category: 日記
DATE : 2007/10/19 (Fri)
DATE : 2007/10/19 (Fri)
なんだか日記のネタが何もないのでえす。
だって仕方ないじゃない。人間だもの。
そんなわけで、SSだけ置いていきます。
ではまた明日に!
だって仕方ないじゃない。人間だもの。
そんなわけで、SSだけ置いていきます。
ではまた明日に!
前回はこちら
涼宮ハルヒの信愛:二章-a
例えば誰かに「若さとは何か?」と問われたとき、どんな答えを示せば相手を納得させることができるだろう。ひとまず俺は、「無茶をすることだ」と答えたい。その回答でどれだけの点数が貰えるか知らんけども、今の俺を見ればどんなに厳格で気難しい教師でも、花まる満点をくれるだろう。そのくらい、自分でも無茶をしたと思う。
昨晩、喜緑さんが帰ってから、何処に仕舞い込んだか解らない中学の卒業アルバム探しという家宅捜査を実行し、激しい肉体的疲労に襲われたのが第一弾。どうにかアルバムを見つけ出したあとは、連絡の取れなかった旧友宛への同窓会開催のダイレクトメール作りを始め、細かいアルバムの文字とパソコンのモニターへ交互に目を向けることで激しい眼精疲労に襲われたのが、疲労困憊の第二弾。そして最終的には、一連の作業を終了させるのに東の空から太陽が顔を出すころまで続き、仮眠でも取ろうものなら学校へ行く時間までに起きられる保障はなく、結局徹夜になってしまったのが、若さ故の無茶っぷりの全貌だ。
……何やってんだろうな、俺……。
今さらこんなことを言うのも気が引けるがが、それでも言いたい。絶対的な仕事量は佐々木より多いよな?
もしかしてと思うが、あいつもハルヒのように、厄介事はすべて俺に押しつけようと考えてるんじゃないだろうな? そう思えて仕方がない。この……何と言えばいいだろう、胸の奥でもにゅっとした気分を、いったい誰にぶつければいいんだろうか。ため込んだストレスの吐き出し口がないのは、何かにつけて体によくないと思われる。
「…………」
その点、こいつは多種多彩なストレス解消方法を会得している。一昔前までは閉鎖空間をばんばん作りだし、ここ最近では俺にあたり、朝比奈さんで着せ替えを楽しんだりと、幸せそうで何よりだ。
だからその……なんだ。朝の初っ端くらいは、もう少し愛想のいい態度をしてほしいんだけどな。
「なんであたしが、あんたに愛想よくしなきゃなんないのよ。バッカじゃないの?」
俺よりもストレス解消方法は多岐にわたって完備しているってのに、どうしてこうも不機嫌なんだろうね。ご機嫌取りもバカらしい。こっちはこっちで、睡眠不足で頭の中が朦朧としているんだ。不機嫌なハルヒの相手なんぞ、やってられるか。
「……昨日」
溜息一つ、俺が自分の席に腰を下ろすや否や、背後からハルヒが何やら呟いた。
それは俺に話しかけているんだろうか? ともすれば意味のない独り言のような囁きにも似た口調は、どうにも判然としない。無視したままで問題なさそうだが、もしそうでなければ、ただでさえ不機嫌気分を晒け出しているハルヒの機嫌は、瞬く間に臨界点を突破するだろう。誰かそろそろ、この不安定な核融合炉よりも厄介な神様モドキをどうにかしてくれなか。
「何だって?」
仕方なく反応して振り返れば、ハルヒは偉そうに腕を組んで、人を見下すような目を向けていた。何だよ。
「昨日の放課後、有希とみくるちゃんの三人で買い物に行ったの」
「……そうか」
って、何故睨む。そんな日常会話を振られて、他に何をどうコメントすりゃいいんだよ。
「何も気にならないってわけ?」
「あん? あー……ああ、何を買ったんだ?」
たぶん、こんな風に聞いてもらいたいんだろう。そんな前振りなんぞせずに、素直に話せばいいものを。
まさに予定調和としか言いようがない俺の問いかけに、ハルヒは「仕方ないわね」とでも言い出しそうな態度でふんぞり返った。
「明日着る水着」
「へぇ」
そういえば今日は金曜日か。今週末に海に行くとか言ってたから、明日がその予定日だってわけか。それでわざわざ水着まで調達したとはね。気合い充分だな。
「有希やみくるちゃんの水着ね、あたしが見立てたの。去年はほら、二人とも可愛い系だったでしょ? だから今年は、もう少し色気のあるものにしたのよ。特にみくるちゃん、すっごいの選んだんだから」
「凄い……ねぇ」
人前で平気でバニーガール姿を披露したり、際どいスリットの入ったチャイナドレスを平然と着こなすハルヒが言う「凄い」とは、果たしてどのレベルだろう。よもや公序良俗に反するもんじゃないだろうな? それは流石にまずい気もするが、反面、見られるものなら見ておきたいと思う俺の気持ちを、果たして誰が責められようか。
「……ヘンタイ」
ハルヒが責めて来た。
「まぁでも、あんたは明日、いないんだもんね。ちょーどよかったわ、邪な目で見る変質者が側にいないだけ、みくるちゃんも安心よねー」
「そういうおまえは、どんな水着を買ったんだ?」
「え?」
え、って何だよ。昨日、水着を買いに行ったって話の出だしから朝比奈さんと長門の水着の話題が出て、それでハルヒはどうなんだ? っていう話の流れはそんなにおかしいもんかね?
