category: 日記
DATE : 2007/04/13 (Fri)
DATE : 2007/04/13 (Fri)
ちょろんと徹夜で仕事をして、その後に寝てしまったら睡眠時間がぐちゃぐちゃになってしまいました。
かと言って、寝ないことには頭も回らないのが困ったところ。
とりあえず寝てきますので。
本日の朝倉さんを置いていきますね( ´∀`)つ
かと言って、寝ないことには頭も回らないのが困ったところ。
とりあえず寝てきますので。
本日の朝倉さんを置いていきますね( ´∀`)つ
前回はこちら
【週刊朝倉涼子】
昨日、喜緑さんが言っていた再編入の手続きっていうのは、早い話が「学力テストをするからそれを受けてね」っていう話で、昨日の今日で以前のように学校に通えるほど、この人類社会っていうのはお気楽なものじゃないみたい
そんな再編入のための学力テストも無事終了。さすがに満点を取るわけにもいかないから適当に間違えたりはしたけれど、合格ラインは軽く突破してるんじゃないかしら。試験監督として再編入テストの監督官をしていた岡部先生も、問題ないだろうって言ってたし。
その岡部先生からは、クラスのみんなと会って行くか、とも言われたけれど、それは断った。
まだ少し……ほんの少しだけ、わたしの中に躊躇いみたいなものがあるみたい。昨日は勢いで「明日、学校で」みたいなことを彼に言ったけど、今日はただ再編入テストを受けに来ただけだものね。どうせだったら今日のテストの結果も出て、初登校時に教室で会うのがベストだと思うの。その方が流れも自然じゃない?
でも彼にああいう風に言った手前、やっぱり顔を出すべきなのかしら? 彼も待っている……待って……ないかなぁ。ないわね。昨日のあの態度を見れば、わたしが顔を出しても、あまりいい顔はしなさそう。だいたい、わたしを見ても驚きもしなくて、あまつさえ嫌そうな顔をしていたものね。
そういえば……驚きもしないっていうのは何でかしら? わたしがいるってこと、知ってたのかしらね。その姿を街中で偶然見かけたことはあるけれど……でもあのときは、気づかれる前にこっちから離れたのに。
「あれ……?」
とかなんとか考えつつ校内を歩いていたら、足が勝手に部室棟へ向かっていた。もっと正確に言えば、今目の前には文芸部部室の扉がある。
これは……ええっと、どうしよう。
そういえば今日のことについて、長門さんは何も言ってなかったわね。昨日、喜緑さんが「長門さんにしてやられた」って言ってたから、今回のことについて手を回してくれたのかとも思ったんだけど、はっきりしたことは何もわからなかった。昨晩、ちょっと訪ねて話を聞いてみたけれど、相も変わらずいつもの調子で本を読みながら「そう」の一言で終わり。
だから、これといった禁則行為は言い渡されていない。彼や涼宮さんに会うことも問題ないみたいだし、どこへ行こうにもご自由にっていうことみたい。
だから、ここに顔を出すことも原則問題なし、っていうことなんだろうけど、理由がないわ。どうせ顔を出すなら教室の方じゃない。まったく何やってるのかしら、わたし。こんなところで無駄な時間を過ごすくらいなら、早く帰って長門さんの夕飯でも作っておこうかな。
「あ」
所帯じみたことを考えてため息を吐いていると、少し驚きが混じった声が背後から聞こえた。振り向くとそこには、目を丸くしている朝比奈さんの姿。
そういえば、喜緑さんが涼宮さんの夢の世界に取り込まれて行方を捜していたときに、駅前のデパートで遭遇してたわね。あのときは不意に出会っちゃったものだから、彼や涼宮さんには黙っていて、とか、こっちが言わなければ変に思われることもないのに言っちゃって困惑させちゃったけど……でもどうせ、そんなことを覚えているはずないかしら。
「こんに」
「ごっ、ごめんなさい!」
なるべく自然な態度で挨拶をしようと思ったら、こっちの挨拶途中に物凄い勢いで頭を下げられたんだけど……えっと、なに?
