category: 日記
DATE : 2007/07/26 (Thu)
DATE : 2007/07/26 (Thu)
みたいですね、朝倉さんオンリーイベントの申し込み。
ネット申し込みの〆切が7/27ということは、もうすでに7月も終わりということじゃないですか。あら嫌だ、時間が過ぎるのは早いですネ。もう7月も終わりかよヽ(`Д´)ノみたいな。
嗚呼、一日が一週間あればいいのにって思うくらい、時間の流れが速く感じますヨ。
そんなこんなで、今日はSSの続きをば。
それではまた!
ネット申し込みの〆切が7/27ということは、もうすでに7月も終わりということじゃないですか。あら嫌だ、時間が過ぎるのは早いですネ。もう7月も終わりかよヽ(`Д´)ノみたいな。
嗚呼、一日が一週間あればいいのにって思うくらい、時間の流れが速く感じますヨ。
そんなこんなで、今日はSSの続きをば。
それではまた!
前回はこちら
【Respect redo】吉村美代子の憂鬱
いったいこれはどういう状況なのかと考えたくもありませんが、人間は考える葦だと言う言葉があるように、無心でいようと思ってもあれこれ考えちゃうのは仕方がないのかもしれません。そもそも葦って何ですか?
「────イネ科の────多年草────」
ああ、そうなんですか。物知りですね、周防さん。そういう雑学に強いのはいいんですが、こんな森の中を女子校の制服姿なんていうヒラヒラした格好のままでいることに、多少なりとも問題ありとは考えなかったんですか? 唯一の変化は、麦わら帽子をかぶってるくらいじゃないですか。
ええ、わたしはちゃんと森の中を動き回るような格好をしてますよ。こんなことを予想していたわけじゃありませんが、着替えの中にズボンも入れてありましたから。
何でそんな格好で、森の中に周防さんと二人でうろうろしているのかと言えば……食材探しの旅の途中だからです。
「そういえば、喜緑さんとの卓球勝負はどうなったんですか?」
「────……勝ち────」
あら、そうなんですか。あの半壊した卓球台を見たわたしの感想としては、痛み分けがいいところと思うんですけど……うーん、喜緑さんに同じことを聞いても、やはり「わたしの勝ちです、当然じゃありませんか」と、素晴らしいまでに清々しい笑顔で言われそうですね。
「はぁ~……あ」
本当にため息しか出ません。まさか本当に食料の調達から始めなくちゃならないなんて、いったいどんな宿ですか。日本人は農耕民族であって狩猟民族じゃないですよ。いくらなんでも食料を自力で森の中から摂ってこいとは、あまりにもあんまりじゃないですか。
一介の女子小学生が野生の動物を捕まえる手段なんか持ち得ないわけで、仕方なく川に釣り糸を垂らすしかありません。この季節に何が釣れるのか知りませんが、せいぜい川魚を釣って焼くくらいの料理しかできませんて。
いったい橘さんは何を考えているんでしょうね。あの人だって同じようなもんだと思うんですけど……川辺に姿はありません。いったいどこから持ってきていたのか、ハンチングをかぶって長い筒状のものを肩に担ぎ、佐々木さんを引き連れて森の中に消えていく姿を見かけたのが最後です。心なしか、晴天なのに雷のような音がターン、ターンと聞こえて来るのは気のせいでしょう。ええ、気にしちゃいけないことだと思います。
一方、朝倉さんも深く考えていないようです。あの人はあの人で、喜緑さんを引き連れて鉈とナイフの二刀流で森の中に消えていきました。ナイフと鉈で何をするつもりか知りませんが、妙に森の中がざわついているのは気のせいでしょうか? 第六感に訴えかける奇妙な殺気というか、殺伐した気配と言いましょうか、そういうのが充満してうなじのあたりがチリチリしているんですけれど、それも気のせいだと思いたいです。
何ですか、最近の女子高校生はそこまでたくましくないとやってけないんですか? わたしもあと三年くらいで女子高校生になるはずなんですが、橘さんや朝倉さんを見習いたいとは思えないんですけど。
「釣れませんねぇ~……」
「──────」