「あたしは別に……去年のがまだ着られるもの。変わんないわよ」
「そうなのか」
ハルヒはとかくあれだ。人にあれこれ着せて楽しむくせに、自分で着ることに関しては、やや無頓着なとこがある。部室で朝比奈さんにいろいろなコスチュームを着せる前に、おまえが着てろと、何度思ったことか。
「あー、でも……うー」
何やらハルヒは、急に戸惑い始めた。
「なんだよ」
「べっ、別に何でもないわよっ!」
何で怒鳴られなけりゃならんのだ。寝不足の頭にガンガン響く声音は、正直勘弁してほしい。訳がわからん。
「ただ、その……けっこういいなーって思うのが、お店にあったのを思い出しただけ」
「ふぅん。どんなのだ?」
「どんな? どんなって、そんなもん、口で言ってあんた解るの?」
それこそハルヒの説明ひとつだと思うが、いかんせん、今はあまり頭が回ってないからな。よっぽど懇切丁寧に説明してくれなけりゃ解らんかもしれん。そんな面倒なことをハルヒがするはずもないので、結局は口で言われても解らないってことなんだろう。
「でも、いいの。そんな無駄遣いはできないし、あんまり派手に泳げなさそうな水着だったんだもの。あたしは明日、みんなのことをしっかり監督しとかなきゃならないし、みんなの荷物からも目を離せないし」
そんな真似、今まで一度足りともやったことねぇだろ、と突っ込むべきなのか悩む。そもそも全員の荷物を見ておくつもりなら、泳ぎに適してない水着でも問題ないように思うのだが、どうにもハルヒが言ってることが理解できない。それともこれは、俺の脳味噌が寝不足で、ちゃんと働いてないことに問題があるんだろうか?
「まぁ、他に荷物見てくれている人がいるなら、話は別なんだけど」
「古泉にでも監視させときゃいいじゃないか」
「ダメよ。古泉くんは副団長だもの。そんな雑務は押しつけられないわ」
副団長はダメで団長がオッケーってのも意味不明だよな。
「仕方ないでしょ、雑用のあんたがいないんだもの。団長たるあたしは、例え最下層のペーペーのやることでも、穴が空いたら補わなくちゃならないの。一番上に立つならそのくらいはしなきゃダメよ。偉そうにふんぞり返って口うるさいだけの、どこぞの生徒会会長とは違うんだから」
これは驚きだ。ハルヒが、このハルヒが! あの生徒会長の態度を反面教師として受け取ってるらしい。もっとも、この発言とてこの場限りのものって保障はないわけだがな。
「それはつまり、俺のせいで新しい水着を諦めたって言いたいのか」
「そーよっ! あんたのせいなんだから!」
自分で言っといてなんだか、本当にそれは俺のせいなのか? 八つ当たり以外の何ものでもないように思える。溜息を吐くのもバカらしい。
「わかったよ。明日、行けばいいんだろ」
「え? でもあんた、来れないんでしょ?」
「出発から一緒にってのは確かに無理だが、午後からなら時間は作れる」
「いいわよ別に。そんな無理しなくても」
「じゃあ、やめとくか」
「ああでもっ! あんたがそこまで言うなら……まぁ、しょうがないわよね。まだ夏も始まったばかりだし、午後からじゃ冷え込むだろうから海に入れないだろうけど、それでもよければ……好きにすれば?」
「好きにするさ」
ようやく朝っぱらのハルヒとの不毛な会話を打ち切ることができた。やれやれ、これで少しは静かになるだろう。後は授業中、教師にバレないように寝られるかどうかが問題だ。
しっかし……自分で言っといて何だが、果たして本当に何とかなるんだろうか? ハルヒとの会話を切り上げたい一身で出た言葉だったわけだが……まぁ、言ってしまった以上は仕方がない。
なんとかなるといいな、ホントにさ。
つづく
涼宮ハルヒの信愛:二章-a
例えば誰かに「若さとは何か?」と問われたとき、どんな答えを示せば相手を納得させることができるだろう。ひとまず俺は、「無茶をすることだ」と答えたい。その回答でどれだけの点数が貰えるか知らんけども、今の俺を見ればどんなに厳格で気難しい教師でも、花まる満点をくれるだろう。そのくらい、自分でも無茶をしたと思う。
昨晩、喜緑さんが帰ってから、何処に仕舞い込んだか解らない中学の卒業アルバム探しという家宅捜査を実行し、激しい肉体的疲労に襲われたのが第一弾。どうにかアルバムを見つけ出したあとは、連絡の取れなかった旧友宛への同窓会開催のダイレクトメール作りを始め、細かいアルバムの文字とパソコンのモニターへ交互に目を向けることで激しい眼精疲労に襲われたのが、疲労困憊の第二弾。そして最終的には、一連の作業を終了させるのに東の空から太陽が顔を出すころまで続き、仮眠でも取ろうものなら学校へ行く時間までに起きられる保障はなく、結局徹夜になってしまったのが、若さ故の無茶っぷりの全貌だ。
……何やってんだろうな、俺……。
今さらこんなことを言うのも気が引けるがが、それでも言いたい。絶対的な仕事量は佐々木より多いよな?
