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DATE : 2017/07/21 (Fri)
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DATE : 2008/06/27 (Fri)
と、やる気もなく叫んでみる。

ふと思ったんですが、うちのSS更新って皆さんどーやって把握してるんざましょ?
いえね、日々の日記にすらなってない駄文だけのときに比べて、SSがあるとカウンターもそれなりにまわるじゃないですか。日記だけに限らず毎日見てるって方もおられるかと思いますが、アクセス数の上がり方を見ると、やっぱりSSが更新されたときにって人もいるようで。

それがいいとか悪いとかを言うつもりはもちろんありませんが、ただ単にどうやって把握してるのかなーと。やっぱRSSとかですかね?

そんな日々のささやかな疑問を書き連ねつつ、今日はこれにて解散!

ではまた。

前回はこちら
喜緑江美里の策略:9

 困ったことになった。何が困ったことなのかと言えば、これがまた、実に困ったことになっている。
 喜緑さんが早速何かをやらかしたわけではない。あの人は朝倉のパーソナルデータとやらを手にするため、俺も知らないような他のインターフェース連中や親玉に話を付けるという理由でここにはいない。
 いないのだから何かやらかすわけもなく……いや、いないからこそ困ったことになっているのか。
「どーすんだ、これ……?」
 おそらく、俺の寝床になるはずだったであろうベッドに横たわる朝倉を前に、頭を抱えるのは健全な男子として当たり前の反応じゃあないか?
 この朝倉が、中身カラッポで動くことがないのはわかっている。いきなり起きあがって斬りかかってくることはないと、理解している。
 逆に、パーソナルデータがないだけで、身体的にはどうやら健康な状態であるようだ。ここまで運ぶ間、背中に背負っていたのだからわかる。体温もまぁ平熱程度はあるし、呼吸もしている。本当にパッと見ただけでは、眠っているようにしか見えない。
 そんなのと、一晩どころから事が解決するまで一緒にいると、喜緑さんは言うわけだ。
 あの人が帰る間際に朝倉を持って行けと言ったさ。ああ、言ったとも。なのに喜緑さんは「ここに置いておくことこそが重要です」などと、至極真面目な面持ちで断言しやがった。今にして思えば、その言葉がどこまで本気だったのかもわからない。
 おまけになんだ、「まさか無抵抗の相手に破廉恥なことはいたしませんでしょう?」などと、含みのある笑顔を浮かべやがって。ああ、そういえばさらに何か言ってたな。「でも、わたしも襲われそうになりましたから危険かしら」だっけ?
 冗談じゃない。そもそも、喜緑さんに襲いかかった覚えも……まぁ、あのときは状況がまるでわからず混乱していて、狼藉をはたらく一歩手前に見えなくもなかったが、含みのある喜緑さんが思うこととはまるで違う。
 だいたい、朝倉に何かしようだなどと、まるで考えちゃいなかったんだ。いやホントに。喜緑さんが余計なことを言うから、無駄に意識することになっちまってんじゃないか!
「…………」
 いかん。頭を冷やそう。
 幸いなのは、この隠れ家がワンルームじゃないことだ。広いわけでもないが、1DKなので朝倉が寝ている部屋と台所はドア一枚で区切られている。台所で寝れば、余計なことをあれこれ考えることもない。
 なんだか自分が、限りなく不幸な立場に追いやられている気がしないでもない。どうしてこんなことになっちまってんだろう。いったい俺が何をやったっていうんだ。
「はぁ~……」
 と、俺が自分が置かれている立場について涙を堪えて溜息を吐いたのとほぼ同時に、ドアをノックする音が聞こえた。
 呼び鈴を鳴らすでもない、ドアのノックだ。しかも本当に慎ましやかに、別室にいたら気付かないであろう儚げにコンコンコンと叩く音が聞こえた。
 今は何時だ? 手元に時計がないのでさっぱりわからんが、窓の外は真っ暗だ。日付こそ変わってるだろうが、日が昇る前の……一時か二時か、そのくらいだろうか。
 ……そんな時間に、玄関がノックされてる、だって?
 おいおい、勘弁してくれよ。幽霊や物の怪の類はお呼びじゃないんだ。間に合ってるわけでもないが、間に合わせたいとも思わない。
 いやいや、そんなものが本当にいるなんて、いくら俺でも本気で思っちゃいないさ。たぶん、酔っぱらいか何かが部屋を間違えてノックしているに過ぎない。
 無視しよう。それが一番だ。騒がしくなるようなら、警察でも呼んでお引き取り願えばいいだけの話だ。