釣り糸を川に垂らして、釣り竿を握り続けて何分くらい過ぎたでしょうか。一向に反応を示さない浮きを見続けることにも飽きて周防さんに目を向ければ、こちらは石像みたいに同じポーズ……つまり、釣り竿を手に川岸の岩の上に腰掛け、たくし上げたスカートから伸びる足先を川の中に浸して、ボーッとしています。忍耐力が必要な作業は、周防さんにはうってつけなのかもしれませんね。
もっとも、暇なわたしとしては、話し相手にもなりそうにないので暇なことこの上ない感じではあるのですが。
「……あれ?」
まったく動かないように見える周防さんの姿ですが、もしかすると何かしらの変化があるのかしら? アハ体験ができるかも~と期待して見ていたわたしですが、変化は周防さんじゃなくて、その手の釣り竿にありました。
「ねぇ、周防さん。糸、引いてません?」
えーっと、竿の先が必要以上にしなってますし、糸も川の流れとは関係なく動いているように思えます。あ、やっぱり引いてるじゃないですか。
「──────?」
いやそのえっと……「おまえは何を言ってるんだ?」みたいな目で見られても……。
「ほら、そのリールを巻き上げないと。こう、くるくるっと」
「──────」
それでもわたしの言ってることを理解してくれたのか、周防さんは凄い勢いで釣り糸を巻き上げちゃってます。見たところ力を入れている様子はないんですが、逃げようとする魚と引っ張り合ってるんだと思います。そんな力任せに引っ張っちゃうと……。
ぷちーん。
わたしが不安に思った矢先、案の定と言うか狙い通りというか、ぷっつりと糸が切れちゃいました。それだけならまだいいんですが、やっぱり周防さんにも力が入っていたんでしょうね、引き合う力の均衡が崩れたせいで、ばっしゃーんと川の中に、仰向けで落ちちゃいました。
「ああぁぁあぁ……周防さん、大丈夫ですか?」
慌てて駆け寄れば、水の中に上半身を水没させたまま、目をぱちくりさせてます。もしかして、驚いているんでしょうか? よくわかりませんが、ぶくぶくと口から漏れる空気が泡を作ってます。鼻から水が入っちゃったりして痛くないですか?
「えっと、大丈夫でぅわっ!」
周防さんったら、起き上がりこぼしみたいな勢いで上半身を起こさないでください。今度はこっちが驚いて転んじゃったじゃないですか。
「んもーっ、何ですかいったい?」
「──────」
やおら立ち上がった周防さんは、水で濡れた髪が顔に掛かって、なんだかちょっと……そのぅ、ホラー映画にそのまま出演できそうな感じです。
そんな髪の毛が邪魔にならないのか、顔にかかる髪の毛のことなんてどうでもいいとばかりに、じゃぶじゃぶと川の中を進んでいきました。
「ちょっ、周防さん? 何やって……」
なんて思う間もなく、目の前の岩の前に立つや否や、渾身の力を込めて腕を振り上げ──。
ごおぉぉぉん。
と、それはもう、物凄い勢いで岩を殴りつけちゃってたりしてます。岩に八つ当たりしてるように思えなくもないんですが、それにしては容赦なしの一撃です。見た目とは裏腹に、鳥が逃げ出すような轟音と地面が少し震動したような一撃でした。
「なっ、何やってるんですか、周防さん!?」
「────魚────」
「へ?」
見れば、川面にぷかーんと浮かんでいる魚が数十匹。これあれですか、水の中に爆竹を投げ込んで釣り上げるとかいう、そういうやり方ですか?
「って、手は大丈夫なんですか?」
「──────平気────」
平気ってあなた……なんですか、妙につやつやのお肌は、実は超合金で出来てたりしちゃいますか?
「まったく、無茶なことしますね……」
「────これ──が、合理的だと────聞いた────……」
「また橘さんですか……」
あの人の言うことは、嘘八割の冗談二割で、真実なんて一厘もないと思いますよ。右から左に聞き流した方が……。
「────違う────」
けれど周防さんは橘さんを擁護するように否定して、ぷかぷか浮かぶ魚を指さして。
「────ユリッペ、網────」
ええっと……誰ですか、それは?
つづく
【Respect redo】吉村美代子の憂鬱
いったいこれはどういう状況なのかと考えたくもありませんが、人間は考える葦だと言う言葉があるように、無心でいようと思ってもあれこれ考えちゃうのは仕方がないのかもしれません。そもそも葦って何ですか?