「あの、あたし、えっとその……キョンくんとケンカしてるなんてこと知らなくて」
わたしがぽーかんとしていると、朝比奈さんはもじもじしながら、そんな懺悔を口にし出した。
「内緒にって言われたのに……そのぅ……もしかして危ないことになるかも、なんて早とちりして、それで話ちゃって……」
あぁ……わたしと会ったこと、覚えてた上に話しちゃってたんだ……。そっか、それで昨日、わたしの前に現れた彼が驚きもせずに……そういうことだったのね。
「あのぅ……怒ってます?」
俯いていた朝比奈さんが、ちらりと上目遣いでわたしを見る。怒る……っていうよりも、でも彼がわたしの前に──不機嫌さはあっても──会ってくれたのは、朝比奈さんが話してくれたおかげ……かな?
「ううん。内緒にしていてっていうのは、わたしの勝手な言い分だもの。結果的には……ありがとう、かしら」
「え? あの、それじゃえっと……」
「昨日、彼に会ったの。ぎこちなさはあるけれど、学校で会おうねって話もしたから」
「あ……じゃあ、キョンくんと仲直りしたんですか?」
「それは……どうかしら。でも今日、再編入の学力テストを受けに来たの。うまく行けば、今週中にはまたここに通うことになるから、そのとき普通に挨拶ができそう、かな」
「わぁ、そうだったんですかぁ」
わたしの言葉に、朝比奈さんはまるで我が事のように満面の笑みを浮かべてくれた。この人のこういう笑顔っていうか、無邪気なところは、彼じゃなくても和むわね。
「よかったですね、ホントに。あ、そうだ。よかったらお茶でも飲んで行きませんか? 最近、長門さんにも……あ、長門さんのことはご存じですか?」
「え? あ、ええ。もちろん。同じマンションだから」
「あ、そうだったんですかぁ。その長門さんにも、わたしのお茶、おいしいって言ってもらえるんですよ~。ですから、是非朝倉さんにも」
「え? いえ、でもわたしはそろそろ、」
「どうぞどうぞ」
せっかくの申し出だけど、今日はそんなつもりはまったくなくて帰る気でいたんだけど……朝比奈さんはすっかりその気になっているのか、わたしの話なんてちっとも聞かずに部室の中に連れ込まれてしまった。
なんだか妙なことになっちゃったわね。当然だけど、長居するつもりなんてまったくないし、わたしと朝比奈さんが二人っきりでいるところに彼がやってきたら、それはそれで怒られそうな気がしないでもない。早くお茶でも飲んで、さっさと帰らないと……。
「はい、どうぞ」
おっとりした物腰からは想像できないほど、慣れた手つきでお茶を淹れた朝比奈さんは、満面の笑顔を浮かべたまま、わたしに差し出した。
「ありがとう」
手にとって、一口。緑茶の香りがちゃんと立っていて、熱くもなくぬるくもない湯加減は申し分ない。そして何より……これは朝比奈さんの人柄なのかしらね、とても気分が落ち着ける味わいだった。
「どう……ですか?」
「美味しい。とっても美味しいわ、朝比奈さん」
「よかったぁ。いつでも飲みに来てくださいね」
「ええ、また……学校に通うようになったらまた、お邪魔させてもらうね」
その言葉はまたここに、学校に通うっていう日常に戻れたからこそ、言える言葉。
昨日、彼に会ったことは少し……急だったこともあって、ちょっと現実味がなかったけれど、でも朝比奈さんのお茶を飲んで、それが今だけじゃなくてこれから先もここに来れば飲めるっていうそのことで、わたしはここに戻って来られたんだなって思えた。
「さて、それじゃわたしは、」
これで失礼するね、と言おうと思った矢先。
「まったく、どこにもいないじゃないのよっ!」
ばたんっ! と開いたドアが壁に叩きつけられた音とともに、怒気を含んだ声が響いた。
「え?」
「あれ?」
えっと……。
「あ、涼宮さん。朝倉さんが遊びに、」
「見つけたぁっ!」
朝比奈さんの言葉も聞かず、ドアの前で一瞬惚けた表情を見せていた涼宮さんは、喜色満面の笑みを浮かべてわたしを指さした。
〆
【週刊朝倉涼子】
昨日、喜緑さんが言っていた再編入の手続きっていうのは、早い話が「学力テストをするからそれを受けてね」っていう話で、昨日の今日で以前のように学校に通えるほど、この人類社会っていうのはお気楽なものじゃないみたい
そんな再編入のための学力テストも無事終了。さすがに満点を取るわけにもいかないから適当に間違えたりはしたけれど、合格ラインは軽く突破してるんじゃないかしら。試験監督として再編入テストの監督官をしていた岡部先生も、問題ないだろうって言ってたし。
その岡部先生からは、クラスのみんなと会って行くか、とも言われたけれど、それは断った。
まだ少し……ほんの少しだけ、わたしの中に躊躇いみたいなものがあるみたい。昨日は勢いで「明日、学校で」みたいなことを彼に言ったけど、今日はただ再編入テストを受けに来ただけだものね。どうせだったら今日のテストの結果も出て、初登校時に教室で会うのがベストだと思うの。その方が流れも自然じゃない?