もしかしてと思うが、あいつもハルヒのように、厄介事はすべて俺に押しつけようと考えてるんじゃないだろうな? そう思えて仕方がない。この……何と言えばいいだろう、胸の奥でもにゅっとした気分を、いったい誰にぶつければいいんだろうか。ため込んだストレスの吐き出し口がないのは、何かにつけて体によくないと思われる。
「…………」
その点、こいつは多種多彩なストレス解消方法を会得している。一昔前までは閉鎖空間をばんばん作りだし、ここ最近では俺にあたり、朝比奈さんで着せ替えを楽しんだりと、幸せそうで何よりだ。
だからその……なんだ。朝の初っ端くらいは、もう少し愛想のいい態度をしてほしいんだけどな。
「なんであたしが、あんたに愛想よくしなきゃなんないのよ。バッカじゃないの?」
俺よりもストレス解消方法は多岐にわたって完備しているってのに、どうしてこうも不機嫌なんだろうね。ご機嫌取りもバカらしい。こっちはこっちで、睡眠不足で頭の中が朦朧としているんだ。不機嫌なハルヒの相手なんぞ、やってられるか。
「……昨日」
溜息一つ、俺が自分の席に腰を下ろすや否や、背後からハルヒが何やら呟いた。
それは俺に話しかけているんだろうか? ともすれば意味のない独り言のような囁きにも似た口調は、どうにも判然としない。無視したままで問題なさそうだが、もしそうでなければ、ただでさえ不機嫌気分を晒け出しているハルヒの機嫌は、瞬く間に臨界点を突破するだろう。誰かそろそろ、この不安定な核融合炉よりも厄介な神様モドキをどうにかしてくれなか。
「何だって?」
仕方なく反応して振り返れば、ハルヒは偉そうに腕を組んで、人を見下すような目を向けていた。何だよ。
「昨日の放課後、有希とみくるちゃんの三人で買い物に行ったの」
「……そうか」
って、何故睨む。そんな日常会話を振られて、他に何をどうコメントすりゃいいんだよ。
「何も気にならないってわけ?」
「あん? あー……ああ、何を買ったんだ?」
たぶん、こんな風に聞いてもらいたいんだろう。そんな前振りなんぞせずに、素直に話せばいいものを。
まさに予定調和としか言いようがない俺の問いかけに、ハルヒは「仕方ないわね」とでも言い出しそうな態度でふんぞり返った。
「明日着る水着」
「へぇ」
そういえば今日は金曜日か。今週末に海に行くとか言ってたから、明日がその予定日だってわけか。それでわざわざ水着まで調達したとはね。気合い充分だな。
「有希やみくるちゃんの水着ね、あたしが見立てたの。去年はほら、二人とも可愛い系だったでしょ? だから今年は、もう少し色気のあるものにしたのよ。特にみくるちゃん、すっごいの選んだんだから」
「凄い……ねぇ」
人前で平気でバニーガール姿を披露したり、際どいスリットの入ったチャイナドレスを平然と着こなすハルヒが言う「凄い」とは、果たしてどのレベルだろう。よもや公序良俗に反するもんじゃないだろうな? それは流石にまずい気もするが、反面、見られるものなら見ておきたいと思う俺の気持ちを、果たして誰が責められようか。
「……ヘンタイ」
ハルヒが責めて来た。
「まぁでも、あんたは明日、いないんだもんね。ちょーどよかったわ、邪な目で見る変質者が側にいないだけ、みくるちゃんも安心よねー」
「そういうおまえは、どんな水着を買ったんだ?」
「え?」
え、って何だよ。昨日、水着を買いに行ったって話の出だしから朝比奈さんと長門の水着の話題が出て、それでハルヒはどうなんだ? っていう話の流れはそんなにおかしいもんかね?