「────イネ科の────多年草────」
ああ、そうなんですか。物知りですね、周防さん。そういう雑学に強いのはいいんですが、こんな森の中を女子校の制服姿なんていうヒラヒラした格好のままでいることに、多少なりとも問題ありとは考えなかったんですか? 唯一の変化は、麦わら帽子をかぶってるくらいじゃないですか。
ええ、わたしはちゃんと森の中を動き回るような格好をしてますよ。こんなことを予想していたわけじゃありませんが、着替えの中にズボンも入れてありましたから。
何でそんな格好で、森の中に周防さんと二人でうろうろしているのかと言えば……食材探しの旅の途中だからです。
「そういえば、喜緑さんとの卓球勝負はどうなったんですか?」
「────……勝ち────」
あら、そうなんですか。あの半壊した卓球台を見たわたしの感想としては、痛み分けがいいところと思うんですけど……うーん、喜緑さんに同じことを聞いても、やはり「わたしの勝ちです、当然じゃありませんか」と、素晴らしいまでに清々しい笑顔で言われそうですね。
「はぁ~……あ」
本当にため息しか出ません。まさか本当に食料の調達から始めなくちゃならないなんて、いったいどんな宿ですか。日本人は農耕民族であって狩猟民族じゃないですよ。いくらなんでも食料を自力で森の中から摂ってこいとは、あまりにもあんまりじゃないですか。
一介の女子小学生が野生の動物を捕まえる手段なんか持ち得ないわけで、仕方なく川に釣り糸を垂らすしかありません。この季節に何が釣れるのか知りませんが、せいぜい川魚を釣って焼くくらいの料理しかできませんて。
いったい橘さんは何を考えているんでしょうね。あの人だって同じようなもんだと思うんですけど……川辺に姿はありません。いったいどこから持ってきていたのか、ハンチングをかぶって長い筒状のものを肩に担ぎ、佐々木さんを引き連れて森の中に消えていく姿を見かけたのが最後です。心なしか、晴天なのに雷のような音がターン、ターンと聞こえて来るのは気のせいでしょう。ええ、気にしちゃいけないことだと思います。
一方、朝倉さんも深く考えていないようです。あの人はあの人で、喜緑さんを引き連れて鉈とナイフの二刀流で森の中に消えていきました。ナイフと鉈で何をするつもりか知りませんが、妙に森の中がざわついているのは気のせいでしょうか? 第六感に訴えかける奇妙な殺気というか、殺伐した気配と言いましょうか、そういうのが充満してうなじのあたりがチリチリしているんですけれど、それも気のせいだと思いたいです。
何ですか、最近の女子高校生はそこまでたくましくないとやってけないんですか? わたしもあと三年くらいで女子高校生になるはずなんですが、橘さんや朝倉さんを見習いたいとは思えないんですけど。
「釣れませんねぇ~……」
「──────」
釣り糸を川に垂らして、釣り竿を握り続けて何分くらい過ぎたでしょうか。一向に反応を示さない浮きを見続けることにも飽きて周防さんに目を向ければ、こちらは石像みたいに同じポーズ……つまり、釣り竿を手に川岸の岩の上に腰掛け、たくし上げたスカートから伸びる足先を川の中に浸して、ボーッとしています。忍耐力が必要な作業は、周防さんにはうってつけなのかもしれませんね。
もっとも、暇なわたしとしては、話し相手にもなりそうにないので暇なことこの上ない感じではあるのですが。
「……あれ?」
まったく動かないように見える周防さんの姿ですが、もしかすると何かしらの変化があるのかしら? アハ体験ができるかも~と期待して見ていたわたしですが、変化は周防さんじゃなくて、その手の釣り竿にありました。
「ねぇ、周防さん。糸、引いてません?」
えーっと、竿の先が必要以上にしなってますし、糸も川の流れとは関係なく動いているように思えます。あ、やっぱり引いてるじゃないですか。
「──────?」
いやそのえっと……「おまえは何を言ってるんだ?」みたいな目で見られても……。
「ほら、そのリールを巻き上げないと。こう、くるくるっと」
「──────」
それでもわたしの言ってることを理解してくれたのか、周防さんは凄い勢いで釣り糸を巻き上げちゃってます。見たところ力を入れている様子はないんですが、逃げようとする魚と引っ張り合ってるんだと思います。そんな力任せに引っ張っちゃうと……。
ぷちーん。
わたしが不安に思った矢先、案の定と言うか狙い通りというか、ぷっつりと糸が切れちゃいました。それだけならまだいいんですが、やっぱり周防さんにも力が入っていたんでしょうね、引き合う力の均衡が崩れたせいで、ばっしゃーんと川の中に、仰向けで落ちちゃいました。
「ああぁぁあぁ……周防さん、大丈夫ですか?」
慌てて駆け寄れば、水の中に上半身を水没させたまま、目をぱちくりさせてます。もしかして、驚いているんでしょうか? よくわかりませんが、ぶくぶくと口から漏れる空気が泡を作ってます。鼻から水が入っちゃったりして痛くないですか?
