category: 日記
DATE : 2007/12/12 (Wed)
DATE : 2007/12/12 (Wed)
にゃーん、というよりも、やーん、って感じで「信愛」がまだ終わりません。
登場人物が多いと、それだけ畳むのに手間取るということでしょうか。もうしばらくかかりそうです。
というか今日は特にネムイです。ネムイし終わらないしで、致し方なく終章-bという形でSSをUPしておきます。ちゃっ、ちゃんとやってるんだからねっ! みたいなツンデレっぽさを演出しようとしてるわけですが、その意図を汲み取ってくれる人がどれほどいるのか疑問に思えてならず。
しかしあれです、ここまで来たら本当にあとちょっとで終わりますので、明日こそは! 明日こそはっ! と思いつつ、そろそろ寝ます(ρw-).。o○
登場人物が多いと、それだけ畳むのに手間取るということでしょうか。もうしばらくかかりそうです。
というか今日は特にネムイです。ネムイし終わらないしで、致し方なく終章-bという形でSSをUPしておきます。ちゃっ、ちゃんとやってるんだからねっ! みたいなツンデレっぽさを演出しようとしてるわけですが、その意図を汲み取ってくれる人がどれほどいるのか疑問に思えてならず。
しかしあれです、ここまで来たら本当にあとちょっとで終わりますので、明日こそは! 明日こそはっ! と思いつつ、そろそろ寝ます(ρw-).。o○
前回はこちら
涼宮ハルヒの信愛:終章-b
「ひどいじゃありませんか! いくらなんでもあんまりなのです。それは充分な裏切り行為です!」
「うん、そうだね。申し開きもないよ。有り体な謝罪の言葉しか思い浮かばないほど、本当に申し訳ないと思ってる」
「そ、それならそうで、なんでそんなニコニコしてるんですかっ! そんなの、ちっとも反省してないじゃないですか!」
こっちもこっちで騒がしいことこの上ない。外の待合室から近かったから立ち寄ったから佐々木の様子を先に見に来てみれば、橘がかなりの剣幕で佐々木を怒鳴りつけている珍しい場面に遭遇した。
「元気そうだな」
「やあ、キョン。おかげさまでね、この通り橘さんに怒鳴られている。あのまま眠り続けていた方がよかったんじゃないかと思えるほどさ」
そう言う佐々木は、けれどどこか楽しそうでもある。
「当たり前です。あたしは佐々木さんが佐々木さんだからこそ一緒にいるんです。別に涼宮さんになってもらいたいわけないのです。それなのに……んもーっ! あなたからも何か言ってください」
「俺が何を言えばいいんだ?」
そんことは俺があれこれ言うことじゃない。そもそも俺が言うことはもう言ってるし、橘にも思うところがあるのなら、包み隠さずそれを言えばいいじゃないか。そういうのが友達ってもんじゃないのかね?
「じゃあ言います。やっぱりですね、あなたがいないとダメなんだと思うのです」
「はぁ?」
「能力云々の話だけではなくてですね、佐々木さん自身にもあなたは必要なのですよ。あたしでは、やっぱりそのぅ、いろいろと足りない部分がありますし、何よりあなたでなければ補えない部分があるのです。今回のことも、あなたでなければダメだったじゃありませんか」
「あのなぁ……」
それは何だ、閉鎖空間で朝倉に言われたことを気にしてるのか? あのとき、あそこで佐々木に近付くことができたのは、朝倉の言うとおり俺だけだったのかもしれないが、だからと言ってそれが今後もずっとそうだとは限らないじゃないか。
「やめておきなよ、橘さん。そんな理由でキョンが考えを改めるとは思えないし、何より不毛だ」
「でも」
「キョン、キミはああ言ってくれたがね。でも今の僕も僕であることに違いない。嘘も言い続ければ真実になると言うだろう? これもまた、僕の本来の姿だ」
そう言って、佐々木は何故か溜息を吐いた。
「キミが言うように、僕は僕だった。他の誰かにはならないし、僕が僕自身を否定することもできない。だから、僕は僕のままで在り続けるしかない。それが例え、キミが側にいてくれなくともね」
