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DATE : 2007/01/27 (Sat)
ハレ晴レダンス完全版を見ましたが、いやあ、よく動いてますね。

傍らでは相方さんが早速レッスン開始しておりますが、おまえはそれを覚えてどこでお披露目するんだと聞きたい気分を喉の奥に引っ込めて、微笑ましく見守ることにしております。

はてさて、それはともかく週刊連載ものも無事に二週間目終了であります。どうにも喜緑さんが暴走気味な気がしないでもないですが、それはすべてキャラソンのせい、ということにしておきましょう。そうしましょう。

また、明日の長篇は……ちょいとばかり更新時間が遅くなるかもしれません。あっちもあっちでどうオチをつけたものか(;´Д`)

第一話はこちら

【週刊喜緑江美里】
第二話:喜緑さん、誑かす

 窓の外、涼宮さんを先頭にその後ろをあきらめ顔で着いていく彼の姿を見れば、どうやら涼宮さん主体で何かをやろうとしていることは、すぐにわかります。
 ただ、その周りに朝比奈さんがいませんね。長門さんの行動は、当然ながら把握しております。何しろわたしは、長門さんの監視役ですから。
「長門さんはどちらに?」
「繁華街にあるカレー専門店に駆け込んでます。ああ、そこであなたのお知り合いと偶然に出会ったようですね。それを理由に居座るつもりみたいですけれど」
「この時間というと……なるほど、森さんですか」
 その情報を仕入れつつ、窓の外に見える二人の姿を目で追うわたしは、何か怒ってるように喋る涼宮さんの口の動きから会話内容を探っているんですが……アリバイ調査ですか……アリバイ……探偵の真似事でも始めたんですか?
 それほど重大な事件が起きたのであれば、いくら長門さんだって呑気にカレーなんて食べに行ってるわけもないでしょうし……ああ、涼宮さん、いつものリボンをしてませんね。つまりそれが盗まれたと考えて、調査しようとしているんですね。
「なかなか鋭い洞察力ですね。犯人が誰なのか、ご存じなのですか?」
「さぁ、そこまでは」
「なるほど」
 おや、何か考えついたんですか。普段と変わりないように見えますが、わたしの目はごまかされませんよ。
「どうするおつもりですか?」
「犯人がわかりませんからね。どうしたものかと」
「わかれば?」
「少し、涼宮さんの楽しみを伸ばそうかと思いまして」
 それなら……。
「でっち上げましょう。犯人」
「何かアテでも?」
「シチュエーションはお任せいたします。キャスティングお任せ下さい」
「お受けいたしましょう」
「しばらくしたら、校門まで涼宮さんたちを連れてきてくだされば、あとは勝手に動くでしょう」
「わかりました。でも、あまり面倒なことになるような無茶はしないでくださいよ。では、これで失礼します」
 さて、古泉さんが何を考えているのかはあえて言及しないことにしましょう。一から十まで彼のことを信用しているわけではございませんし。
 ただ、彼が何を行うかにはいささか興味がございます。そして、それを利用するのも楽しそうです。
 幸いなことに、どうやら長門さんのおかげでこの上なく怪しい人物もこちらへ向かっていますから、口にした以上、キャスティングくらいはしっかり行っておきましょう。
 荷物をまとめ、生徒会室を出て長く緩やかな坂道へ急ぐと……あらあら、朝倉さん。もしかしてその姿……正体を隠そうとしてるのかしら? それはなんというか……いえ、多くを語るのはやめておきましょう。
「あら、朝倉さんじゃありませんか」
「きっ、喜緑さん……っ!」
 ちょっと驚き方がオーバーですけれど、彼女にとって、ここでわたしと会うことは予定外のことだったのでしょう。それはそうです。わたしも、彼女と会うつもりはございませんでしたから。
「ご無沙汰しております」
「あれ、知り合いなの? 朝倉さんと……えと、生徒会の喜緑江美里先輩ですよね?」