「あたしは別に……去年のがまだ着られるもの。変わんないわよ」
「そうなのか」
ハルヒはとかくあれだ。人にあれこれ着せて楽しむくせに、自分で着ることに関しては、やや無頓着なとこがある。部室で朝比奈さんにいろいろなコスチュームを着せる前に、おまえが着てろと、何度思ったことか。
「あー、でも……うー」
何やらハルヒは、急に戸惑い始めた。
「なんだよ」
「べっ、別に何でもないわよっ!」
何で怒鳴られなけりゃならんのだ。寝不足の頭にガンガン響く声音は、正直勘弁してほしい。訳がわからん。
「ただ、その……けっこういいなーって思うのが、お店にあったのを思い出しただけ」
「ふぅん。どんなのだ?」
「どんな? どんなって、そんなもん、口で言ってあんた解るの?」
それこそハルヒの説明ひとつだと思うが、いかんせん、今はあまり頭が回ってないからな。よっぽど懇切丁寧に説明してくれなけりゃ解らんかもしれん。そんな面倒なことをハルヒがするはずもないので、結局は口で言われても解らないってことなんだろう。
「でも、いいの。そんな無駄遣いはできないし、あんまり派手に泳げなさそうな水着だったんだもの。あたしは明日、みんなのことをしっかり監督しとかなきゃならないし、みんなの荷物からも目を離せないし」
そんな真似、今まで一度足りともやったことねぇだろ、と突っ込むべきなのか悩む。そもそも全員の荷物を見ておくつもりなら、泳ぎに適してない水着でも問題ないように思うのだが、どうにもハルヒが言ってることが理解できない。それともこれは、俺の脳味噌が寝不足で、ちゃんと働いてないことに問題があるんだろうか?
「まぁ、他に荷物見てくれている人がいるなら、話は別なんだけど」
「古泉にでも監視させときゃいいじゃないか」
「ダメよ。古泉くんは副団長だもの。そんな雑務は押しつけられないわ」
副団長はダメで団長がオッケーってのも意味不明だよな。
「仕方ないでしょ、雑用のあんたがいないんだもの。団長たるあたしは、例え最下層のペーペーのやることでも、穴が空いたら補わなくちゃならないの。一番上に立つならそのくらいはしなきゃダメよ。偉そうにふんぞり返って口うるさいだけの、どこぞの生徒会会長とは違うんだから」
これは驚きだ。ハルヒが、このハルヒが! あの生徒会長の態度を反面教師として受け取ってるらしい。もっとも、この発言とてこの場限りのものって保障はないわけだがな。
「それはつまり、俺のせいで新しい水着を諦めたって言いたいのか」
「そーよっ! あんたのせいなんだから!」
自分で言っといてなんだか、本当にそれは俺のせいなのか? 八つ当たり以外の何ものでもないように思える。溜息を吐くのもバカらしい。
「わかったよ。明日、行けばいいんだろ」
「え? でもあんた、来れないんでしょ?」
「出発から一緒にってのは確かに無理だが、午後からなら時間は作れる」
「いいわよ別に。そんな無理しなくても」
「じゃあ、やめとくか」
「ああでもっ! あんたがそこまで言うなら……まぁ、しょうがないわよね。まだ夏も始まったばかりだし、午後からじゃ冷え込むだろうから海に入れないだろうけど、それでもよければ……好きにすれば?」
「好きにするさ」
ようやく朝っぱらのハルヒとの不毛な会話を打ち切ることができた。やれやれ、これで少しは静かになるだろう。後は授業中、教師にバレないように寝られるかどうかが問題だ。
しっかし……自分で言っといて何だが、果たして本当に何とかなるんだろうか? ハルヒとの会話を切り上げたい一身で出た言葉だったわけだが……まぁ、言ってしまった以上は仕方がない。
なんとかなるといいな、ホントにさ。
つづく
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[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
挿絵ですか。絵心のない自分には、とても描けそうにありませんw 何しろ球体に影を描くことすらできないくらいなもんで。
きっと強く念じれば、誰かが描いてくれるかもしれませんヨ! むしろ自分が切望してマス。
きっと強く念じれば、誰かが描いてくれるかもしれませんヨ! むしろ自分が切望してマス。
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
それはでもあれです、ハルヒさんが相手だからですヨ。他の人相手では、ここまで簡単に折れないんじゃないかなと。
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