「俺はここにいるだろ」
「そういう話ではなく、気持ちの話なのだよ。キミは僕にとって居心地のいい存在だった。だから僕はキミから与えられることを望んでいた。でも涼宮さんはそうではなかった。そしてキミも与える人ではない。その時点で道は分かれてしまったんだろうね。キミはキミの道を歩むし、僕は僕一人の力で歩んでいかなければならない」
「あー……なんというか」
あまりにも抽象的な意見で、佐々木が何を言わんとしているのかイマイチ解らない。ただ、これは俺への説明でもなければ感謝の言葉でもなく、佐々木自身の決意表明みたいなもんなのかな、と思う。
「道がどうのと言うのなら、それがなんで他と交わらない一本道なんだ? 他の道と交わることだってあるかもしれないし、そういう道がないなら作ればいいように思うが」
それが佐々木の言葉に対して、どれだけ的を射たとなのか解らないが、俺は普通にそう思う。その言葉を受けて、佐々木は不意を突かれたように口を閉ざし、しばらくしてから、喉の奥を鳴らすように笑い声を漏らした。
「なるほど、確かにキミが言うことにも一理ある。道がないなら作ればいい、か。確かにその通りだ。キミはつくづく、面白いな」
「そうか?」
「そうさ」
ひとしきり笑いを噛み締めた後、佐々木はふと笑みの色彩を変えてみせた。
「……ありがとう、キョン。キミはやはり、僕にとって掛け替えのない親友なのだろう。ただ、今後もそうで在り続けるかは保障の限りではないがね」
「だろうな」
人の気持ちほど、永久不変で変わらないと保障できないものはない。いい方か、あるいは悪い方のどちらかへ必ず転ぶもんだと思う。でなけりゃ佐々木はここに戻って来なかっただろうし、俺の周りにいる奴らも、俺自身も、変わりはしない。
「そうだね。確かにその通りだ。ただね、キョン。キミがいつまでもここにいるのは、親友としてどうかと思う。僕よりも気に掛けている相手はいるだろう?」
「別に何も気に掛けちゃいないが」
「キミたちならそうかもしれないが、でもそれでも不安になることはあるだろう。人は気持ちで繋がることができる。でもね、その繋がりは弛むこともある。その弛みを取り除くのが言葉なのではないかな。だから、人には言葉も必要なのさ」
佐々木が何を言わんとしているのか推し量るには材料が足りてない……気がする。ただ、要約すれば「とっととハルヒのところへ行け」と言ってるんだろう。しかもそれは、どうやら俺と佐々木の友情を左右するような代物らしい。
そこまで言われたら、退散するしかない。
「あたし、諦めません。あなたはやっぱり必要なのです」
佐々木に言われて部屋を出て行こうとする俺に向かって、橘がそんなことを言ってきた。おまえはまだそんなことを言うのかと呆れ果てちまう。
「諦めないのは勝手だが、何でおまえは別の考え方ができないんだ?」
「え?」
「もしおまえが言うように佐々木が俺を必要としているように見えたなら、どうしておまえ自身が俺よりも佐々木に必要とされる存在になろうとしないんだ?」
「そんなこと、できるわけが……」
「やってみなくちゃ解らないと思うけどな。これからは、俺よりもおまえの方が佐々木の側にいる時間はあるだろ」
「そんなこと、解りません」
「確かに解らないけどさ、だから何がどうなるかも解らないだろ」
「んむ~……っ」
犬が威嚇するようなうなり声を出すなよ。そんな睨まれて唸られても、おまえにあれこれ言われて「はい、わかりました」と首を縦に振るわけないだろ。
「あたし、それでもやっぱり諦めませんからっ!」
結局、何を言っても平行線ならこれ以上言葉を重ねたところで変わらない。ヤケクソ気味に叫ぶ橘の怒鳴り声を後目に、俺は嘆息混じりに廊下へと進みでた──。
「上手くことを収めたようだな」
「──────」
──ところで、壁により掛かっている藤原と、所在なげに立ちつくしている九曜の二人に遭遇した。おまえらは何だ、こんなところにいないで中に入ればいいじゃないか。