でも彼にああいう風に言った手前、やっぱり顔を出すべきなのかしら? 彼も待っている……待って……ないかなぁ。ないわね。昨日のあの態度を見れば、わたしが顔を出しても、あまりいい顔はしなさそう。だいたい、わたしを見ても驚きもしなくて、あまつさえ嫌そうな顔をしていたものね。
そういえば……驚きもしないっていうのは何でかしら? わたしがいるってこと、知ってたのかしらね。その姿を街中で偶然見かけたことはあるけれど……でもあのときは、気づかれる前にこっちから離れたのに。
「あれ……?」
とかなんとか考えつつ校内を歩いていたら、足が勝手に部室棟へ向かっていた。もっと正確に言えば、今目の前には文芸部部室の扉がある。
これは……ええっと、どうしよう。
そういえば今日のことについて、長門さんは何も言ってなかったわね。昨日、喜緑さんが「長門さんにしてやられた」って言ってたから、今回のことについて手を回してくれたのかとも思ったんだけど、はっきりしたことは何もわからなかった。昨晩、ちょっと訪ねて話を聞いてみたけれど、相も変わらずいつもの調子で本を読みながら「そう」の一言で終わり。
だから、これといった禁則行為は言い渡されていない。彼や涼宮さんに会うことも問題ないみたいだし、どこへ行こうにもご自由にっていうことみたい。
だから、ここに顔を出すことも原則問題なし、っていうことなんだろうけど、理由がないわ。どうせ顔を出すなら教室の方じゃない。まったく何やってるのかしら、わたし。こんなところで無駄な時間を過ごすくらいなら、早く帰って長門さんの夕飯でも作っておこうかな。
「あ」
所帯じみたことを考えてため息を吐いていると、少し驚きが混じった声が背後から聞こえた。振り向くとそこには、目を丸くしている朝比奈さんの姿。
そういえば、喜緑さんが涼宮さんの夢の世界に取り込まれて行方を捜していたときに、駅前のデパートで遭遇してたわね。あのときは不意に出会っちゃったものだから、彼や涼宮さんには黙っていて、とか、こっちが言わなければ変に思われることもないのに言っちゃって困惑させちゃったけど……でもどうせ、そんなことを覚えているはずないかしら。
「こんに」
「ごっ、ごめんなさい!」
なるべく自然な態度で挨拶をしようと思ったら、こっちの挨拶途中に物凄い勢いで頭を下げられたんだけど……えっと、なに?
「あの、あたし、えっとその……キョンくんとケンカしてるなんてこと知らなくて」
わたしがぽーかんとしていると、朝比奈さんはもじもじしながら、そんな懺悔を口にし出した。
「内緒にって言われたのに……そのぅ……もしかして危ないことになるかも、なんて早とちりして、それで話ちゃって……」
あぁ……わたしと会ったこと、覚えてた上に話しちゃってたんだ……。そっか、それで昨日、わたしの前に現れた彼が驚きもせずに……そういうことだったのね。
「あのぅ……怒ってます?」
俯いていた朝比奈さんが、ちらりと上目遣いでわたしを見る。怒る……っていうよりも、でも彼がわたしの前に──不機嫌さはあっても──会ってくれたのは、朝比奈さんが話してくれたおかげ……かな?