 朝倉さんと一緒にいらした……ええと、学校にいたころの知り合いでしょうか。朝倉さん、社交性は長門さんとは比べものにならないほどですから、そういう知り合いがいてもおかしくありませんけれど。
「あら、わたしのことご存じでした?」
「はい。凄腕の書記がいるって、生徒会に。ウワサになってましたから」
「あらあら、そんなウワサが流れているなんて。わたし、特に何もしていませんのに」
 それはそうですよ。だって書記ですから。書記で凄腕と言われましても……ねぇ。うふふ。
「それで、知り合いなの? 朝倉さんと喜緑先輩」
「ええっとそれは、」
「ええ、そうですよ。朝倉さんとは中学から仲よくしていた後輩でしたから。急にカナダへ転校になったときは、残念に思っておりました。ところで……朝倉さんたちは、これから学校へ?」
「あ、そ、そうなの」
 朝倉さん、何もそこまで警戒しなくてもいいじゃないですか。いくらなんでも、一般人を相手に本当のことを言うわけがないでしょう。
「約一年ぶりに戻ってきたところで阪中さんと会って、それで誘われたから学校に。うん、せめて先生には挨拶しておこうかなって」
「あらあら。それはとても良い心がけですね。ああ、でも」
 だから朝倉さん、そこまで警戒しないでください。本当に……勘が鋭いといいますか、彼女は優秀ですね。
「いえいえ、朝倉さん、クラスでも人気があったと聞いておりますから。急に現れたりしたら、みなさん驚くのではないかと思いまして」
 そうですね、ただ盗品を捏造するだけじゃインパクトが足りませんから……目に見える形にしておいた方がよさそうです。
「ああ、そうですわ。せめてもう少し……ええっと」
 涼宮さんのリボンは……確か、こんな感じですね。筆箱くらいの情報を分解・再構築すれば充分です。今ここでやったことは朝倉さんにもバレバレでしょうが、その意図まで気づくこともないでしょう。彼女にわたしの考えを読み取るほどの能力はありませんから。
「これです。生徒や教師以外が校内に入るのは御法度ですけれど、朝倉さんですからそれは問題ないと思います。そのままの出で立ちでも、大丈夫とは思いますけれど……せめて無用の混乱を避けるためにも、他の生徒に気づかれないように髪型も変えてみてはいかがでしょう」
 さてさて、そろそろ古泉さんが用意した舞台が整う頃合いでしょうか。
「これで帽子をかぶれば、朝倉さんだってすぐにはわからないんじゃないかしら」
「あー……うん、そう……かな? かも」
 見る人が見ればわかるんでしょうけれど、リボンに視覚情報を改変させるジャミングを放出するようにしてありますから、涼宮さんや彼がすぐに気づく、ということにはなりません。ええ、そんな初歩的なミスをするわけがございませんでしょう。
「あ、ついつい話し込んでしまいましたね。それでは朝倉さん、そのお友達の方も、また」
 いつまでも一緒にいるわけにもいきませんからね。あとはそう、涼宮さんの方から勝手に朝倉さんを追いかけてくれることでしょう。
 わたしの方は……さて、もう少し舞台を広げましょうか。

つづく
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★無題
NAME: せつや
にのまえさん、おはようございます。
喜緑さんの策士ぶりが冴えてきましたね。キャラソンも『ああ』でしたし、もう公式にも認められたってことですね。
それにしても、今回の朝倉さんはちょっと悲惨というか、いろんな人に振り回されそうですね。他にも原作にはない組み合わせが楽しみです。
では明日の長編を楽しみにしています。
2007/01/27(Sat)09:35:25 編集
今回の喜緑さんは、とことん腹黒でいこうかと(´▽`)
朝倉さんもたまにはこういう役回りがいいんじゃないかということで、頑張ってもらいましょうw
【2007/01/27 16:41】
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