「別に馴れ合うつもりはない」
「そうかよ」
それならそうで勝手にすればいいさ。自分から離れようとするヤツを引き留めようと、俺も思わない。よく言うだろ、来るモノ拒まず去る者追わずってな。そもそも、こいつらがどうしようが、俺が引き留める謂われもない。
「あんたがやったことは、結局何も変わらない。元の木阿弥だ」
「ああ、そうかい」
「あんたもバカなヤツだ。上手くすれば今回のことですべてにケリが着いたかも知れないのにな。厄介で面倒な事柄からすべて解放されるというのに、そうしなかったのは愚かとしか言えない」
「それはつまり、おまえの提案に乗っからなかった俺への愚痴か」
「さぁな」
「なら聞くが、もしおまえの提案に乗っかって、俺が佐々木よりもハルヒを優先させたとして、それでもおまえはそうしたか?」
「ふん、絶たれた未来の出来事なんぞを論議したところで意味はない」
などと藤原は言い捨てるが、何故だろうな、そんな台詞はごまかしにしか聞こえない。今はこいつと腹の探り合いをする気分じゃないんだ。
「おまえは、これから起こることを知ってるんじゃないのか?」
「ひとつだけ教えてやろう。未来というのは終わることのない道路建設みたいなものなんだ。目の前に見える道は変えようがないが、遙か彼方の道はまだ造られていない。目的の場所は決まっていても、そこに至る道はどうとでも造れる」
「佐々木の受け売りかよ」
「あんたらの会話を流用してやったんだ。どんな愚鈍なヤツでもわかるようにな」
愚鈍とは俺のことを言ってるのか。相変わらずな胸くそ悪いヤツだ……が、今は食って掛かるような元気もない。俺のライフゲージはもうゼロに近いんだ。
「────────」
そんな不毛な会話を続けている間、九曜は何も語らず身動きすら取らず、瀬戸の置物だってもう少し愛嬌があるだろうという佇まいのまま俺を見続けていた。何が言いたいのか、そもそも言いたいことがあるのかさえ解らん。
「九曜、これ連れてとっとと佐々木のところに顔を出してきたらどうだ」
「────────」
「なっ!? おっ、おい離せ! やめろっ!」
俺には九曜の言いたいことがあまり理解できないが、どうやら九曜には俺の言葉が解るらしい。言いつけ通りに藤原の襟首を捻り上げ、そのまま梱包された手荷物を運ぶようにずるずると引っ張りながら、佐々木と橘がいる室内へ向かっていく。
その間際、九曜が何かをぽつりと呟いたような気がする。俺の耳が正常に機能しているなら、たぶんあいつは「ありがとう」と言ったんだと思う。
つづく
涼宮ハルヒの信愛:終章-b
「ひどいじゃありませんか! いくらなんでもあんまりなのです。それは充分な裏切り行為です!」
「うん、そうだね。申し開きもないよ。有り体な謝罪の言葉しか思い浮かばないほど、本当に申し訳ないと思ってる」
「そ、それならそうで、なんでそんなニコニコしてるんですかっ! そんなの、ちっとも反省してないじゃないですか!」
こっちもこっちで騒がしいことこの上ない。外の待合室から近かったから立ち寄ったから佐々木の様子を先に見に来てみれば、橘がかなりの剣幕で佐々木を怒鳴りつけている珍しい場面に遭遇した。
「元気そうだな」
「やあ、キョン。おかげさまでね、この通り橘さんに怒鳴られている。あのまま眠り続けていた方がよかったんじゃないかと思えるほどさ」
そう言う佐々木は、けれどどこか楽しそうでもある。
「当たり前です。あたしは佐々木さんが佐々木さんだからこそ一緒にいるんです。別に涼宮さんになってもらいたいわけないのです。それなのに……んもーっ! あなたからも何か言ってください」
「俺が何を言えばいいんだ?」
そんことは俺があれこれ言うことじゃない。そもそも俺が言うことはもう言ってるし、橘にも思うところがあるのなら、包み隠さずそれを言えばいいじゃないか。そういうのが友達ってもんじゃないのかね?