 そう思っていたのだが、今度はドアノブをガチャガチャと回している。中に入ろうとしているのは明かだ。
 騒がしくなれば、なんて悠長なことを言ってられない。もう早々と警察を呼ぼうと思って暗い台所の床に置いていたはずの携帯を探していると、信じられないことが起きた。
 がちゃん、と低い音を立てて、玄関のカギがはずれた。
 合い鍵でも使ったのか? ってことは喜緑さん?
 いや、それならこんな夜中にこっそり戻ってくる理由がない。いくらあの人でも、俺が朝倉相手に狼藉をはたらいてるかどうかを確認するために、わざわざ戻ってくるような暇人じゃ……ええと、そう思いたい。
 だとすれば、そこにいるのは……。
「誰だ!」
 開いたドアに向かって、俺は叫んだ。とりあえずこっちからデカイ声でも出せば、相手もビビってくれると淡い期待を抱いてのことだ。
 が、相手はビビるどころか、動揺する気配さえ感じられない。そもそも、開いたドアに人影が見えない。暗闇の中、ドアが勝手に開いたようにさえ感じられた。
 だが、いる。そこにいる。間違いない。
「──────」
 ようやく姿が見えた。ここまで闇夜と同化できるのは、こいつしかいない。
 周防九曜が、茫洋とした眼差しを俺に向けて物言わずに佇んでいた。
「な……ん……」
 出てくる言葉が何もなかった。
 そりゃ、言いたいことは山のようにある。なんでここに、とか、どうやってカギをはずしたんだ、とか、そもそもどうしておまえが現れる、なんてことを言ってやりたい。言ってやりたいのだが、言うべき台詞が多すぎて何からどう言っていいのかわからない。
 そんな俺を他所に、九曜は漫然と室内を見渡したかと思えば、物言わず勝手に上がり込んで来やがった。しかも土足で。
「ちょっ、ちょっと待ておい! こら待てって!」
 我に返り、とりあえず九曜を引き留めようと押さえつけてみるが、なんという馬鹿力だ。まるで自動車を生身で押さえつけようとしている気分になってくる。つまり、やるだけ無駄ってわけだが、それでも勝手に上がり込む傍若無人っぷりを見過ごすわけにはいかない。
「何なんだ、おまえは!?」
 怒鳴りつければ、ようやく九曜は足を止めた。といっても、俺の言葉で止まったわけじゃない。部屋の中をぐるりと見渡し、そこでようやく俺が必死に引き留めようとしていることに気付いたように、再び見つめてくる。
「────ど……こ────?」
「は?」
 意味がわからん。何が言いたいのかさっぱりだし、そもそも何が目的なのかもまるでわからない。
 そんな俺の態度を前に、とぼけていると感じたのか、それとも俺に聞くだけ無駄だと判断したのか、九曜は俺を引きずったまま部屋の中を我が物顔で歩き回り、朝倉が横になっている部屋へのドアに手をかける。
「まっ、待て! そっちには、」
 人の制止も聞きやしねぇ。がちゃりとドアを開けて、正面のベッドを真っ直ぐに見たときに一瞬だけ足を止めた。
「────────」
 言葉こそ口にしなかったが、九曜は朝倉の姿を見て……なんだろう、肩から力が抜けたような気配を感じた。つまり──ホッとした。そう感じられる。
 もしかして、こいつがここまで強引に押し入ってきたのは朝倉が目当てだからか? こいつは朝倉を捜してた?
 そういえば……と、思い出す。土曜日に、橘はなんて言ってた?
 ──九曜と朝倉が一緒にいるところを見た……
 そう言ってなかったか?
 そもそも、どうして朝倉の体があるんだ? それを長門が消したから朝倉のパーソナルデータとやらが、喜緑さん曰く『厳重に管理されている』んだし、実体があること自体、おかしな話じゃないか。
 つまり、朝倉の実体があることに、九曜が関わっている……って。
「おいこらっ!」
 俺がそんな憶測を巡らせている間に、九曜はずかずかと一直線に朝倉に歩み寄る。やっぱりこいつの目当ては朝倉か。朝倉なのはわかったが、それをどうするつもりだ? まさか、どこかに連れて行くつもりじゃないだろうな?
 そんな真似をされたら、こっちの予定が根本から崩れちまう。
「待てって言ってんだろ!」
 必死に九曜を食い止めようとするが、わかってるのさ。どぉ~せ俺の言葉なんざ誰も聞いちゃくれない。ハルヒを筆頭にSOS団の連中だってそうだし、ましてや一般常識すら危うい九曜にとっちゃ、俺の言葉なんて馬の耳に唱える念仏みたいなもんさ。
 案の定、人の制止を振り切って九曜は朝倉に掛かっている布団に手を掛けた。
 瞬間。
 部屋の中が晩年のゴッホの絵画のような、見ているこっちの精神状態が不安定になりそうな景色に切り替わった。

