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DATE : 2017/03/26 (Sun)
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DATE : 2008/08/02 (Sat)
前日は起きてからすぐに外出した挙げ句、映画も見て帰って来たりしました。見た映画はこれなんですが。

毎月1日は映画の日ってことで、鑑賞は1000円だったわけですが、うんまぁなんと言いますか、賛否両論になる内容でしたね。これまでのシリーズを見てきたファンにとっては「否」って感じるかもしれません。あのオチだと。

自分も前3作は見ておりますし、3作目の「最後の聖戦」は劇場まで足を運んだ口です。そんな自分は、でも「賛」って感じでした。

詳しいレポするとネタバレだからやめときますが、今回の話はストーリーの妙といいますか、話の柱は2本だと思うわけです。表題にもなっている「クリスタルスカル」で論じると「インディらしくな」とか「いやこれはあり」とかって話になりそうですが、表に出ていなかったもうひとつの柱で見れば、シリーズのファン(ヤング・インディ含む)なら納得できる結末だと思うんですが、いかがでしょーか。

そういうわけで、帰ってくる時間も遅かったので更新も遅い時間になりましたとさ。

ではまた。

前回はこちら
喜緑江美里の策略:18

 なんであれ、これで明日やらなくちゃならないことはわかった。そのためにどうすればいいのかも理解した。不安に思うところは少なからずあるが、だからといって今のこの時点でやれることは何もない。
 となれば、残る今日という一日は、明日に備えてぐっすり寝るだけだ。だから俺が何を言いたいのかというと、極めて単純かつ明快なことだった。
「そろそろ帰ってくれませんかね?」
 パン屑まみれの部屋の中、いくら自分の家ではないと言ってもこの惨状はあまりにもあんまりだ。今ならセットで朝倉も付けてやるから、とにかく俺をゆっくりさせてもらえないだろうか。
「あら」
 そんなニュアンスのことを言えば、喜緑さんは「これまたご冗談を」とばかりに、最近の奥様方でさえ見せないような、手を振るジェスチャーを見せてきた。
「もう『帰れ』などとは素っ気ないじゃありませんか。最後の晩餐ですもの、皆さんで食事をするのも悪くないと思いますけれど」
 にこやかな笑顔でそんなことを言われても、当の喜緑さんが持ってきてくれた食料はカップ麺などのインスタントばかりじゃないか。だいたいなんだ、最後の晩餐て。縁起でもない。
「それはもしかして、暗にわたしの手料理が食べたいとおっしゃってるんでしょうか? あらまぁ、なんというワガママさん。せっかく料理が苦手な男手でも手軽に作れるレトルトを見繕って来たというのに」
 これは何だろう。俺の周りには、会話のキャッチボールができない連中ばかりなのかと頭を抱えたくなる。自分にとって都合の悪いところを綺麗サッパリ排除して、喜緑さんはあくまでもマイペースだ。
「仕方ありませんね、そうまでおっしゃるのなら、」
「いやだから、別に喜緑さんの手を煩わせることもありません。ああ、揚げ足取られそうなので先に言っておきますが、別に喜緑さんの手料理を食べたくないと言ってるわけじゃないですよ?」
「いえ、宅配ピザでも頼もうかと」
 言ってる側から電話片手にダイヤルを回している。そうですね、最初っから作る気なんざ、まるでなかったんですね。とにかく朝倉連れてとっとと帰ってくださいこんちくしょう。
「いやですね。帰るにしても、朝倉さんは連れ帰ったりいたしませんよ」
「え? まさかここに置いてくつもりですか? それはさすがにマズイでしょう」
「何がですか?」