「ううん。内緒にしていてっていうのは、わたしの勝手な言い分だもの。結果的には……ありがとう、かしら」
「え? あの、それじゃえっと……」
「昨日、彼に会ったの。ぎこちなさはあるけれど、学校で会おうねって話もしたから」
「あ……じゃあ、キョンくんと仲直りしたんですか?」
「それは……どうかしら。でも今日、再編入の学力テストを受けに来たの。うまく行けば、今週中にはまたここに通うことになるから、そのとき普通に挨拶ができそう、かな」
「わぁ、そうだったんですかぁ」
わたしの言葉に、朝比奈さんはまるで我が事のように満面の笑みを浮かべてくれた。この人のこういう笑顔っていうか、無邪気なところは、彼じゃなくても和むわね。
「よかったですね、ホントに。あ、そうだ。よかったらお茶でも飲んで行きませんか? 最近、長門さんにも……あ、長門さんのことはご存じですか?」
「え? あ、ええ。もちろん。同じマンションだから」
「あ、そうだったんですかぁ。その長門さんにも、わたしのお茶、おいしいって言ってもらえるんですよ~。ですから、是非朝倉さんにも」
「え? いえ、でもわたしはそろそろ、」
「どうぞどうぞ」
せっかくの申し出だけど、今日はそんなつもりはまったくなくて帰る気でいたんだけど……朝比奈さんはすっかりその気になっているのか、わたしの話なんてちっとも聞かずに部室の中に連れ込まれてしまった。
なんだか妙なことになっちゃったわね。当然だけど、長居するつもりなんてまったくないし、わたしと朝比奈さんが二人っきりでいるところに彼がやってきたら、それはそれで怒られそうな気がしないでもない。早くお茶でも飲んで、さっさと帰らないと……。
「はい、どうぞ」
おっとりした物腰からは想像できないほど、慣れた手つきでお茶を淹れた朝比奈さんは、満面の笑顔を浮かべたまま、わたしに差し出した。
「ありがとう」
手にとって、一口。緑茶の香りがちゃんと立っていて、熱くもなくぬるくもない湯加減は申し分ない。そして何より……これは朝比奈さんの人柄なのかしらね、とても気分が落ち着ける味わいだった。
「どう……ですか?」
「美味しい。とっても美味しいわ、朝比奈さん」
「よかったぁ。いつでも飲みに来てくださいね」
「ええ、また……学校に通うようになったらまた、お邪魔させてもらうね」
その言葉はまたここに、学校に通うっていう日常に戻れたからこそ、言える言葉。
昨日、彼に会ったことは少し……急だったこともあって、ちょっと現実味がなかったけれど、でも朝比奈さんのお茶を飲んで、それが今だけじゃなくてこれから先もここに来れば飲めるっていうそのことで、わたしはここに戻って来られたんだなって思えた。
「さて、それじゃわたしは、」
これで失礼するね、と言おうと思った矢先。
「まったく、どこにもいないじゃないのよっ!」
ばたんっ! と開いたドアが壁に叩きつけられた音とともに、怒気を含んだ声が響いた。
「え?」
「あれ?」
えっと……。
「あ、涼宮さん。朝倉さんが遊びに、」
「見つけたぁっ!」
朝比奈さんの言葉も聞かず、ドアの前で一瞬惚けた表情を見せていた涼宮さんは、喜色満面の笑みを浮かべてわたしを指さした。
〆
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[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
なんと言いますか、まだ慣らし運転みたいな感じで、セーブしてるものだと思われますw
オチについては……この展開だと、落とすべきとこはひとつしかないわけで、おおよそ予想がついているのではないでしょうか( ̄ー ̄)
オチについては……この展開だと、落とすべきとこはひとつしかないわけで、おおよそ予想がついているのではないでしょうか( ̄ー ̄)
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