つづく
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★無題
NAME: ソウ
2日連続SS更新、ありがとうございます。

ちなみに自分はほとんど毎日見させてもらってますww
2008/06/27(Fri)00:32:45 編集
今月はもう時間がそれなりにとれそうなのでー。
今月と言っても、土日月の三日しかありませんがー。
【2008/06/28 00:24】
★無題
NAME: パーン
2日続けての更新 多忙な日々の中 どうもありがとうございます。
あっしは毎日覗かせて頂いております。

さ〜て 黒幕? 鍵を握る九曜の登場です♪

無理のない狭間での続き お待ちしたおります。
2008/06/27(Fri)03:24:51 編集
鍵を握っているのかいないのか、ともかくこれでようやく今回の話のメンツが
出そろった感じでしょうか。
【2008/06/28 00:25】
★無題
NAME: 蔵人
連続更新お疲れ様です。一応毎日一回は覗いてます。
九曜ここで登場ですか、中身がないっていうことと関係あるのかなあ?
続きが楽しみです。
URL 2008/06/27(Fri)03:36:23 編集
九曜さん、ここでようやく登場ですw 長かったですワ
【2008/06/28 00:26】
★無題
NAME: HILO
丑三つ時に(いえ、正確にはその前でしたが)、勝手知らずの他人の家で、無言のままドアを強制解放して進入してきた周防九曜が1名。

…(想像中)……すっげぇホラーだ、私だったら悲鳴モノですよw キョンに耐性があったのは不幸中の幸いですな。
URL 2008/06/27(Fri)09:12:52 編集
もう少し『怖さ』を出したかったんですが、どうやら自分には無理というか苦手な分類みたいで、なかなかうまくいかないもんです。
【2008/06/28 00:28】
★無題
NAME: Miza
なんかだんだんキョン君が可哀想になってきたw
きっと耐えればいいことあるよ!



たぶん・・・
2008/06/27(Fri)13:03:28 編集
いやあ、ないですよw ええ、キョンくんにいいことは当分なさそうですw
【2008/06/28 00:28】
★無題
NAME: NONAME
NTのカンと言わざるをえない
2008/07/03(Thu)02:37:37 編集
つまりピキューンときて悟るわけですね! って、NTはニュータイプってことでよろしいんでしょか。
【2008/07/05 00:11】
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