 ニコニコニコニコと、俺が言いたいことなんてごりっとお見通しだとばかりの笑顔でスッ惚ける喜緑さんだが、かといって今回ばかりは照れたり恥ずかしがってる場合じゃない。特に明日は重要な一日だ。それがしっかり理解できているからこそ、何の気兼ねもなくしっかり休息を取りたいわけで、そこに朝倉が一緒にいられるのは落ち着かない。色々な意味でな。
「何を今さらおっしゃっていますやら」
 はぁ~っとため息を吐く喜緑さんは、心底呆れ顔を浮かべてみせた。
「だいたい、役割のない朝倉さんを蘇らせようと決めたのはあなたじゃございませんか。今から朝倉さんが側にいると落ち着かないだのと言ってたら、今後はどうされるおつもりですか? そんな邪魔者扱いするために蘇らせるつもりですか、あなたは」
「む……」
 悔しいが、喜緑さんが言うことももっともだ。
 朝倉の役割云々はどうでもいい。そもそも役割がなければ存在しちゃダメなのかって話になる。それを論じるのはバカげたことだ。
 ただ、そういうこととは別に、朝倉を蘇らせようと決めたのが俺なのは間違いなく、その俺が朝倉に苦手意識を持ったり邪険に扱うのはよろしくないことだと思う。
 つまり、今のこの復活させるための大騒ぎは、あくまでも通過点でしかないわけだ。復活させてそれで終わりではなく、その後も続く。むしろ、その後の方が大事なのかもしれない。
 今の朝倉はまだ以前の記憶が完全ではないが、それが戻ったからと、消える直前の生活に戻れるわけじゃない。いや、戻れない確率の方が高い。そのフォローをしなければならないのは……残念なことに事情を知る俺であり喜緑さんであり、ここにはいない九曜も巻き込むことになるだろう。そして、長門も。
 長門はどう思うかな。喜緑さんからの話では、長門は朝倉の復活に賛成ではないらしい。自分が消した負い目でも感じてるんだろうか? いやでも、あれは状況的にそうせざるを得なかったことであり、今だからこそ言えるが、ああいう状況にしようとしたのは朝倉だ。だから、どちらがいいとか悪いという話にはならない。
 そういう風に割り切れる話でもないかもしれないが、長門が朝倉復活に反対な理由にするには少し無理がある。
 もっと別のところに長門と朝倉の確執はあるのか? それを取り除かない限り、朝倉が復活してもロクなことにならないんじゃないか?
「ご理解いただけましたか?」
 ぼんやりそんなことにまで考えが巡り始めたころ、俺の思考を遮るように喜緑さんが丁寧口調な教師のように、声をかけてきた。
「あなたには、最後まで責任を取っていただかないと困るんですよ。末永く、ウチの涼子をお願いいたします」
「いや、やっぱいらないです。さっさと持ち帰ってください」
 今にも三つ指突いて頭を下げて来そうな喜緑さんの言葉を遮って、とにかくこいつらを追い出そうと心に決めた。
 記憶が無事に戻ったあとのフォローは、そりゃするさ。するけど、まるで朝倉の今後の人生の半分を肩代わりするような役目まで押しつけられるのはご免被る。俺のささやかな人生設計に、朝倉の居場所なんぞありゃしない。
「もしかしてわたし、物凄く失礼なこと言われてる?」
 話を聞いていた朝倉がそんなことを言うが、そんなことはない。俺が言いたいのは、記憶が戻ったあとは自分が思うように好きにしろと言ってるのであって、わかりやすい言葉を使えば「自立しろ」の一言に尽きる。
「だいたい、そんな話はまだ先でしょう。明日をどう乗り切るかで精一杯な状況じゃないですか」
「おっしゃることはごもっともです。ですが、わたしの意見を述べるのであれば、プライベートなリラックス空間に他所様を招き入れたくないと申しましょうか」
 つまり、喜緑さんも朝倉は邪魔だと言いたいわけですか。さっきまでの説教じみた話がすべて虚しく感じるな。
「……あのさ、本当にあなたたち、どうしてわたしを復活させようとしているの?」
 怒ろうにも思い出の記憶がない分、どこで怒ればいいのかわからないようで、代わりに呆れたような言葉を口にする朝倉を前に、俺も喜緑さんも返す言葉は何も思い浮かばなかった。