「えっと、大丈夫でぅわっ!」
周防さんったら、起き上がりこぼしみたいな勢いで上半身を起こさないでください。今度はこっちが驚いて転んじゃったじゃないですか。
「んもーっ、何ですかいったい?」
「──────」
やおら立ち上がった周防さんは、水で濡れた髪が顔に掛かって、なんだかちょっと……そのぅ、ホラー映画にそのまま出演できそうな感じです。
そんな髪の毛が邪魔にならないのか、顔にかかる髪の毛のことなんてどうでもいいとばかりに、じゃぶじゃぶと川の中を進んでいきました。
「ちょっ、周防さん? 何やって……」
なんて思う間もなく、目の前の岩の前に立つや否や、渾身の力を込めて腕を振り上げ──。
ごおぉぉぉん。
と、それはもう、物凄い勢いで岩を殴りつけちゃってたりしてます。岩に八つ当たりしてるように思えなくもないんですが、それにしては容赦なしの一撃です。見た目とは裏腹に、鳥が逃げ出すような轟音と地面が少し震動したような一撃でした。
「なっ、何やってるんですか、周防さん!?」
「────魚────」
「へ?」
見れば、川面にぷかーんと浮かんでいる魚が数十匹。これあれですか、水の中に爆竹を投げ込んで釣り上げるとかいう、そういうやり方ですか?
「って、手は大丈夫なんですか?」
「──────平気────」
平気ってあなた……なんですか、妙につやつやのお肌は、実は超合金で出来てたりしちゃいますか?
「まったく、無茶なことしますね……」
「────これ──が、合理的だと────聞いた────……」
「また橘さんですか……」
あの人の言うことは、嘘八割の冗談二割で、真実なんて一厘もないと思いますよ。右から左に聞き流した方が……。
「────違う────」
けれど周防さんは橘さんを擁護するように否定して、ぷかぷか浮かぶ魚を指さして。
「────ユリッペ、網────」
ええっと……誰ですか、それは?
つづく
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[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
人間の法律なんて、九曜さんには関係ないのデス!
★無題
NAME: John Smith
ガ・・・ガチンコ漁!!
自分自身も小学生のころ実家のある東北地方の片田舎で同じことをやったことがあるのですが(当時は禁漁法とは知らずに)、川の中に入って漬物石ぐらいの石をブチかましました。
確かに魚が獲れましたよ、しかしです、本当の恐怖はその時訪れました。
川の中に入ってたのは小学生です。
もちろん体は小さい上に脆弱です。岩にブチまかした瞬間に足元から衝撃波が頭のてっぺんまで駆け巡りました。
こりゃ魚が失神するわけです、小学生な自分は人生初の脳震盪を自分自身で体験したわけです。軽い自爆テロです。こりゃ禁漁法にもなります。
スペック的には周防さんは大丈夫でしょうけどミヨキチさんが水の中にいたら恐らく・・・・
自分自身も小学生のころ実家のある東北地方の片田舎で同じことをやったことがあるのですが(当時は禁漁法とは知らずに)、川の中に入って漬物石ぐらいの石をブチかましました。
確かに魚が獲れましたよ、しかしです、本当の恐怖はその時訪れました。
川の中に入ってたのは小学生です。
もちろん体は小さい上に脆弱です。岩にブチまかした瞬間に足元から衝撃波が頭のてっぺんまで駆け巡りました。
こりゃ魚が失神するわけです、小学生な自分は人生初の脳震盪を自分自身で体験したわけです。軽い自爆テロです。こりゃ禁漁法にもなります。
スペック的には周防さんは大丈夫でしょうけどミヨキチさんが水の中にいたら恐らく・・・・
[にのまえはじめ/にのまえあゆむ] Re:無題
Σ (゚Д゚;) ソコマデオソロシイモノダッタトハ……
よい子のみんなは真似しちゃいけませんね!
よい子のみんなは真似しちゃいけませんね!
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