「じゃあ言います。やっぱりですね、あなたがいないとダメなんだと思うのです」
「はぁ?」
「能力云々の話だけではなくてですね、佐々木さん自身にもあなたは必要なのですよ。あたしでは、やっぱりそのぅ、いろいろと足りない部分がありますし、何よりあなたでなければ補えない部分があるのです。今回のことも、あなたでなければダメだったじゃありませんか」
「あのなぁ……」
それは何だ、閉鎖空間で朝倉に言われたことを気にしてるのか? あのとき、あそこで佐々木に近付くことができたのは、朝倉の言うとおり俺だけだったのかもしれないが、だからと言ってそれが今後もずっとそうだとは限らないじゃないか。
「やめておきなよ、橘さん。そんな理由でキョンが考えを改めるとは思えないし、何より不毛だ」
「でも」
「キョン、キミはああ言ってくれたがね。でも今の僕も僕であることに違いない。嘘も言い続ければ真実になると言うだろう? これもまた、僕の本来の姿だ」
そう言って、佐々木は何故か溜息を吐いた。
「キミが言うように、僕は僕だった。他の誰かにはならないし、僕が僕自身を否定することもできない。だから、僕は僕のままで在り続けるしかない。それが例え、キミが側にいてくれなくともね」
「俺はここにいるだろ」
「そういう話ではなく、気持ちの話なのだよ。キミは僕にとって居心地のいい存在だった。だから僕はキミから与えられることを望んでいた。でも涼宮さんはそうではなかった。そしてキミも与える人ではない。その時点で道は分かれてしまったんだろうね。キミはキミの道を歩むし、僕は僕一人の力で歩んでいかなければならない」
「あー……なんというか」
あまりにも抽象的な意見で、佐々木が何を言わんとしているのかイマイチ解らない。ただ、これは俺への説明でもなければ感謝の言葉でもなく、佐々木自身の決意表明みたいなもんなのかな、と思う。
「道がどうのと言うのなら、それがなんで他と交わらない一本道なんだ? 他の道と交わることだってあるかもしれないし、そういう道がないなら作ればいいように思うが」
それが佐々木の言葉に対して、どれだけ的を射たとなのか解らないが、俺は普通にそう思う。その言葉を受けて、佐々木は不意を突かれたように口を閉ざし、しばらくしてから、喉の奥を鳴らすように笑い声を漏らした。
「なるほど、確かにキミが言うことにも一理ある。道がないなら作ればいい、か。確かにその通りだ。キミはつくづく、面白いな」
「そうか?」
「そうさ」
ひとしきり笑いを噛み締めた後、佐々木はふと笑みの色彩を変えてみせた。
「……ありがとう、キョン。キミはやはり、僕にとって掛け替えのない親友なのだろう。ただ、今後もそうで在り続けるかは保障の限りではないがね」
「だろうな」
人の気持ちほど、永久不変で変わらないと保障できないものはない。いい方か、あるいは悪い方のどちらかへ必ず転ぶもんだと思う。でなけりゃ佐々木はここに戻って来なかっただろうし、俺の周りにいる奴らも、俺自身も、変わりはしない。
「そうだね。確かにその通りだ。ただね、キョン。キミがいつまでもここにいるのは、親友としてどうかと思う。僕よりも気に掛けている相手はいるだろう?」
「別に何も気に掛けちゃいないが」
「キミたちならそうかもしれないが、でもそれでも不安になることはあるだろう。人は気持ちで繋がることができる。でもね、その繋がりは弛むこともある。その弛みを取り除くのが言葉なのではないかな。だから、人には言葉も必要なのさ」
佐々木が何を言わんとしているのか推し量るには材料が足りてない……気がする。ただ、要約すれば「とっととハルヒのところへ行け」と言ってるんだろう。しかもそれは、どうやら俺と佐々木の友情を左右するような代物らしい。
そこまで言われたら、退散するしかない。
「あたし、諦めません。あなたはやっぱり必要なのです」
佐々木に言われて部屋を出て行こうとする俺に向かって、橘がそんなことを言ってきた。おまえはまだそんなことを言うのかと呆れ果てちまう。
「諦めないのは勝手だが、何でおまえは別の考え方ができないんだ?」
「え?」
「もしおまえが言うように佐々木が俺を必要としているように見えたなら、どうしておまえ自身が俺よりも佐々木に必要とされる存在になろうとしないんだ?」
「そんなこと、できるわけが……」
「やってみなくちゃ解らないと思うけどな。これからは、俺よりもおまえの方が佐々木の側にいる時間はあるだろ」