 結局、俺は朝倉と二人きりで一晩を明かしたくないという考えを引っ込めず、喜緑さんも朝倉を連れ帰りたくないという考えを曲げず、平行する意見が着地点を向かえたのは、喜緑さんもここに残るということだった。
 確かに俺は朝倉と二人きりということにはならないし、喜緑さんも朝倉を自分の家に連れ帰ってないのだから、双方の意見を取り入れた妥協案であるとは思う。
「それにほら、明日の大事なときに寝坊されても困りますし、この場所は周防九曜にもバレております。彼女がここに来る可能性は極めて低いと思いますが、万が一もございますから。下手に乱入してきてかき乱されては困りますもの」
 とは喜緑さんの弁。不測の事態に備えているんですよ、とさり気なくアピールしているつもりだろうか。
 ただ……何故だろう。喜緑さんの言うことはまぁ、理解できなくもないことだし、百歩譲って納得してやらなくもないが、どうも俺の思惑とは掛け離れた妥協案な気がしてならないのだが……これ以上の論争は不毛だ。もう好きにしてくれていい。
 夕飯も、結局喜緑さんがさっさと決めた宅配ピザで腹を満たすことになった。なんだかここ連日、イタリアンばかりなので薄味のものを口にしたかったのだが、こちらの事情なんてお構いなしとばかりに、すでにLサイズのピザ二枚が食卓に並んでいる。
 俺が閉口したのは言うまでもなく、けれど朝倉と喜緑さんは俺とは対照的に旺盛な食欲を見せて、さらに俺の食欲を減退させた。宇宙人はあれか、燃費が悪いんだろうか。
「食べないの?」
 ピザの一欠片にさえ手を伸ばさない俺に朝倉が口をモグモグさせながら聞いて来るが、答えるのも億劫だ。手の振りだけで断り、根の張ったように重い腰を上げる。
「あら、どちらに?」
「寝る」
 ここで二人の相手をしていても仕方がないし、相手をしたくもない。だったらさっさと寝ちまうことが、一番手っ取り早く時計の針を進める手段なのさ。
 眠れるかどうかは疑問だったが、ベッドに潜り込んで目を閉じれば、すぐに眠気が体全身に行き渡った。どうやら自分で思うより、体は疲れていたらしい。途切れるように眠りの淵に落ちた意識が、次に我が身に戻ってきたときには、すでに窓辺から光りが差し込む時間になっていた。
「……起きた?」
 ギョッとした。窓辺から光りがわずかながらに差し込んでいるからと言っても、部屋の中は薄暗い。そこに誰かがいるとは当然ながら思わず、不意に飛んできた声が無理やりに俺の意識を覚醒させる。
「あ、あさ……んぐっ」
 大声を上げそうになったところで、口を手で覆われた。何の真似だ。
「隣であの女の人……えっと、喜緑さん? 眠ってるから」
「なんだよ」
 隣で喜緑さんが寝てるってことを俺に伝えたってことは、起こしたくないってことの裏返しってわけだ。まさかこいつ、知識があっても俺に危害を加えようってわけじゃないだろうな?
「それ、明日……っていうか、今日の話でしょ。そうじゃなくて……ちょっとあなたに話しておきたいことが」
「だから何だよ。俺にあれこれ話すよりも、喜緑さんに話しておいた方がいいんじゃないのか?」
「それが問題なの」
 問題?
「彼女、何か隠してる」
「え?」
「その『何か』まではわからないけど、でも言ってることがおかしいのよ」
 おかしい? 喜緑さんの言葉が、か? ……まぁ、あの人の言動は常々おかしいとは思うが……そういうことじゃなくて? いや待て。
「なんでおまえがそんなことを言うんだ? 記憶がないんだろ?」
「そうらしいね。わたし、聞いた話だから自分でもよくわからないし、確かにあなたのことや彼女のことは知らない。わたしが誰なのかもわからない。だから聞きたいんだけど、あの喜緑さんって信用できる人なの?」
「……あ?」
 何を言い出してんだ、こいつは。喜緑さんが信用できる相手か、だって? 確かに言動には困ったところが多々あるが、それが「信用できない」ってことにはならない。
 ……そうか、こいつには俺や喜緑さん、その他もろもろの「思い出」がないのか。ないからこそ、見ず知らずの相手の話を素直に信じられないから、そんな疑念を抱くわけだ。
「だったらおまえ、俺だって信用できないんじゃないのか?」
「……あ、そっか。うーん、でもなんだろう。あなたは大丈夫のような気がするのよね。どうしてかしら?」
「知るか」
 何を神経質になっているのか知らないが、何だかんだ言っても喜緑さんは現状では一番頼りになる相手だ。それだけは間違いない。
「今ならまだ少しくらいなら寝られるだろ。静かに寝とけ」
「うん、わかった」
 朝倉が俺の言葉に素直に頷く様は不気味と言えば不気味だが……なんでおまえは、俺が寝ているベッドの中に潜り込もうとしてるんだ?
「え? だって、寝ろって言ったのあなたじゃない」
「俺が寝てるだろ。ここじゃなくて他でっておい! 潜り込んで来るな!」
「床の上、固くて痛いんですもの。ちょっと邪魔だからもっと奥に詰めて」
「詰めてたまるか! いいから、」
「あなたたち」
 いったい何が悪かったんだろうな、と後になって考えても答えは出てこない。俺の声がデカかったのか、それとも朝倉の常識知らずな奇行が悪かったのか、鋭く飛んで来た声は恐ろしいほどに穏やかだった。
「もしかして、見られたいがためにわたしを引き留めたんですか?」
「ちっがーう!」

つづく
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★無題
NAME: 蔵人
これはいいフラグ(笑)これが原因で長門が朝倉復活を望まないのだったら分からなくもないなあ。
しかし喜緑さんがまだ隠してるとすれば何なんでしょうか?
URL 2008/08/02(Sat)04:30:34 編集
二人はナチュラルにこんなことしてるから困りものですね。喜緑さんや長門さんもあきれるというかなんというかって感じでしょう、ええたぶん。
【2008/08/03 00:47】
★無題
NAME: 筏津
まったく、キョン君はうぶだなぁ
ちょっぴりwktkしてしまいました
この朝倉さんはツボというものを解ってらっしゃる
2008/08/02(Sat)07:24:02 編集
ホントはお風呂でばったりイベントも入れようかと思いましたが、定番すぎるのでやめときましたw
【2008/08/03 00:48】
★無題
NAME: Miza
うわーい朝キョンだ朝キョンだー!


キョン君ご愁傷様;;
2008/08/04(Mon)18:52:17 編集
朝方の起きたキョンくんの喜劇……もとい悲劇だから朝キョンですね、わかります。
【2008/08/04 23:42】
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