〇分の授業に挑むために俺は教室に戻った。
つづく
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[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
どうにもこの二人のやりとりは書いていて疲れちゃうのですよ。互いに絶対本音を出さないから、書くことの裏をわざわざ書かなければならずで。ああん(;´Д`)って感じです。
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