「そんなこと、解りません」
「確かに解らないけどさ、だから何がどうなるかも解らないだろ」
「んむ~……っ」
犬が威嚇するようなうなり声を出すなよ。そんな睨まれて唸られても、おまえにあれこれ言われて「はい、わかりました」と首を縦に振るわけないだろ。
「あたし、それでもやっぱり諦めませんからっ!」
結局、何を言っても平行線ならこれ以上言葉を重ねたところで変わらない。ヤケクソ気味に叫ぶ橘の怒鳴り声を後目に、俺は嘆息混じりに廊下へと進みでた──。
「上手くことを収めたようだな」
「──────」
──ところで、壁により掛かっている藤原と、所在なげに立ちつくしている九曜の二人に遭遇した。おまえらは何だ、こんなところにいないで中に入ればいいじゃないか。
「別に馴れ合うつもりはない」
「そうかよ」
それならそうで勝手にすればいいさ。自分から離れようとするヤツを引き留めようと、俺も思わない。よく言うだろ、来るモノ拒まず去る者追わずってな。そもそも、こいつらがどうしようが、俺が引き留める謂われもない。
「あんたがやったことは、結局何も変わらない。元の木阿弥だ」
「ああ、そうかい」
「あんたもバカなヤツだ。上手くすれば今回のことですべてにケリが着いたかも知れないのにな。厄介で面倒な事柄からすべて解放されるというのに、そうしなかったのは愚かとしか言えない」
「それはつまり、おまえの提案に乗っからなかった俺への愚痴か」
「さぁな」
「なら聞くが、もしおまえの提案に乗っかって、俺が佐々木よりもハルヒを優先させたとして、それでもおまえはそうしたか?」
「ふん、絶たれた未来の出来事なんぞを論議したところで意味はない」
などと藤原は言い捨てるが、何故だろうな、そんな台詞はごまかしにしか聞こえない。今はこいつと腹の探り合いをする気分じゃないんだ。
「おまえは、これから起こることを知ってるんじゃないのか?」
「ひとつだけ教えてやろう。未来というのは終わることのない道路建設みたいなものなんだ。目の前に見える道は変えようがないが、遙か彼方の道はまだ造られていない。目的の場所は決まっていても、そこに至る道はどうとでも造れる」
「佐々木の受け売りかよ」
「あんたらの会話を流用してやったんだ。どんな愚鈍なヤツでもわかるようにな」
愚鈍とは俺のことを言ってるのか。相変わらずな胸くそ悪いヤツだ……が、今は食って掛かるような元気もない。俺のライフゲージはもうゼロに近いんだ。
「────────」
そんな不毛な会話を続けている間、九曜は何も語らず身動きすら取らず、瀬戸の置物だってもう少し愛嬌があるだろうという佇まいのまま俺を見続けていた。何が言いたいのか、そもそも言いたいことがあるのかさえ解らん。
「九曜、これ連れてとっとと佐々木のところに顔を出してきたらどうだ」
「────────」
「なっ!? おっ、おい離せ! やめろっ!」
俺には九曜の言いたいことがあまり理解できないが、どうやら九曜には俺の言葉が解るらしい。言いつけ通りに藤原の襟首を捻り上げ、そのまま梱包された手荷物を運ぶようにずるずると引っ張りながら、佐々木と橘がいる室内へ向かっていく。
その間際、九曜が何かをぽつりと呟いたような気がする。俺の耳が正常に機能しているなら、たぶんあいつは「ありがとう」と言ったんだと思う。
つづく
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[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
佐々木さん争奪、キョンくんvsきょこたんの七日間戦争が今ここで開戦でs……あ、嘘ですよー。
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
キョンくんからの一方通行っぽい気がしますが、それでも安泰なんでしょうか?w
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
べっ、べつにあんたのために仕上げたわけじゃないんだから(/////)
ともあれ、最後はやっぱりハルヒさんのところです。
ともあれ、最後はやっぱりハルヒさんのところです。
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